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「やっぱり、ベッドは良いね。
昨日は良く働いたせいか本当によく眠れたよ。」
「そうだね。
君は僕を載せて飛んでくれたんだし、ずいぶん疲れただろうね。
なんなら今日は、飛ばずに歩いて行こうか?」
「僕なら大丈夫だよ。
昨夜、ゆっくり休んだから完全に回復した。
それに、朝食もお腹いっぱい食べさせてもらったからね。」
「そう…無理しないでね。」
僕は出来る事なら自分の足で歩いて山を越えたかった。
……きっと、少しでも母さんの故郷に着くのを遅らせようと考えたんだろう。
未練がましい…
決心したはずだったのに、こんなことを考えてしまうなんて…僕はなんて未練がましい人間なんだろう…
本当にあっという間だった。
アズロに載って空を進むと、山なんてあっという間に越えてしまう。
昨日のことがあったから、今日はあまり高くは飛ばず山の稜線をすれすれに飛び、何度も休んだのにも関わらず、昼頃にはもう山を一つ越えてしまった。
予想よりもずっと早い進行に、僕はすっかり戸惑ってしまった。
「さぁ、あと一息だね。
あの山だね?君のお母さんの故郷の村があるのは…」
アズロはすぐ傍に見える山を指差した。
「話からするとそうだと思う。」
「じゃあ、早く行こうよ!
さ、僕に掴まって!」
母さんに聞いた通りに進み、その度に目印のようなものもちゃんとあったから、僕は間違いなく
進んで来たはずだ。
だから、母さんの故郷の村はあの山にあるはず。
そう確信すると、僕の足はまるでその場に根が生えてしまったように動かなくなった。
「シンファ…どうかしたの?」
「……アズロ…ここからは歩いて行きたいんだけど…」
「どうして?飛んでいけばすぐなのに…」
「だから…だよ。
母さんが何度も登ったり降りたりしただろうその山道を、僕もゆっくりと歩いてみたいんだ。」
「……そうか、わかった。
じゃあ、そうしよう。」
アズロという人は、本当に物分りが良いというのかなんというのか…
じゃあ、そうしようと行った途端に彼はもう山に向かって歩き始めていた。
僕は、彼の後を小走りで追いかけ、彼の横に並んで歩調を合わせた。
「やっぱり、ベッドは良いね。
昨日は良く働いたせいか本当によく眠れたよ。」
「そうだね。
君は僕を載せて飛んでくれたんだし、ずいぶん疲れただろうね。
なんなら今日は、飛ばずに歩いて行こうか?」
「僕なら大丈夫だよ。
昨夜、ゆっくり休んだから完全に回復した。
それに、朝食もお腹いっぱい食べさせてもらったからね。」
「そう…無理しないでね。」
僕は出来る事なら自分の足で歩いて山を越えたかった。
……きっと、少しでも母さんの故郷に着くのを遅らせようと考えたんだろう。
未練がましい…
決心したはずだったのに、こんなことを考えてしまうなんて…僕はなんて未練がましい人間なんだろう…
本当にあっという間だった。
アズロに載って空を進むと、山なんてあっという間に越えてしまう。
昨日のことがあったから、今日はあまり高くは飛ばず山の稜線をすれすれに飛び、何度も休んだのにも関わらず、昼頃にはもう山を一つ越えてしまった。
予想よりもずっと早い進行に、僕はすっかり戸惑ってしまった。
「さぁ、あと一息だね。
あの山だね?君のお母さんの故郷の村があるのは…」
アズロはすぐ傍に見える山を指差した。
「話からするとそうだと思う。」
「じゃあ、早く行こうよ!
さ、僕に掴まって!」
母さんに聞いた通りに進み、その度に目印のようなものもちゃんとあったから、僕は間違いなく
進んで来たはずだ。
だから、母さんの故郷の村はあの山にあるはず。
そう確信すると、僕の足はまるでその場に根が生えてしまったように動かなくなった。
「シンファ…どうかしたの?」
「……アズロ…ここからは歩いて行きたいんだけど…」
「どうして?飛んでいけばすぐなのに…」
「だから…だよ。
母さんが何度も登ったり降りたりしただろうその山道を、僕もゆっくりと歩いてみたいんだ。」
「……そうか、わかった。
じゃあ、そうしよう。」
アズロという人は、本当に物分りが良いというのかなんというのか…
じゃあ、そうしようと行った途端に彼はもう山に向かって歩き始めていた。
僕は、彼の後を小走りで追いかけ、彼の横に並んで歩調を合わせた。
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