企画novel

ルカ(聖夜月ルカ)

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10 二人がいなくなった世界

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「セッツァー様、ごきげんよう!
 今日も素晴らしいお天気ですね。」

 「おぉ、ルシアン様、ごきげんよう!
 今日も、お互い頑張りましょうね!」

 「もちろんですとも…!」

セッツァーとルシアンは同じ道をゆっくりと歩いて行く。



 「しかし…こんなことを言ってはなんですが…
最近の天界はとても穏やかだとは思いませんか?」

 「セッツァー様、そんなことを言われてはあの二人に失礼ですぞ。」

 「ルシアン様、私はなにもあの二人がいないからだなんて、一言も言ってませんよ。」

 「あ…それは…
ところで、あの二人とはどの二人のことですかな?」

 「ルシアン様はお人が悪い…」

 二人は顔を見合わせて笑った。



優秀だが気難しいギャブリエと、あわて者でおっちょこちょいのディディエがいなくなってからの天界は、それはもうとても穏やかで…



「しかし、こう静かで落ちついていると、却って寂しい気もしますな。」

 「なにをおっしゃるのです。
ギャブリエ様が地上に降りられてからというもの、あなたはいつも微笑んでいらっしゃる。
今までは、いつもあんなに憂鬱そうな顔をなさっていたのに…」

 「私のためを思ってのことだろうとは思うのですが…
ギャブリエ様はああいうお方。
ディディエが問題を起こす度に、私の監督不行き届きだとそりゃあもうガミガミネチネチと絞られましたからな…」

 「ギャブリエ様のお小言は長いですからね…
あなたは直属の部下でしたから、それは大変だったと思います。」

 「そりゃあもう…その大変さはギャブリエ様についた者にしかわかりませんよ…!!」

 「セッツァー様、そう興奮なさらずに…!」

ルシアンはセッツァーの背中をそっとさすった。



 「とにかく、あのディディエが金のわっかをみつけるまでには相当かかることでしょうから、その間にゆっくりと羽をお伸ばしになることですな。」

 「そうですね…
どうか、金のわっかがなかなかみつかりませんように…!」

 「セッツァー様、なんということを…」

 「今の願い事はヒミツですよ…」

セッツァーの言葉に二人は顔を合わせてまた笑った。


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