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漫喫の夜 side 雪彦

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「あ…て、テレビでも見ましょうか?」

 「そ、そうですね。」



 部屋の静けさが辛くて、僕はそんなことを言って、テレビをつけた。
 映し出されたのは、騒がしいバラエティ。
 今の状況にはうってつけの番組だ。



 「スイーツでも食べますか?
それとも、何か軽い物でも…」

 僕はメニューを彼女の前に差し出した。



 「えっと…じゃあ、ポテトフライでもつまみますか?」

 「そうですね。」

 僕はポテトとサラダをオーダーした。



 見なくてもテレビがついてるだけで…食べなくてもつまむものがあるだけで、なんとなく照れくささは緩和された。



 「私…ちょっと飲もうかな。
 島本さんもいかがですか?」

 「そうですか、じゃあ、ワインでも…」



 彼女はまだ話したいことがあるのかもしれない。
お酒が入れば、話しにくいことも話せたりするものだ。
 僕もその方がよりリラックスして話せるかもしれない。



 「じゃあ…乾杯!」

 僕達はグラスを合わせた。



 「何に乾杯ですか?」

 「う~ん…私達の再スタートに…」

 「そうですね!」


 何杯か飲んだところで、平川さんは酔いが回って来たのか、良く笑うようになった。
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