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4、菫青石(アイデンティティ)アイオライト

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 食事を済ませて部屋に戻ると、部屋の扉が開き、その前に先程の男が立っているのが見えた。
 私は、男の背中を押して部屋に入れると、あわてて扉を閉めた。



 「こいつは驚いた!」

 男は、ヴェールのことをまじまじとみつめ、声を上げた。



 「レヴ、この人、誰なのさ?」

 「この方は、先程話した帽子と黒眼鏡を下さった方だ。」

 男は、二人の話す間にも穴の開く程、ヴェールの顔を見つめ続ける。



 「一体、どうしてここへ…?」

 「あ……実はあれから、キャストライトのことを思い出して知らせに来たんだが……余計なことだったようだな。」

 「余計なこと?
……どういうことです?」

 「どういうことって…もう手に入ったんだろ?」

 「いいえ…まだ何の手がかりもありません。」

 「えっ?じゃ、この人は?」

 男はそう言ってヴェールを指差した。



 「彼がキャストライトを探しているのです。」

 「この人がキャストライトを!?
……おかしいな。じゃ、俺の聞いた話は間違いだったのかな。」

 「一体、それはどういうことです…?」

 男の話すことはわけのわからないことばかりだった。



 
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