十五の石の物語

ルカ(聖夜月ルカ)

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the past story

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(…私のせいだわ…)

 今まで外泊したことなどなかった。
 自分が帰って来ないことを心配して、母は探しに出たに違いない…
起きあがれるような状況ではないのに…!!

 「わかりました。すぐに帰ります!」

そう告げるとベルは身支度を始めた。

 「私も行こう。
なんせお前は私の妻なのだからな…」

ルノーが不適に微笑む。
ここでつまらない言い争いをしても仕方がないと、ベルは返事もせずに黙っていた。

 屋敷から馬車に乗り、ベルの家に着いた。

 「あ!ベルちゃん、お母さんが…
あんた、その格好は…!」

 近所の婦人がベルの母に付き添ってくれていた。
 乱れたベルの姿に驚いたようだったが、ベルの顔色をうかがいそのことについてはそれ以上、何も言わなかった。

 「…熱が高くてね…意識が戻らないんだよ…
お母さんはどうも昨夜から外にいたみたいで、みつかった時には氷のように冷たくなってたんだよ。」

 「おば様、本当にお世話になりました。
あとは私が付き添いますから…」

 「そうかい。
じゃ、なにか困ったことがあったら呼んどくれよ。」

 「はい。どうもありがとうございます。」

イヴォンヌはとても苦しそうな息をしていた。

 「こりゃあ、肺炎だな」

ルノーはふふんと笑いながら、そんなことをつぶやいた。

 「ルノー様、母の看病は私がしますから、あなたはどうぞお屋敷へお戻り下さい。」

 「肺炎ってやつはな、早くに手を打たないと命取りになるんだ。
ただ、熱をひやしてる位じゃ良くなりはしない。
うちの主治医ならきっと助けてくれると思うのだがな。」

 「ルノー様!お願いです。
どうか、お医者様を…!
 母を助けて下さい!」

 「高価な薬も使うし、命を救うには金がかかるのだぞ。
それでなくともお前には以前から薬代を貸してやってるではないか。」

 「私、これからも一生働きます!
そして何年かかってもお支払いいたしますから、どうか…どうか…お願いします。」
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