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サボテンマニア
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「わぁ、やっぱり美味しいね。」
「う、うん。」
はっきり言って、僕には美味しいのかどうのかわからない。
感じるのはソースの味と、なんとなく青臭いにおいだけ。
どうせなら、普通のステーキが食べたいよ。
「肉よりずっと美味しいよね!」
「そ、そうだね。」
いや、そんなことはない。
肉の方がずっと美味しいってば。
少なくとも、今食べてるサボテンのステーキよりは絶対にうまい!
だけど、そんなことは言えない。
彼女は熱狂的なサボテンマニアなんだから。
彼女がサボテンにハマり始めたのは、元はと言えば僕のせいなんだ。
誕生日に、何か癒されるものが欲しいと言われて、観葉植物でも買おうと入った店でサボテンを勧められて。
彼女はそのサボテンがいたく気に入ったらしく、そこからサボテンにハマり始めて…
「ねぇ、サボテンって太陽の子って呼ばれてるらしいんだけど、これはそのまんま『太陽』って品種でこっちは『紫太陽』っていうんだよ。」
彼女の部屋には、サボテンがどんどん増えていって、ついに今日はサボテンのステーキだ。
見るだけでは飽き足らず、食べるところまで来てしまったんだから、重症だ。
「あ、そうだ!」
サボテンステーキを食べ終えた彼女が突然立ち上がる。
「ねえ、見てみて。」
彼女は小さな箱を持ってきて、その中からブツブツした小さな石みたいなものを取り出した。
「な、何?」
「これね、サボテン水晶っていうんだってさ。
ほら、トゲみたいなのがたくさんついてるでしょ?
この石、精霊が宿る石とも呼ばれてるんだって。
すごいよね~!」
「へ、へぇ。す、すごいな。」
サボテン水晶って、もはやサボテンじゃなくて石じゃないか!
良いのか、それで。
俺のそんな胸の内も知らず、彼女はうっとりした顔でサボテン水晶をみつめてる。
ま、いいか。
とりあえず、彼女は喜んでいるんだし。
彼女の笑顔が見られるなら、サボテンでもパワーストーンでもなんでも構わない。
これが、惚れた弱みというやつか…
僕は苦笑いを浮かべるしかなかった。
「う、うん。」
はっきり言って、僕には美味しいのかどうのかわからない。
感じるのはソースの味と、なんとなく青臭いにおいだけ。
どうせなら、普通のステーキが食べたいよ。
「肉よりずっと美味しいよね!」
「そ、そうだね。」
いや、そんなことはない。
肉の方がずっと美味しいってば。
少なくとも、今食べてるサボテンのステーキよりは絶対にうまい!
だけど、そんなことは言えない。
彼女は熱狂的なサボテンマニアなんだから。
彼女がサボテンにハマり始めたのは、元はと言えば僕のせいなんだ。
誕生日に、何か癒されるものが欲しいと言われて、観葉植物でも買おうと入った店でサボテンを勧められて。
彼女はそのサボテンがいたく気に入ったらしく、そこからサボテンにハマり始めて…
「ねぇ、サボテンって太陽の子って呼ばれてるらしいんだけど、これはそのまんま『太陽』って品種でこっちは『紫太陽』っていうんだよ。」
彼女の部屋には、サボテンがどんどん増えていって、ついに今日はサボテンのステーキだ。
見るだけでは飽き足らず、食べるところまで来てしまったんだから、重症だ。
「あ、そうだ!」
サボテンステーキを食べ終えた彼女が突然立ち上がる。
「ねえ、見てみて。」
彼女は小さな箱を持ってきて、その中からブツブツした小さな石みたいなものを取り出した。
「な、何?」
「これね、サボテン水晶っていうんだってさ。
ほら、トゲみたいなのがたくさんついてるでしょ?
この石、精霊が宿る石とも呼ばれてるんだって。
すごいよね~!」
「へ、へぇ。す、すごいな。」
サボテン水晶って、もはやサボテンじゃなくて石じゃないか!
良いのか、それで。
俺のそんな胸の内も知らず、彼女はうっとりした顔でサボテン水晶をみつめてる。
ま、いいか。
とりあえず、彼女は喜んでいるんだし。
彼女の笑顔が見られるなら、サボテンでもパワーストーンでもなんでも構わない。
これが、惚れた弱みというやつか…
僕は苦笑いを浮かべるしかなかった。
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