1ページ劇場②

ルカ(聖夜月ルカ)

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星の欠片

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「パパ達のところに行こう。」

ようやく涙が途切れかかったところで、私は悟にそう言った。
もう私ひとりじゃどうにもならないって思ったから。
 悟は頷き、私達は手を繋いで玄関を出た。



 「わぁ……」



 外は、思ったよりも明るかった。
それは、空一面に広がる星たちと、丸いお月様のせい。
とっても綺麗だけど、夜は夜…私の住んでるところとは違って、明かりが少ないし、建物も少ないから、なんだか怖い。



 「おねえちゃん…パパ達がどこにいるか知ってるの?」

 「え…そ、それは…」

そんなこと知ってるわけがない。



 「ねぇ、おねえちゃんってば!」

 「う、うるさいわね!歩いてたらそのうちわかるから!」

 私は悟の手を引いて、適当に歩き出した。
でも、今向かってるのが逆の方向だったら…迷って帰れなくなったらどうしよう…?



 「うっ……うう……」

 心細さにまた涙がこぼれた。
 悟にもその涙は感染し、私達は泣きながら、今来た道を戻った。



 「あれ…」

おばあちゃん家の庭に戻った時、不意に悟が立ち止まる。
 悟は空を見上げてた。
その視線を辿ると、空から何か白いものが落ちて来るのが見えた。



 「あっ!」

 近付いてくるにつれ、それが白いうさぎだということがわかった。
 私は間近に近付いたうさぎに手を伸ばす。



 「わぁっ!」

 私の腕の中に、うさぎはすっぽりとおさまった。



 「いや~、ありがとう、助かったよ。」



そのうさぎは人の言葉をしゃべった。
 私と悟がみつめる中で、うさぎは私の腕からぽんと飛び出し、人みたいに二本足で立った。



 「あれ?泣いてるみたいだけど、どうかしたの?」

 「ど、どうもしてない。
あんたこそ、どこから落ちて来たの?」

 「あぁ、餅つきをサボってたら、足が滑ってね。」

 「え…?」

 「もしかして、君はあの月から来たの?」

 悟がうさぎに訊ねる。



 「ま、そういうこと。」

 「どうするの?月までは遠いよ。」

 「大丈夫さ、僕は空を飛べるからね。」

そう言うと、うさぎの身体は宙に浮かんだ。



 「わぁ、すごーい!」

 「手を出して。」

 悟が言われるままに手を差し出すと、うさぎと共に悟の身体が宙に浮かんだ。



 「うわぁ~~!」

 悟とうさぎはぐんぐん高い所に上って行く。


 「悟、危ないって!」

 「おねちゃんもおいでよ!
すっごく気持ち良いよ!」

 「そんな…私は空なんて飛べないし。」

 「扇風機に乗ってくれば良いよ。」

 頭上からうさぎがそんなことを言った。



 「扇風機は空なんて飛べないわ!」

 「飛べるって!」

うさぎと悟はさらに空高くに行ってしまった。
 馬鹿馬鹿しいと思いつつも、私はとりあえず、家の中に入った。


 居間に扇風機がある。



 (こんなのが飛ぶわけないよね…)


そう思いながら恐る恐るスイッチを押した。



 「えっ!?」


 羽が回転を始めると、扇風機は少しずつ宙に浮かんだ。



 「ま、待って!」

 私が扇風機にしがみつくと、扇風機は窓を突き抜け、星空に飛び出していった。



 「悟ーーーー!」

 「おねえちゃ~ん!」

なんて気持ち良いんだろう…
空の上は、広くて涼しくて、最高に気持ちが良かった。
 私達は、キラキラ輝く夜空を自由に飛び回り、声を上げて笑った。

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