242 / 364
望遠鏡の男
1
しおりを挟む
「はぁ~~…」
思わず、僕は深いため息を漏らしてしまった。
僕の視線の先にあるのは、天体望遠鏡。
なぜだか、天体観測がしたくなって買ったものだ。
だが、そんなのはいつもの衝動に過ぎなかった。
すぐに飽きて望遠鏡は放置。
僕が飽き性だってことは十分わかってるのに、それでも、買ってしまうからこんなことになるんだ。
けっこう高かったのに、もったいない。
僕は久しぶりの望遠鏡に近付き、それを覗き込んだ。
(……ん?)
なぜだかそれは、天体ではなく、近くのマンションと思われるところにピントが合っていた。
そこでは、パンチパーマで白いランニングを着た男が、何かを食べていた。
茶碗を持って、かきこむように…
そうだ、あれはきっと卵かけご飯だ。
すごい食いっぷりだ。
相当腹が減っていたのか、あるいは卵かけご飯が相当好きなのか。
悪いとは思いつつ、なぜだか僕はその男から目が離せなかった。
そのうち男は茶碗を持ってその部屋からいなくなり、しばらくすると、大きな丸いボールを持って来た。
何をするのかと思いきや、男はそのボールの上にひょいと飛び乗り、玉乗りを始めたのだ。
なんという身軽さ!
しかも、男は玉の上で逆立ちまでしてしまった。
すごい!
まるで、サーカスじゃないか。
僕は、男の妙技に釘付けになってしまった。
その後も、ほとんど毎日、僕は男の部屋をのぞいた。
毎日、たまごかけごはんをかきこんで、玉乗りをする。
最初はあんなにびっくりしたものだが、一週間もするとすっかり飽きてしまった。
それから、さらに一週間程した頃、最寄りの駅で僕は彼に出会った。
例のパンチパーマで、たまごかけご飯をかきこみで玉乗りをする男に…
僕は、思わず、会釈をしてしまい、彼は怪訝な顔をしていた。
何か言われたら大変と、僕はその場から逃げるように立ち去った。
思わず、僕は深いため息を漏らしてしまった。
僕の視線の先にあるのは、天体望遠鏡。
なぜだか、天体観測がしたくなって買ったものだ。
だが、そんなのはいつもの衝動に過ぎなかった。
すぐに飽きて望遠鏡は放置。
僕が飽き性だってことは十分わかってるのに、それでも、買ってしまうからこんなことになるんだ。
けっこう高かったのに、もったいない。
僕は久しぶりの望遠鏡に近付き、それを覗き込んだ。
(……ん?)
なぜだかそれは、天体ではなく、近くのマンションと思われるところにピントが合っていた。
そこでは、パンチパーマで白いランニングを着た男が、何かを食べていた。
茶碗を持って、かきこむように…
そうだ、あれはきっと卵かけご飯だ。
すごい食いっぷりだ。
相当腹が減っていたのか、あるいは卵かけご飯が相当好きなのか。
悪いとは思いつつ、なぜだか僕はその男から目が離せなかった。
そのうち男は茶碗を持ってその部屋からいなくなり、しばらくすると、大きな丸いボールを持って来た。
何をするのかと思いきや、男はそのボールの上にひょいと飛び乗り、玉乗りを始めたのだ。
なんという身軽さ!
しかも、男は玉の上で逆立ちまでしてしまった。
すごい!
まるで、サーカスじゃないか。
僕は、男の妙技に釘付けになってしまった。
その後も、ほとんど毎日、僕は男の部屋をのぞいた。
毎日、たまごかけごはんをかきこんで、玉乗りをする。
最初はあんなにびっくりしたものだが、一週間もするとすっかり飽きてしまった。
それから、さらに一週間程した頃、最寄りの駅で僕は彼に出会った。
例のパンチパーマで、たまごかけご飯をかきこみで玉乗りをする男に…
僕は、思わず、会釈をしてしまい、彼は怪訝な顔をしていた。
何か言われたら大変と、僕はその場から逃げるように立ち去った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる