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うさぎ
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(馬鹿だ…私は…)
どうやってここまで帰って来たのか、全く記憶がない。
多分、本能のようなもので辿り着いたのだろう。
最寄り駅から家までは約10分…
普段なら、なんてことない道程だけど、
私にはそれが果てしなく長い距離に感じられた。
足に力が入らず、フラフラしながら駅裏の公園のベンチに座った。
カエデの木が周囲に植えられた小さな公園だ。
ついさっきのことが思い出されて、涙が込み上げた。
幸い、周りには誰もいなかったけど、子供じゃないんだ、泣いたりなんて出来ない。
そう思うのに、涙がこぼれた。
止めようと思っても、あとからあとから込み上げて来て止まらない。
『もう無理だ、別れよう。』
何の予感もなかった。
祐司に会いたいと言われた時は、いつもと同じ、ただのデートだと思ってた。
このところ仕事が忙しくてなかなか会えなかった。
電話やLINEさえわずらわしくて、ちゃんと返事をしていなかった。
何ヵ月か会えなかったその間に、祐司の気持ちがこんなにも離れていたなんて…そんなこと、考えもしなかった。
私は祐司に懇願した。
考え直してくれって。
祐司は私に訊ねた。
『仕事と俺、どっちを取るんだ?』って。
その時、改めて、私は自分の気持ちを知った。
私は『祐司』とは言えなかった。
口に出して、仕事だとは言えなかったけど、心の中では仕事だとわかってた。
祐司はそのことを悟った。
『さようなら、有紀…今までありがとうな。』
私は祐司の背中を追うことが出来なかった。
追いかけたいけど、自分に嘘は吐けない。
身動きも出来ず、その場に座ったままだった。
仕事なんて、生活をするためだけのものだったはずなのに、いつの間にか、とても楽しくて遣り甲斐を感じるものに変わってた。
私は、疲れも忘れ、毎日遅くまで働いた。
休日に出勤することも珍しくはなかった。
働けば働くほど、手応えが感じられ、私はますます仕事にのめり込んで行った。
自業自得…
すべて私が悪いんだ。
なのに、なぜ、こんなにも悲しいんだろう…
薄暗くなりかけた日差しの中…私は泣き続けた。
***
どのくらい、そうやっていただろう。あたりはすでに闇に包まれ、街灯に灯りが灯った。
そろそろ帰らなきゃ…
ハンカチで涙を拭う。
コンパクトで顔を見たら、泣きはらした目はまるでうさぎのように真っ赤だ。
酷い顔を行き交う人達に見られないように、俯いて家路に着いた。
だけど、さんざん泣いたせいか、踏ん切りはついていた。
私はうさぎみたいに繊細じゃない。
どんなに寂しくたって、私は死にはしない。
( 祐司…今まで本当にありがとう。 )
どうやってここまで帰って来たのか、全く記憶がない。
多分、本能のようなもので辿り着いたのだろう。
最寄り駅から家までは約10分…
普段なら、なんてことない道程だけど、
私にはそれが果てしなく長い距離に感じられた。
足に力が入らず、フラフラしながら駅裏の公園のベンチに座った。
カエデの木が周囲に植えられた小さな公園だ。
ついさっきのことが思い出されて、涙が込み上げた。
幸い、周りには誰もいなかったけど、子供じゃないんだ、泣いたりなんて出来ない。
そう思うのに、涙がこぼれた。
止めようと思っても、あとからあとから込み上げて来て止まらない。
『もう無理だ、別れよう。』
何の予感もなかった。
祐司に会いたいと言われた時は、いつもと同じ、ただのデートだと思ってた。
このところ仕事が忙しくてなかなか会えなかった。
電話やLINEさえわずらわしくて、ちゃんと返事をしていなかった。
何ヵ月か会えなかったその間に、祐司の気持ちがこんなにも離れていたなんて…そんなこと、考えもしなかった。
私は祐司に懇願した。
考え直してくれって。
祐司は私に訊ねた。
『仕事と俺、どっちを取るんだ?』って。
その時、改めて、私は自分の気持ちを知った。
私は『祐司』とは言えなかった。
口に出して、仕事だとは言えなかったけど、心の中では仕事だとわかってた。
祐司はそのことを悟った。
『さようなら、有紀…今までありがとうな。』
私は祐司の背中を追うことが出来なかった。
追いかけたいけど、自分に嘘は吐けない。
身動きも出来ず、その場に座ったままだった。
仕事なんて、生活をするためだけのものだったはずなのに、いつの間にか、とても楽しくて遣り甲斐を感じるものに変わってた。
私は、疲れも忘れ、毎日遅くまで働いた。
休日に出勤することも珍しくはなかった。
働けば働くほど、手応えが感じられ、私はますます仕事にのめり込んで行った。
自業自得…
すべて私が悪いんだ。
なのに、なぜ、こんなにも悲しいんだろう…
薄暗くなりかけた日差しの中…私は泣き続けた。
***
どのくらい、そうやっていただろう。あたりはすでに闇に包まれ、街灯に灯りが灯った。
そろそろ帰らなきゃ…
ハンカチで涙を拭う。
コンパクトで顔を見たら、泣きはらした目はまるでうさぎのように真っ赤だ。
酷い顔を行き交う人達に見られないように、俯いて家路に着いた。
だけど、さんざん泣いたせいか、踏ん切りはついていた。
私はうさぎみたいに繊細じゃない。
どんなに寂しくたって、私は死にはしない。
( 祐司…今まで本当にありがとう。 )
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