196 / 265
気合いの鍋
1
しおりを挟む
(あぁ~…だりぃ…)
もう9月だっていうのに、まったくもうなんて暑さだ。
俺は、見た目から体力だけが取り柄みたいに思われてるけど、意外と暑さには弱い。
今年は特に暑さが厳しかったせいか、もうすっかり夏バテ状態だ。
身体は鉛のように重いし、最近はめっきり食欲も落ちた。
ただ、見栄だけでなんとか食べてはいるものの、それもどこまで頑張れるのやら。
そもそも、そんな見栄を張ることがおかしい。
食欲がないならないと言えば良いのに、俺は変に意地っ張りだから。
(よ~し!一丁、気合いを入れるか!)
*
(準備万端整った!)
テーブルの上には、ぐつぐつと煮えるチゲ鍋。
エアコンはつけない。
窓も締め切った。
思いっきり汗を流してすっきりすれば、こんな症状なんてきっと吹き飛ぶ!
(うまい!)
辛さと熱さでちょっと食べただけで、汗が噴き出る。
なんとなく食欲も刺激されたみたいで、いつもより食が進む気がした。
俺は、調子に乗ってどんどん食べ続けた。
そのうちに、俺は異変に気がついた。
なにかがおかしい…
鼓動が速い…
頭がふらふらする…
やばい…なんだか…俺……
*
目が覚めたのはベッドの上だった。
俺は、熱中症で病院に運ばれたらしい。
「感謝しろよ。
俺が行かなかったら、お前あのまま死んでたかもしれないんだからな。」
「あぁ、本当にありがとう。」
俺を助けてくれたのは、隣の吉村だったらしい。
吉村も独身で、俺たちは良くお互いの部屋を行き来していた。
昨夜も、吉村は、俺と一緒に飲もうと思ってうちに来たらしい。
「しかし、なんでまたあんなくそ暑いところで鍋なんかやってたんだ?」
「え?あ、あぁ…ちょっと、その…我慢大会みたいな…」
「我慢大会…?ひとりでか?」
「まぁな…」
「おまえ…本当に変わってんな。」
そう言って、吉村は笑った。
無駄な見栄はもうやめよう…腕に繋がれた点滴を見ながら、俺は心からそう思った。
もう9月だっていうのに、まったくもうなんて暑さだ。
俺は、見た目から体力だけが取り柄みたいに思われてるけど、意外と暑さには弱い。
今年は特に暑さが厳しかったせいか、もうすっかり夏バテ状態だ。
身体は鉛のように重いし、最近はめっきり食欲も落ちた。
ただ、見栄だけでなんとか食べてはいるものの、それもどこまで頑張れるのやら。
そもそも、そんな見栄を張ることがおかしい。
食欲がないならないと言えば良いのに、俺は変に意地っ張りだから。
(よ~し!一丁、気合いを入れるか!)
*
(準備万端整った!)
テーブルの上には、ぐつぐつと煮えるチゲ鍋。
エアコンはつけない。
窓も締め切った。
思いっきり汗を流してすっきりすれば、こんな症状なんてきっと吹き飛ぶ!
(うまい!)
辛さと熱さでちょっと食べただけで、汗が噴き出る。
なんとなく食欲も刺激されたみたいで、いつもより食が進む気がした。
俺は、調子に乗ってどんどん食べ続けた。
そのうちに、俺は異変に気がついた。
なにかがおかしい…
鼓動が速い…
頭がふらふらする…
やばい…なんだか…俺……
*
目が覚めたのはベッドの上だった。
俺は、熱中症で病院に運ばれたらしい。
「感謝しろよ。
俺が行かなかったら、お前あのまま死んでたかもしれないんだからな。」
「あぁ、本当にありがとう。」
俺を助けてくれたのは、隣の吉村だったらしい。
吉村も独身で、俺たちは良くお互いの部屋を行き来していた。
昨夜も、吉村は、俺と一緒に飲もうと思ってうちに来たらしい。
「しかし、なんでまたあんなくそ暑いところで鍋なんかやってたんだ?」
「え?あ、あぁ…ちょっと、その…我慢大会みたいな…」
「我慢大会…?ひとりでか?」
「まぁな…」
「おまえ…本当に変わってんな。」
そう言って、吉村は笑った。
無駄な見栄はもうやめよう…腕に繋がれた点滴を見ながら、俺は心からそう思った。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる