1ページ劇場②

ルカ(聖夜月ルカ)

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すいかの妖精

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(信じられない……)



まわりは田んぼと畑ばかり。
 人もほとんどいない…



(なんでこんなところに?)



 私は来月結婚することになっている。
 二人の夢を叶えるため、いなかで農業をしながら、私は小さなカフェを経営することになり、候補であるこの地へやって来た。
ところが、そこは思ってた以上のド田舎で…
しかも、彼は急用が出来たとかで今日は来られないとのこと。
そんなことならもっと早くに言え!と、心の中で彼に悪態を吐きながら、今夜泊まる寂れた民宿を後にした。



 (こりゃひどい…)



 見渡す限り、畑と田んぼ…遠くにはうっすらと山の稜線が見えるだけ。
のんびりしたいなかライフを過ごしたいとは思ったけど、これじゃあ、カフェを作っても訪ねる者はいないだろう。



 (あ…)



 焼けつく太陽の下をしばらく歩くと、そこは広大なすいか畑だった。



 (すっごい大きなすいか……ん?)




あぜ道をひょこひょこ歩く小さな者…
手には真っ赤なトマトを持って、それをおいしそうにかじりながら歩いてる。
 私と目があうと、そいつは立ち止まり、私をじっとみつめた。



 『まさか、あたいのことが見えてるんじゃないだろうな。』

 甲高い電子音のようなおかしな声…



「見えてるけど…」

 私がそういうと、そいつはおかしな声をあげてあたりをせわしなく動き始めた。



 『大変、大変!人間にみつかってしまった!
あたい、すいかの妖精なのに、トマトが好きなことがバレてしまう。』



 「心配しなくても、誰にも言わないわよ。」



それは嘘じゃない。
 私は昔からおかしな者が見えてたけど、そのせいでずっといやな想いをしてきた。
だから、今日はこんなのを見たとか、そういう話はしないことに決めてるから。



 『人間、本当?』

 「うん、本当。
だから、心配しなくて良いよ。」

 自称、すいかの妖精は、私の言ったことに戸惑っているのか、じっと私を見上げてた。



 『人間、あたい、口止め料の代わりに、あんたの願いを叶える。
あんたのほしいものは何?』

 「いいわよ、そんなの…」

 『信用できない。だから、願いを叶える。』

ちょっと意地の悪い瞳で、すいかの妖精は私をみつめてた。
これはなにか言わないと引きさがりそうにない。



 「そう、だったら、素敵な家でも探してもらおうかな。」

 『わかった。じゃ、今夜0時にここに来て。』

 「はいはい、ありがとう。」
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