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星の欠片
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「パパ達のところに行こう。」
ようやく涙が途切れかかったところで、私は悟にそう言った。
もう私ひとりじゃどうにもならないって思ったから。
悟は頷き、私達は手を繋いで玄関を出た。
「わぁ……」
外は、思ったよりも明るかった。
それは、空一面に広がる星たちと、丸いお月様のせい。
とっても綺麗だけど、夜は夜…私の住んでるところとは違って、明かりが少ないし、建物も少ないから、なんだか怖い。
「おねえちゃん…パパ達がどこにいるか知ってるの?」
「え…そ、それは…」
そんなこと知ってるわけがない。
「ねぇ、おねえちゃんってば!」
「う、うるさいわね!歩いてたらそのうちわかるから!」
私は悟の手を引いて、適当に歩き出した。
でも、今向かってるのが逆の方向だったら…迷って帰れなくなったらどうしよう…?
「うっ……うう……」
心細さにまた涙がこぼれた。
悟にもその涙は感染し、私達は泣きながら、今来た道を戻った。
「あれ…」
おばあちゃん家の庭に戻った時、不意に悟が立ち止まる。
悟は空を見上げてた。
その視線を辿ると、空から何か白いものが落ちて来るのが見えた。
「あっ!」
近付いてくるにつれ、それが白いうさぎだということがわかった。
私は間近に近付いたうさぎに手を伸ばす。
「わぁっ!」
私の腕の中に、うさぎはすっぽりとおさまった。
「いや~、ありがとう、助かったよ。」
そのうさぎは人の言葉をしゃべった。
私と悟がみつめる中で、うさぎは私の腕からぽんと飛び出し、人みたいに二本足で立った。
「あれ?泣いてるみたいだけど、どうかしたの?」
「ど、どうもしてない。
あんたこそ、どこから落ちて来たの?」
「あぁ、餅つきをサボってたら、足が滑ってね。」
「え…?」
「もしかして、君はあの月から来たの?」
悟がうさぎに訊ねる。
「ま、そういうこと。」
「どうするの?月までは遠いよ。」
「大丈夫さ、僕は空を飛べるからね。」
そう言うと、うさぎの身体は宙に浮かんだ。
「わぁ、すごーい!」
「手を出して。」
悟が言われるままに手を差し出すと、うさぎと共に悟の身体が宙に浮かんだ。
「うわぁ~~!」
悟とうさぎはぐんぐん高い所に上って行く。
「悟、危ないって!」
「おねちゃんもおいでよ!
すっごく気持ち良いよ!」
「そんな…私は空なんて飛べないし。」
「扇風機に乗ってくれば良いよ。」
頭上からうさぎがそんなことを言った。
「扇風機は空なんて飛べないわ!」
「飛べるって!」
うさぎと悟はさらに空高くに行ってしまった。
馬鹿馬鹿しいと思いつつも、私はとりあえず、家の中に入った。
居間に扇風機がある。
(こんなのが飛ぶわけないよね…)
そう思いながら恐る恐るスイッチを押した。
「えっ!?」
羽が回転を始めると、扇風機は少しずつ宙に浮かんだ。
「ま、待って!」
私が扇風機にしがみつくと、扇風機は窓を突き抜け、星空に飛び出していった。
「悟ーーーー!」
「おねえちゃ~ん!」
なんて気持ち良いんだろう…
空の上は、広くて涼しくて、最高に気持ちが良かった。
私達は、キラキラ輝く夜空を自由に飛び回り、声を上げて笑った。
ようやく涙が途切れかかったところで、私は悟にそう言った。
もう私ひとりじゃどうにもならないって思ったから。
悟は頷き、私達は手を繋いで玄関を出た。
「わぁ……」
外は、思ったよりも明るかった。
それは、空一面に広がる星たちと、丸いお月様のせい。
とっても綺麗だけど、夜は夜…私の住んでるところとは違って、明かりが少ないし、建物も少ないから、なんだか怖い。
「おねえちゃん…パパ達がどこにいるか知ってるの?」
「え…そ、それは…」
そんなこと知ってるわけがない。
「ねぇ、おねえちゃんってば!」
「う、うるさいわね!歩いてたらそのうちわかるから!」
私は悟の手を引いて、適当に歩き出した。
でも、今向かってるのが逆の方向だったら…迷って帰れなくなったらどうしよう…?
「うっ……うう……」
心細さにまた涙がこぼれた。
悟にもその涙は感染し、私達は泣きながら、今来た道を戻った。
「あれ…」
おばあちゃん家の庭に戻った時、不意に悟が立ち止まる。
悟は空を見上げてた。
その視線を辿ると、空から何か白いものが落ちて来るのが見えた。
「あっ!」
近付いてくるにつれ、それが白いうさぎだということがわかった。
私は間近に近付いたうさぎに手を伸ばす。
「わぁっ!」
私の腕の中に、うさぎはすっぽりとおさまった。
「いや~、ありがとう、助かったよ。」
そのうさぎは人の言葉をしゃべった。
私と悟がみつめる中で、うさぎは私の腕からぽんと飛び出し、人みたいに二本足で立った。
「あれ?泣いてるみたいだけど、どうかしたの?」
「ど、どうもしてない。
あんたこそ、どこから落ちて来たの?」
「あぁ、餅つきをサボってたら、足が滑ってね。」
「え…?」
「もしかして、君はあの月から来たの?」
悟がうさぎに訊ねる。
「ま、そういうこと。」
「どうするの?月までは遠いよ。」
「大丈夫さ、僕は空を飛べるからね。」
そう言うと、うさぎの身体は宙に浮かんだ。
「わぁ、すごーい!」
「手を出して。」
悟が言われるままに手を差し出すと、うさぎと共に悟の身体が宙に浮かんだ。
「うわぁ~~!」
悟とうさぎはぐんぐん高い所に上って行く。
「悟、危ないって!」
「おねちゃんもおいでよ!
すっごく気持ち良いよ!」
「そんな…私は空なんて飛べないし。」
「扇風機に乗ってくれば良いよ。」
頭上からうさぎがそんなことを言った。
「扇風機は空なんて飛べないわ!」
「飛べるって!」
うさぎと悟はさらに空高くに行ってしまった。
馬鹿馬鹿しいと思いつつも、私はとりあえず、家の中に入った。
居間に扇風機がある。
(こんなのが飛ぶわけないよね…)
そう思いながら恐る恐るスイッチを押した。
「えっ!?」
羽が回転を始めると、扇風機は少しずつ宙に浮かんだ。
「ま、待って!」
私が扇風機にしがみつくと、扇風機は窓を突き抜け、星空に飛び出していった。
「悟ーーーー!」
「おねえちゃ~ん!」
なんて気持ち良いんだろう…
空の上は、広くて涼しくて、最高に気持ちが良かった。
私達は、キラキラ輝く夜空を自由に飛び回り、声を上げて笑った。
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