ボクは転生者!塩だけの世界で料理&領地開拓!

あんり

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第1章 カイト、五歳までの軌跡

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(カイトとハーレン)

お馬がパッカパッカ走るー、うっうっうー。だめだー、揺られてるー!

ボクはホクホクー!バナナ、ゲットしたもんねっ!

なんて考えてしまうのは、ハーレン団長に抱えられながら軍馬に乗って移動しているから、どこに行くのかな?
そんなに遠くまで行かないとパパたちと合流出来ない?

おかしいな。


ふー、ゴリラン達と無事に離れられたのは奇跡だ。奴らが踊ったあと襲われるのが常識だったが、今回襲われることはなかった。こいつがゴリラン達に近づいていくことも焦ったが、まあ、あの踊りに加わるとはな。しかも、私まで一緒に踊るとは。

誰かに見られていたなら、いや、恥ずかし過ぎるっ。

しかし、ゴリランが踊るのは人間と友達になりたかった、それは、つまり、チョーロとかいうアコウの木に絡まった老いたオスゴリランを助けるためだったとは。

ん?

つい考えに没頭していたが?
なんだ?こいつ、何か言いたそうだな。
少し速度を落とすか、しかしなんだ?トイレか?

私は手網を引き、軍馬にゆっくり走るように合図を出す。

ブルッル

嘶きながら疾走から徐々に速度を落としていく。

すぐに合図に反応するこの軍馬は優秀だよ。

私は馬に跨ったまま、馬の首の根元部分、つまり肩の当たりを軽くトントンと叩く。

馬はブルッルとしながら速度を落とし、そして止まった。

少し休むか。

森の中で少し開けた部分があり、その先には大きな岩山がある。岩山には窪みがあって、その窪みは人が2、3人が座れるくらいの大きさだ。

あそこで休もう。

「カイト様、少しお疲れでしょう。あちらの岩の窪みで休みましょう」

周りに生物の気配は無い。
耳を澄ますが、風に揺れる木々の擦れる音。遠くで時折、小さい羽音がする、大したことの無い、害のない鳥だ。

そして、わずか、微かに匂う。
森に漂うこの香り。この匂いがあるって事は、ケンブルクとの国境が近いって事だ。


あっ、馬が止まるね。
なんだろ?この匂い。嗅いだことある。
なんだろなー。

ボクはこの匂いが気になる。
微かに匂う、スパイスの香り。

「カイト様、こちらで休憩をお取りしましょう」

「うん」

私が先に降り、カイト様を抱き上げ地面に下ろす。下ろすと同時に。

ん?こいつ、どこに行くんだ?

なにかに誘われるように歩き出した。
なんだ?何かを探しているのか?
なんか匂いを嗅いでるのか?

おっと、走り出しちまった。
追いかけるしかないな。
手間がかかるぜ。


ハーレン団長が馬から下ろしてくれた。
馬から降りて、さっきから気になる匂いに誘われてボクは思わず走り出した。

もしかしてだけど、この匂い。
たぶん間違いない。

木々の間にある雑草を掻き分けた先。
艶のある葉っぱ。独特のあの香り。

もしかしたらボクは‎いいもの見つけたかもー。テンション上がる。

これだよ、これ!この匂い。
甘くて温かみのあるスパイシーの匂い!
うん、間違いない。


おいおい、いったいどうしたんだ?
あの匂いに誘われたのか?
どうした?いきなり木の匂いを嗅ぎ出したぞ。何してるんだ?

木の匂いを嗅ぎ、後ろを振り返り私と目を合わすとニコッて笑う。なんだ?

「ねぇ、ハーレン団長。この木なんて言う木か知ってる?」

ん?この木がどうしたんだ?

「いえ、分かりません。カイト様はこの木の名前をご存知なんですか?」

あ、しまった。知ってるけど、知らないフリしなきゃ。これ多分、貴重?

ちょっとだけ、鑑定しちゃえ。

鑑定眼君、ね、この木はなんて木?



やっぱり、やったー。シナモンじゃん。

「これすごくいい匂いがするの。ボク、気に入ったから持って帰りたいの。ハーレン団長、手伝って」
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