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side 慎太郎

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「明後日、当家にて、美戎様のお誕生日を祝う会を開催致します。
どうぞ、皆様もお越し下さいませ。
お待ちしております……だってさ。
……へぇ、美戎は誕生日を覚えてるんだな。
さすがは都会っ子だな。」



え?そうなの?
じゃあ、この世界の人達は自分の誕生日を知らないってこと…!?



「なぁ、慎太郎。
あんたは誕生日を祝う会に出たことがあるか?」

俺が驚いてると、ゆかりさんがさらに言葉を続けた。



「えっ!?ま、まぁ……」

誕生日を祝う会って…誕生日を祝う会のことだよな?
そんなのみんなあるんじゃないか?



「すっげぇな!
それで、その会ではどんなことをするんだ?」

「どんなことって……
まぁ、誕生日を祝って贈り物をしたり、みんなでご馳走を食べたり…後は、歌ったりとか適当に……」

「贈り物……?」

ゆかりさんの表情がにわかに曇り始めて……



「ゆかりさん…どうかしたの?」

「どうしよう……あたい……贈り物なんて……」

「あ……」



そうだった。
贈り物を買うにはお金がいる。
でも、俺達はお金がない……



「ゆかりさん、贈り物っていうのは、別にお金をかけなくても良いんだ。
たとえば…そうだ、綺麗な花を摘んでいっても良いし、何か得意なことがあればそれをしてあげても良い。
おめでとうの言葉だけだって良いんだよ。」

「……そうなのか?」

心配そうな顔を向けたゆかりさんに、俺はゆっくりと頷いた。
でも…きっと、ゆかりさんは美戎になにかプレゼントしたいだろうな。



(だって、ゆかりさんは美戎のことが好きなんだから……)


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