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初めてのお客様
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(素敵~!)
私の大好きなタイをイメージして作ったこのカフェは、内装もメニューもトロピカルな雰囲気で統一した。
このカフェをオープンするため、私は料理の勉強と極貧生活を続けながら、必死にお金を貯めた。
意外にも広い店が借りれたのは、ここが所謂事故物件だったせいだ。
大都会の真ん中で、駅近、そしてこの広さなら、どんなに安くても今の倍以上の価格だったと思う。
私は元々非科学的なことはあまり信じない方だし、夢を叶えるためなら、事故物件なんて気にもならなかった。
店の準備は万端だ。
オープン三日間のクーポンも配り終えたし、仕込みも終わった。
後は、明日のオープンを待つばかりだ。
「あの~…」
不意に聞こえたか細い声に振り向くと、一人の男性が席について、手をあげていた。
おかしいな。
ドアには鍵をかけたつもりだったけど。
「あの…店は明日…」
「ココナッツシュリンプカレーと食後にプアローイを。」
男性は、クーポンを差し出した。
よく見ると、日付は今日からになっていた。
間違えてしまったんだ。
断ったら、悪い評判が流れるかもしれない。
仕方なく、私はオーダーに応えることにした。
「かしこまりました。少々お待ち下さい。」
お冷とおしぼりを出して、私は厨房に駆け込んだ。
仕込みや買い出しを済ませておいて良かった。
ココナッツシュリンプカレーもプアローイも用意出来る。
準備する時間も、予定通り。
私は、料理をトレイに乗せて運んだ。
「お待たせしました。
ココナッツシュリンプカレーです。」
男性は黙ってカレーを食べ始めた。
「お客様、お味はいかがですか?」
「とてもうまいよ。ココナッツのおかげでまろやかだけど、スパイスの辛みや香りはよく立ってる。
エビも良いダシが出てるね。」
「ありがとうございます。」
今まで頑張ってきた事が認められたようで、とても良い気分だった。
男性は、カレーをペロリとたいらげた。
「では、すぐにプアローイをお持ちしますね。」
「君ならきっと大丈夫だろう…」
振り返ると、そこには誰もいなかった。
「え?お、お客様!?」
テーブルの上には、空っぽのカレー皿とクーポン券だけが残されていた。
私の大好きなタイをイメージして作ったこのカフェは、内装もメニューもトロピカルな雰囲気で統一した。
このカフェをオープンするため、私は料理の勉強と極貧生活を続けながら、必死にお金を貯めた。
意外にも広い店が借りれたのは、ここが所謂事故物件だったせいだ。
大都会の真ん中で、駅近、そしてこの広さなら、どんなに安くても今の倍以上の価格だったと思う。
私は元々非科学的なことはあまり信じない方だし、夢を叶えるためなら、事故物件なんて気にもならなかった。
店の準備は万端だ。
オープン三日間のクーポンも配り終えたし、仕込みも終わった。
後は、明日のオープンを待つばかりだ。
「あの~…」
不意に聞こえたか細い声に振り向くと、一人の男性が席について、手をあげていた。
おかしいな。
ドアには鍵をかけたつもりだったけど。
「あの…店は明日…」
「ココナッツシュリンプカレーと食後にプアローイを。」
男性は、クーポンを差し出した。
よく見ると、日付は今日からになっていた。
間違えてしまったんだ。
断ったら、悪い評判が流れるかもしれない。
仕方なく、私はオーダーに応えることにした。
「かしこまりました。少々お待ち下さい。」
お冷とおしぼりを出して、私は厨房に駆け込んだ。
仕込みや買い出しを済ませておいて良かった。
ココナッツシュリンプカレーもプアローイも用意出来る。
準備する時間も、予定通り。
私は、料理をトレイに乗せて運んだ。
「お待たせしました。
ココナッツシュリンプカレーです。」
男性は黙ってカレーを食べ始めた。
「お客様、お味はいかがですか?」
「とてもうまいよ。ココナッツのおかげでまろやかだけど、スパイスの辛みや香りはよく立ってる。
エビも良いダシが出てるね。」
「ありがとうございます。」
今まで頑張ってきた事が認められたようで、とても良い気分だった。
男性は、カレーをペロリとたいらげた。
「では、すぐにプアローイをお持ちしますね。」
「君ならきっと大丈夫だろう…」
振り返ると、そこには誰もいなかった。
「え?お、お客様!?」
テーブルの上には、空っぽのカレー皿とクーポン券だけが残されていた。
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