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第11章…お見合い

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「……とまぁ、そういうわけなのでございます。
カッパの村の周辺はくまなく探したのですが手がかり一つみつからず、もしや、ここへ帰って来てるのではないかと思って戻ってきたのですが……
カパエルは今、どこにいるのでしょうなぁ……」

「そうか。
カッパの女にまでふられるとはまったくドジな野郎だな。
でも、そんなに探してもみつからない所をみると、もしかしたらどこかで干からびて死んでるのかもしれないな!」

「ミ、ミカエル様、なんということを…!
もしそんなことになってしまったらミカエル様は一生元の身体にはお戻りにはなれないんですぞ!」

「整形とエステのおかげで今はモテモテだしな。
元の身体なんて別にもう良いさ。
お前達ももうあいつのことは忘れろ!」

「そ、そんな、ミカエル様!」







「ルーファス様、これからいかがなさいますか?」

「ミカエル様はああ言われたが、このままにしておくことも出来まい。
これからはミカエル様には内緒で探すことにしよう。」







整形のおかげで「おっさん王子」からみんなの憧れの王子様となったミカエルは、有頂天でやりたい放題イケイケドンドンの日々を過ごしていた。
国王の忠告も聞かず、毎晩のようにお城を抜け出しては欲望の赴くままに遊び呆けていた。



「ミカエル…おまえもそろそろ妃を娶ってはどうなんだ?」

そんなミカエルの生活を心配した国王は、ついにミカエルに見合い話を持ちかけた。



「妃ねぇ…今はもう少し遊びたい気分だな。
っていうか、俺が結婚なんてしたらこの国の娘達が悲しむだろうからなぁ……」

「そんなこといわずに見るだけでも見てごらんなさい。
ここにお姫様リストを置いていくから……
わかりましたね、ミカエル!」

「はいはい。」



王妃がミカエルに無理矢理押し付けていったお姫様リストをパラパラとめくる。



(どれも、いまいちぱっとしねぇなぁ…)



煌びやかなドレスに身を包んだ姫達はどの娘もそれなりには美しいのだが、このくらいのレベルならこの国にもいくらでもいる。
そんなことを考えながらリストをめくるミカエルの手が突然止まった!



(こ、これは…!!)



透き通るような白い肌に流れるような金の髪……
唇はさくらんぼのように赤くふっくらとして魅力的で、くびれたウェストの上には清楚な顔には不似合いなふくよかな胸……



つつーーーーーー…… 
 
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