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2、黒水晶(規律と守護)モリオン

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「……なんだって?」

 「だから、あたしが精霊の木まで連れていってやるって言ってんの!」

 「それはええ考えじゃ!わしも連れていってやりたいところじゃが、店を放っては行けんからなぁ…
サリー、頼んだぞ。」

 「任せときな!」

 「あ…あの…」

 私の話を聞こうともせず、ピェールとサリーは西の塔の魔女の話で盛り上がっていた。

 木のある場所を教えるだけで良いといっても、今更、サリーは素直に聞くことはないだろうと。
それに、私には特に断る理由もない。
 見知らぬ場所に行くには、道案内がいた方が安心だ。
サリーも、わざわざ精霊の木まで案内したいというわけではなく、おそらく西の塔の魔女に会ってみたいのだろうとも考え、私はあえて断ることはしなかった。



 (……好きにするが良いさ…)

 話しているうちに、ますますサリーとピエールの話には熱がこもり、盛りあがっていく…



「では、そろそろでかけようか。」

 私はいつもより大きな声を出した。

 二人が一斉に話をやめ、同じような顔つきで同時に私を見つめた。

その仕草がやけにおかしくて、私は思わず吹き出してしまった。



 「何なのさ~!いきなり笑い出して…」

 「……いや、なんでもない。失礼した。」

 「おかしな人だね。……ま、いいや。
じゃ、ピェール…行ってくるからね!」

 「あぁ、気を付けてな。
レヴさん、幸運を祈ってるからな。」



 私はピェールに礼を述べ、サリーと共にその場を後にした。

 
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