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side 慎太郎

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「みんな、どうもありがとう!」

「美戎、開けてみておくれ。」

「うん。」



「わぁぁ……」



布がめくられた途端、みんなから溜息のような声が広がった。
そこから出てきたものは、色とりどりの大きな宝石が並んだ腕輪だったんだ。
俺は元々宝石には詳しくないし、況してやここは異世界なんだから、採れる宝石や名前も違うだろう。
でも、そんな俺にもわかることがある。
あの腕輪はきっと相当高価なものだってことだ。
だって、あのきらきら具合ったら、まるで若い女の子がよくつけてるなんとかっていう高いビーズみたいなんだもん。




「最初にそんなの出されたら、私達、出しにくいじゃありませんか。」

お母さんはちょっと拗ねたようにそう言って、その言葉に、アジュさんも頷いた。



「何を選ぶかは私の自由じゃないか。
美戎、さ、他のも開けてみなさい。」

「うん。」



「わぁぁ……」



俺とゆかりさんの口は、さっきと同じようにまたあんぐりと大きく開いた。
お母さんの贈ったものは、お父さんのと同じようにきらきら輝く宝石のついた指輪で、アジュさんのは、これまたキラキラのペンダントだったんだ。



「良かったな。同じものが重ならなくて……」

「でも、みんなアンゲリカ石だったわね。」

三人は、顔を見合わせゆっくりと頷き合う。




「アンゲリカ石……」

「ねぇ、ゆかりさん、アンゲリカ石って何なの?」

「あんた、そんなことも知らないのか!?
アンゲリカ石っていうのはなぁ……」




「さぁ、次は君達の番だぞ。」



俺達がひそひそと話をしていると、ミマカさんが俺達の方を向いて、唐突にそんなことを言い出したんだ。
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