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キャンプ場 side 美穂

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 「良い天気になって良かったね!」

 「俺、晴れ男だから!」



 突き抜けるような晴天の日…相川さんの運転で、私達はキャンプ場に向かった。 



 車に疎い私には車種はなんてわからないけど、格好良い大型の車だった。
しかも、左ハンドル。
なんだかゴージャスな車だ。



 普通なら、こんな場合、相川さんの隣の助手席には彼女である私が座るんじゃないかと思うんだけど…
なぜだか助手席には島本さんがいて、私とあゆは後ろの席に座った。 
でも、まぁ、その方が私としても気が楽だから良いけど…



そういえば、今まで相川さんの気持ちを考えたことはなかったって気が付いた。 
 相川さんって、ハートも強そうだし…っていうか、きっと、私…相川さんのことがそれほど好きじゃないから、気にしなかったんだろうな。 
あ~あ…最低だ。 
 私って、本当に最低。



キャンプ場は、宿泊施設も完備され、バーベキューの準備はもちろんのこと、後片付けまでしてくれるらしい。
 面倒臭がりの私としては、その方がありがたい。



 車は都会の高速道路を抜け、やがて、山道に入っていた。 



 「近くに川があるから、魚釣りとかも出来るらしいよ。」

 「へぇ~…面白そうだね。」

 「夏だったら、川遊びも出来たのにね。」



これから気の重い話をしなきゃならないってことを忘れてしまう程に、私達はわいわいと楽しくはしゃいで…



お昼過ぎにようやく車はキャンプ場に着いた。
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