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アダムの求婚
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「ぎゃーーーーーっっ!」
「紗枝さん、ぼ、ぼ、僕と結婚してください!」
僕は、紗枝さんの前に指輪を差し出した。
僕の有り金全部をはたいて買ったオパールの指輪だ。
「あ、淳史さん…な、なぜそんな恰好なんですか?」
「実は、銭湯で服を盗まれまして…
ちょうど、近くの畑に無花果が植えられてたので、そのはっぱをいただいて来ました。
まるで、アダムとイブみたいでしょ?」
僕には笑うしかなかった。
このところ、お金がなくてお風呂にもなかなか入れなかったから、せめてプロポーズする時くらい清潔にしたいと思ったんだ。
それが、間違いだった。
小銭をかき集めて行った銭湯で、まさか衣類全部を盗まれるなんて…
でも、銭湯のすぐそばに無花果畑があって本当に良かった。
それがなかったら、僕は完全な変態だ。
おまわりさんにみつからなくて良かった…
「あ、あの…紗枝さん…良かったら中に入れてもらえませんか?」
「あ、す、すみません。」
紗枝さんは僕を家の中に入れてくれた。
そして、紗枝さんのジャージを貸してくれた。
「本当にすみません。
こんな状態でプロポーズなんて、非常識だとは思ったんですが…」
「わかってます。約束を果たして下さったんですよね。」
「覚えててくれたんですか?」
「……もちろんです。」
そう、あれは中学三年生の時の体育の時間のことだった。
マイムマイムの曲を踊った時…僕は君に言ったんだ。
「27歳の君の誕生日にプロポーズする。」って。
付き合い始めて、まだ一か月も経つか経たないかの頃だったね。
それから、大学時代まで付き合って…
だけど、もうすぐ卒業って頃、君はおばあさんのところに行ってしまった。
詳しいことは話してくれなかったけど、きっとおばあさんの体調が悪かったんじゃないかって思ってた。
それからは、メールだけの付き合いになって…そのメールも日を追うごとに少なくなって…
もしかしたら、おばあさんのところに行くっていうのは嘘で、実は、僕は嫌われたんじゃないかって考えたりもした。
でも、君はまた戻って来た。
そして、その連絡もくれた。
僕たちはこれからまた恋愛の続きを再開するはずだった。
そんな矢先…僕はこんなことになってしまった。
僕だって悩んだんだ。
こんな状態でプロポーズなんてしていいのかって…
でも、約束は破れない。
やるだけのことをやって、そして君に断ってもらえば良い。
そう思ってやってきた。
「遠藤さんがあなたのことを心配してましたよ。」
「えっ!?遠藤が?」
紗枝さんは頷いた。
「それと…事情もすべて聞きました。
お子さんの手術代…どうにか集まったそうです。」
「そ、そうですか!良かった…」
僕が無一文になったのは遠藤の子供の手術代のためだった。
しがないサラリーマンの僕には貯金さえなく…だから、家財を売ってアパートも引き払い、それで得たお金のほとんどを遠藤に渡した。
遠藤は子供の頃からの友人だ。
その友人の子供が生きるか死ぬかの瀬戸際なんだ。
僕に出来ることならなんだってする覚悟だった。
「淳史さん、プロポーズをお受けします。
今日からここで一緒に暮らしましょう。」
「ほ、本当ですか!?」
夢のようだった。
「淳史さん、オパールの宝石言葉は希望っていうんですよ。
きっと大丈夫です。
二人で頑張りましょう!」
「紗枝さん、ありがとう!」
僕は、紗枝さんの両手を固く握り締めた。
「紗枝さん、ぼ、ぼ、僕と結婚してください!」
僕は、紗枝さんの前に指輪を差し出した。
僕の有り金全部をはたいて買ったオパールの指輪だ。
「あ、淳史さん…な、なぜそんな恰好なんですか?」
「実は、銭湯で服を盗まれまして…
ちょうど、近くの畑に無花果が植えられてたので、そのはっぱをいただいて来ました。
まるで、アダムとイブみたいでしょ?」
僕には笑うしかなかった。
このところ、お金がなくてお風呂にもなかなか入れなかったから、せめてプロポーズする時くらい清潔にしたいと思ったんだ。
それが、間違いだった。
小銭をかき集めて行った銭湯で、まさか衣類全部を盗まれるなんて…
でも、銭湯のすぐそばに無花果畑があって本当に良かった。
それがなかったら、僕は完全な変態だ。
おまわりさんにみつからなくて良かった…
「あ、あの…紗枝さん…良かったら中に入れてもらえませんか?」
「あ、す、すみません。」
紗枝さんは僕を家の中に入れてくれた。
そして、紗枝さんのジャージを貸してくれた。
「本当にすみません。
こんな状態でプロポーズなんて、非常識だとは思ったんですが…」
「わかってます。約束を果たして下さったんですよね。」
「覚えててくれたんですか?」
「……もちろんです。」
そう、あれは中学三年生の時の体育の時間のことだった。
マイムマイムの曲を踊った時…僕は君に言ったんだ。
「27歳の君の誕生日にプロポーズする。」って。
付き合い始めて、まだ一か月も経つか経たないかの頃だったね。
それから、大学時代まで付き合って…
だけど、もうすぐ卒業って頃、君はおばあさんのところに行ってしまった。
詳しいことは話してくれなかったけど、きっとおばあさんの体調が悪かったんじゃないかって思ってた。
それからは、メールだけの付き合いになって…そのメールも日を追うごとに少なくなって…
もしかしたら、おばあさんのところに行くっていうのは嘘で、実は、僕は嫌われたんじゃないかって考えたりもした。
でも、君はまた戻って来た。
そして、その連絡もくれた。
僕たちはこれからまた恋愛の続きを再開するはずだった。
そんな矢先…僕はこんなことになってしまった。
僕だって悩んだんだ。
こんな状態でプロポーズなんてしていいのかって…
でも、約束は破れない。
やるだけのことをやって、そして君に断ってもらえば良い。
そう思ってやってきた。
「遠藤さんがあなたのことを心配してましたよ。」
「えっ!?遠藤が?」
紗枝さんは頷いた。
「それと…事情もすべて聞きました。
お子さんの手術代…どうにか集まったそうです。」
「そ、そうですか!良かった…」
僕が無一文になったのは遠藤の子供の手術代のためだった。
しがないサラリーマンの僕には貯金さえなく…だから、家財を売ってアパートも引き払い、それで得たお金のほとんどを遠藤に渡した。
遠藤は子供の頃からの友人だ。
その友人の子供が生きるか死ぬかの瀬戸際なんだ。
僕に出来ることならなんだってする覚悟だった。
「淳史さん、プロポーズをお受けします。
今日からここで一緒に暮らしましょう。」
「ほ、本当ですか!?」
夢のようだった。
「淳史さん、オパールの宝石言葉は希望っていうんですよ。
きっと大丈夫です。
二人で頑張りましょう!」
「紗枝さん、ありがとう!」
僕は、紗枝さんの両手を固く握り締めた。
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