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それでも君を愛せて良かった
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それからも僕は、父さんに隠れてファビエンヌとの密会を続けた。
毎日彼女の世話をして、ドレスを着替えさせているうちに、僕はどうしても下着の事が気にかかり、ある日僕は勇気を振り絞ってそのことを彼女に訊ねた。
「ファビエンヌ、下着も洗おうか?
それと…身体を綺麗にしてあげたいんだけど……良いかな?」
あ、ぼ、僕、別におかしな意味で言ってるわけじゃないよ。」
彼女は少し戸惑っているようだったけど、僕の申し出を受けてくれた。
僕は彼女に信頼してもらえたような気がして、そのことがとても嬉しかった。
「見ないから…
本当に見ないようにするから、心配しないで…」
僕はファビエンヌのドレスをそっと脱がし、下着に手をかけた。
跳ねあがる心臓の鼓動をファビエンヌに気取られないように気をつけながら…
だけど、ファビエンヌの華奢な背中を見た時には、たまらずその手が停まってしまった。
抱き締めたくなる衝動をおさえるのに懸命になりながら、僕は視線を逸らしファビエンヌのつややかな背中を丁寧に拭いた。
(ファビエンヌ…
あぁ、ファビエンヌ…なんて…なんて綺麗な背中なんだろう…)
僕は夢心地になりながら、ファビエンヌの背中を腕を肩を拭き上げ、そして目をつぶって彼女の胸や腹を拭き上げた。
手から伝わる感触から、彼女の身体の隆起を感じ、僕は頭の芯がしびれるような甘い感覚に酔いしれていた。
(これが女性の身体なんだ…)
「……綺麗になったよ、ファビエンヌ……」
僕は洗濯したての母さんのドレスをファビエンヌの素肌に着せた。
僕がしたことに彼女はどう感じているだろうか?
怒っていないだろうか?
僕はそんな不安を胸に恐る恐る彼女の顔をのぞいた。
彼女は少し恥ずかしそうだけど、とても嬉しそうな顔をしていて、僕はそのことでほっと安堵した。
だけど、その途端、別の衝動が僕を襲った。
彼女が怒っていないことを知ると、僕の理性はどこかへ吹き飛び、僕は彼女の唇に自分の唇をそっと重ねていた。
固くてひんやりと冷たい唇が、火照った僕にはとても心地良く…
僕の初めての接吻は、友達から聞いていたものとも想像していたものとも違っていたけど、僕はとても幸せだった。
ファビエンヌの身体を抱き寄せ、僕は彼女の名前を心の中で何度も呼びながら、彼女と長い間唇を重ね続けた。
そうするうちに、彼女の唇は温かく柔らかな感触に変わって行く。
(そうだ…毎日、僕がこうしてキスをしていたら、ファビエンヌは温かくなれる。)
僕はまるで御伽噺の王子様にでもなったような気分だった。
いつか、彼女にかかった呪いが解けて、人間に戻るような…
そんな妄想を思い描いては心躍らせた。
それからも僕は、父さんに隠れてファビエンヌとの密会を続けた。
毎日彼女の世話をして、ドレスを着替えさせているうちに、僕はどうしても下着の事が気にかかり、ある日僕は勇気を振り絞ってそのことを彼女に訊ねた。
「ファビエンヌ、下着も洗おうか?
それと…身体を綺麗にしてあげたいんだけど……良いかな?」
あ、ぼ、僕、別におかしな意味で言ってるわけじゃないよ。」
彼女は少し戸惑っているようだったけど、僕の申し出を受けてくれた。
僕は彼女に信頼してもらえたような気がして、そのことがとても嬉しかった。
「見ないから…
本当に見ないようにするから、心配しないで…」
僕はファビエンヌのドレスをそっと脱がし、下着に手をかけた。
跳ねあがる心臓の鼓動をファビエンヌに気取られないように気をつけながら…
だけど、ファビエンヌの華奢な背中を見た時には、たまらずその手が停まってしまった。
抱き締めたくなる衝動をおさえるのに懸命になりながら、僕は視線を逸らしファビエンヌのつややかな背中を丁寧に拭いた。
(ファビエンヌ…
あぁ、ファビエンヌ…なんて…なんて綺麗な背中なんだろう…)
僕は夢心地になりながら、ファビエンヌの背中を腕を肩を拭き上げ、そして目をつぶって彼女の胸や腹を拭き上げた。
手から伝わる感触から、彼女の身体の隆起を感じ、僕は頭の芯がしびれるような甘い感覚に酔いしれていた。
(これが女性の身体なんだ…)
「……綺麗になったよ、ファビエンヌ……」
僕は洗濯したての母さんのドレスをファビエンヌの素肌に着せた。
僕がしたことに彼女はどう感じているだろうか?
怒っていないだろうか?
僕はそんな不安を胸に恐る恐る彼女の顔をのぞいた。
彼女は少し恥ずかしそうだけど、とても嬉しそうな顔をしていて、僕はそのことでほっと安堵した。
だけど、その途端、別の衝動が僕を襲った。
彼女が怒っていないことを知ると、僕の理性はどこかへ吹き飛び、僕は彼女の唇に自分の唇をそっと重ねていた。
固くてひんやりと冷たい唇が、火照った僕にはとても心地良く…
僕の初めての接吻は、友達から聞いていたものとも想像していたものとも違っていたけど、僕はとても幸せだった。
ファビエンヌの身体を抱き寄せ、僕は彼女の名前を心の中で何度も呼びながら、彼女と長い間唇を重ね続けた。
そうするうちに、彼女の唇は温かく柔らかな感触に変わって行く。
(そうだ…毎日、僕がこうしてキスをしていたら、ファビエンヌは温かくなれる。)
僕はまるで御伽噺の王子様にでもなったような気分だった。
いつか、彼女にかかった呪いが解けて、人間に戻るような…
そんな妄想を思い描いては心躍らせた。
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