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13、薔薇輝石(結ぶ愛)ロードナイト

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「では、森の民は私達の言葉はわかるのだろうか?」

 「わかります。
 森の民の言葉もあるようですが、人間の言葉もそれと同様に学んだと母は言ってました。」

 「君は森の民の言葉はわかるのか?」

 「それが…母は人間の言葉しか話しませんでしたから、私はまるで知らないのです。」

 「そうだったのか……
それはそうと、今度、大きな町へ行ったら、本を買うと良い。
 本はいろいろな知識を得るだけではなく、心を豊かにしてくれるぞ。」

 「そうなんですか。
それは楽しみです。」

 夜になるとようやくサリーが部屋から出てきて、三人でゆっくりと夕食を採った。



 「ジネットはどこまで行ったんだい?」

 「それが、私達にも詳しいことはわからないのだ。
 私も今日には戻るのではないかと思っていたのだが……もしかしたら遠くまで行ったのだろうか?」

 「大丈夫なんでしょうか?」

 「まだ一日だ。大丈夫だろう。」

 「ヴェールは本当に心配症だね!」

 「サリーの言う通りだ。ヴェール、もうしばらく待ってみよう……」 
 
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