25 / 497
幸せの時間
1
しおりを挟む
「やめといた方が良いんじゃない?」
「雨くらい、なんてことないさ。
却って気持ち良いくらいさ。」
俺達は、移動遊園地に来ていた。
本当は夜に、夏祭りに行くはずだったんだけど、夏祭りの行われる神社の近くに、移動遊園地が来ると知り、俺が誘って早くからやって来たのだ。
ところが、運の悪いことに雨が降り始めたんだ。
そもそも疎らな客しかいない移動遊園地だ。
ジェットコースター乗り場にも、誰も並んじゃいない。
確かに、一人だけのために動かしてもらうのは、ちょっと申し訳ないけれど、ジェットコースターに貸し切り状態で乗れる機会も滅多にない。
乗りたい!
どうしても乗りたい!
俺は、その欲望に従うことにした。
「じゃあ、行ってくるな!」
美佐子は眉を下げて、小さく手を振った。
俺専用のジェットコースターは坂を上って行く。
何時間も行列して乗れるジェットコースターとは全然違う。
小さな木製の車体がガタガタと音を鳴らす。
「わ~~っ!」
自らテンションを上げるため、両手をあげ、声を発する。
たまにはこんなほのぼのしたジェットコースターも良いものだ。
(あれ…?)
俺は、黄色の密集を発見した。
*
「わぁ、綺麗!
達ちゃん、よくこんなところ知ってたね。」
「まぁな。」
実は知ってたわけではなく、さっき、ジェットコースターに乗った時に見かけただけなんだが、そのことはあえて話さなかった。
目の前にはひまわり畑が広がっていた。
丸くて大きな黄色い花は、まとまって咲いていると圧巻だ。
移動遊園地にはあまり良い顔をしなかった美佐子も、ひまわり畑はお気に召したようだ。
「あ~っ!
見て、達ちゃん!」
ひまわり畑の向こう側、雨上がりの空に、綺麗な虹がかかっていた。
俺達は、並んで虹を見上げた。
「なんか良いことありそうだね。」
「そうだな。」
二人でこんな風に虹を見られることだけでも、俺は十分幸せだ。
口に出しては言わないけどな。
「夏祭りでくじ引こうよ。」
「おぅ!」
美佐子は現実的だ。
「雨くらい、なんてことないさ。
却って気持ち良いくらいさ。」
俺達は、移動遊園地に来ていた。
本当は夜に、夏祭りに行くはずだったんだけど、夏祭りの行われる神社の近くに、移動遊園地が来ると知り、俺が誘って早くからやって来たのだ。
ところが、運の悪いことに雨が降り始めたんだ。
そもそも疎らな客しかいない移動遊園地だ。
ジェットコースター乗り場にも、誰も並んじゃいない。
確かに、一人だけのために動かしてもらうのは、ちょっと申し訳ないけれど、ジェットコースターに貸し切り状態で乗れる機会も滅多にない。
乗りたい!
どうしても乗りたい!
俺は、その欲望に従うことにした。
「じゃあ、行ってくるな!」
美佐子は眉を下げて、小さく手を振った。
俺専用のジェットコースターは坂を上って行く。
何時間も行列して乗れるジェットコースターとは全然違う。
小さな木製の車体がガタガタと音を鳴らす。
「わ~~っ!」
自らテンションを上げるため、両手をあげ、声を発する。
たまにはこんなほのぼのしたジェットコースターも良いものだ。
(あれ…?)
俺は、黄色の密集を発見した。
*
「わぁ、綺麗!
達ちゃん、よくこんなところ知ってたね。」
「まぁな。」
実は知ってたわけではなく、さっき、ジェットコースターに乗った時に見かけただけなんだが、そのことはあえて話さなかった。
目の前にはひまわり畑が広がっていた。
丸くて大きな黄色い花は、まとまって咲いていると圧巻だ。
移動遊園地にはあまり良い顔をしなかった美佐子も、ひまわり畑はお気に召したようだ。
「あ~っ!
見て、達ちゃん!」
ひまわり畑の向こう側、雨上がりの空に、綺麗な虹がかかっていた。
俺達は、並んで虹を見上げた。
「なんか良いことありそうだね。」
「そうだな。」
二人でこんな風に虹を見られることだけでも、俺は十分幸せだ。
口に出しては言わないけどな。
「夏祭りでくじ引こうよ。」
「おぅ!」
美佐子は現実的だ。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる