ヨウカイ・イセカイ・キキカイカイ2

ルカ(聖夜月ルカ)

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壺の向こうへ

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「な、なんだ、これ!」

 部屋の中は、壁の棚には大量の本が並べられ、その反対側の棚にはなんだかよくわからないものがたくさん並んでた。



 「うっ!」

 棚の上はものすごいほこりだ。
ちょっと手を触れただけで、白いほこりが舞う。



 「美戎…」

 小さく開かれたふすまから奥の部屋をのぞいた。



 「あっ!」

 俺が思わず声を出してしまったのは、床に描かれた魔方陣のせいだ。
こういうのは見慣れないせいか、なんだか背筋が寒くなって来る。
 美戎は机の前で、なにかを一心に読みふけっていた。



 「美戎…ここは……」

 「多分、九兵衛さんの部屋じゃないかな?」

 美戎は読んでるものから目を離さずにそう答えた。



 「九兵衛さんって…確か、ゆかりさんの……」

 「そう、お父さんだね。
ここの陰陽師頭だよ。」

 「美戎…ゆかりさんなんだけど…しばらくひとりにしといて欲しいって言ってるんだ。
 大丈夫かな?
やっぱり、俺が着いてた方が良いかな?」

 「ゆかりさんなら大丈夫だよ。
しばらく一人にしといてあげたら、きっと心の整理も着くんじゃないかな?」

 美戎は、相変わらず、手に持った本を読みながら、顔も上げずにそう言った。



 「おい、美戎…さっきから何を読んでるんだ?」

 「うん、九兵衛さんのノート…みたいなもんだよ。
なかなか興味深いことが書いてあってね…」

 「ふ~ん…」

 俺は、部屋を出て、ゆかりさんの部屋をそっとのぞいてみた。
ゆかりさんは部屋の片隅に座り込んで、ぼんやりとしてた。
きっと、美戎の言う通りなんだろうって思えた。
ここでのことを思い出したり、あるいは楽しかった日のことを思い出したりしてるんだろうな…
俺としては隣に座って話を聞いてあげたかったのだけど、誰にだってひとりになりたいことがある。
 今がゆかりさんはきっとそういう時なんだと思って、俺は、また廊下を戻った。
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