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第2章 いよいよ開幕!――物語は“影”の深層へ!
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(ダウニーside)
カイトを取り戻してから、二時間後。
疲れた体や気持ちを清めるため、私は風呂に入っていた。
私は今、一時の休息に、ある種の気だるさを感じていた。
ピチャーン―――。
私は大きな浴槽に疲れた体を沈めた。
湯気が天井で水滴となって、また浴槽に返る。
ムンとした湿気と気分がリンクする。
とりあえずは、カイトを無事にこの手に取り戻すことができた。
―――安堵…。
ふぅーーーーーっ。
大きなため息を吐き、更に深く湯に潜る。
しばらく“無”になりたい。
だが、それは“今”ではないのだ。
兄上は大丈夫だろうか?
あの小さなジョージはどうなる?
王家への信頼は?
カイトを攫った奴の正体、そして目的…は?
根本的な―――原因が“謎”だ。
これは、別々の事件なのか?
それとも、糸くずのように複雑に絡まった事件なのか?
もし、これがひとつの糸ならば、絡まった糸を解くのは、困難だ。
しかし、原因を突き止め、悪を退治しなければ、安心できない。
王家を巻き込んだ今回の事のあらましは、
義理姉だけの独断でないだろう。
あとは、ルドン公爵や、アーシャはどう絡んでる?
そして、ハーレンの罪は?………王太子妃との不貞だけなのか?
ただ、カイトによると“ハーレンはカイトをずっと守っていた”と言うが、そこには疑問が残る。
―――なぜ、王都やマーシュ領ではなく、ケンブルクに向かったのか?
ケンブルクとの国境で、あいつらが居たのは単なる偶然か?または、仕組まれた必然なのか?
王家だけの問題なら、王家に任せればいい。
しかし、私も、カイトも巻き込まれた今回の一件は、マーシュ領にも深く関係する。
だから、王家だけに任せる訳にはいかない。こちらも解決しなければ。
カイトを助けたあと、ひとまず王宮に戻った。マーシュ領に戻るよりも王都の方が近いからだ。
カイトが無事に戻って来たことに父上も、母上も、宰相夫妻も心から喜んでくれた。
母上達は泣き崩れたものだ。
ただ、安らかに眠りについているカイトを起こさないように、ただ静かに涙が零れていた。
それを見た時、カイトが愛されていることを改めて認識した。
そこで、私は何故頑なに貴族の習わしにこだわっていたのか?
それが、父上や母上、アマナの両親である宰相夫妻にも、カイトやアリアーナを会わせることはしてこなかった。
けど、そんな習わしなんて足枷でしかない。
王家も、人間だ。家族なんだ。
愛情はちゃんと伝えた方がいい。
そう思うと、不器用な兄上。
ちゃんと義理姉に“愛情を伝える”、それができていなかったのだろう。
そこを突かれ、利用されたのかもしれない。ある意味、義理姉も被害者なのかもな。
だが、これだけの大事件を起こしたのだ、罪は重い。
そんな義理姉ももう居ない。
兄上の手により処刑が終わったと聞いた。
義理姉の実家には、明日には“義理姉の起こした事件の全貌”が知らされるだろう。
ふぅーーーーーっ。
またひとつ、大きな溜息が出る。
けど、立ち上がれ、ダウニー。
事件はまだ終わってないんだ。
これからやらねがならないことの多さを考える―――。
大変だが、やるしかない。
事件を明るみにするんだ。
私には守るべき物が、多いのだから。
手から零れ落ちるお湯は、私の不安ではない。事件解決へと向かうための、私達の付箋なのだ。
湯から上がり、メイドに体を拭いてもらい、真新しいガウンを着せてもらう。
腰帯を結びながら私はカイトが眠る、私の部屋へと向かう。
薄暗い部屋はすぐに夜に慣れた。
広いベッドの真ん中には、私の愛する息子、カイトの寝息が続く。
私はそっとベッドに潜り込み、そして、小さな温もりを背中からゆっくり抱きしめた。
カイトはビクッて体を揺らし、いきなり声を上げて泣く。
「うわーーーーんっ」
昼間の恐怖?または安堵なのか?
今日は夜泣きをするかもとグローから言われていた。
これがそうなのだろう。
「大丈夫だ、カイト。…安心して寝なさい。パパがついている」
目をつぶりヒックヒックとすすり出したカイトの耳元で囁き、手を握り、髪の毛をさする。
泣き出していたカイトは、やがて落ち着きを取り戻して、小さな寝息となった。
明日は、父上の転移で
我が領地、マーシュ領へ帰るぞ。
アマナとアリアーナ、セバスにマール。
ゴードンやカマチョの待つ、
“我が家”に帰るぞ。
カイト、一緒に帰るぞ。
カイト、もう怖がらなくていい、
私が守るよ、
だから、安心して―――おやすみ。
カイトを取り戻してから、二時間後。
疲れた体や気持ちを清めるため、私は風呂に入っていた。
私は今、一時の休息に、ある種の気だるさを感じていた。
ピチャーン―――。
私は大きな浴槽に疲れた体を沈めた。
湯気が天井で水滴となって、また浴槽に返る。
ムンとした湿気と気分がリンクする。
とりあえずは、カイトを無事にこの手に取り戻すことができた。
―――安堵…。
ふぅーーーーーっ。
大きなため息を吐き、更に深く湯に潜る。
しばらく“無”になりたい。
だが、それは“今”ではないのだ。
兄上は大丈夫だろうか?
あの小さなジョージはどうなる?
王家への信頼は?
カイトを攫った奴の正体、そして目的…は?
根本的な―――原因が“謎”だ。
これは、別々の事件なのか?
それとも、糸くずのように複雑に絡まった事件なのか?
もし、これがひとつの糸ならば、絡まった糸を解くのは、困難だ。
しかし、原因を突き止め、悪を退治しなければ、安心できない。
王家を巻き込んだ今回の事のあらましは、
義理姉だけの独断でないだろう。
あとは、ルドン公爵や、アーシャはどう絡んでる?
そして、ハーレンの罪は?………王太子妃との不貞だけなのか?
ただ、カイトによると“ハーレンはカイトをずっと守っていた”と言うが、そこには疑問が残る。
―――なぜ、王都やマーシュ領ではなく、ケンブルクに向かったのか?
ケンブルクとの国境で、あいつらが居たのは単なる偶然か?または、仕組まれた必然なのか?
王家だけの問題なら、王家に任せればいい。
しかし、私も、カイトも巻き込まれた今回の一件は、マーシュ領にも深く関係する。
だから、王家だけに任せる訳にはいかない。こちらも解決しなければ。
カイトを助けたあと、ひとまず王宮に戻った。マーシュ領に戻るよりも王都の方が近いからだ。
カイトが無事に戻って来たことに父上も、母上も、宰相夫妻も心から喜んでくれた。
母上達は泣き崩れたものだ。
ただ、安らかに眠りについているカイトを起こさないように、ただ静かに涙が零れていた。
それを見た時、カイトが愛されていることを改めて認識した。
そこで、私は何故頑なに貴族の習わしにこだわっていたのか?
それが、父上や母上、アマナの両親である宰相夫妻にも、カイトやアリアーナを会わせることはしてこなかった。
けど、そんな習わしなんて足枷でしかない。
王家も、人間だ。家族なんだ。
愛情はちゃんと伝えた方がいい。
そう思うと、不器用な兄上。
ちゃんと義理姉に“愛情を伝える”、それができていなかったのだろう。
そこを突かれ、利用されたのかもしれない。ある意味、義理姉も被害者なのかもな。
だが、これだけの大事件を起こしたのだ、罪は重い。
そんな義理姉ももう居ない。
兄上の手により処刑が終わったと聞いた。
義理姉の実家には、明日には“義理姉の起こした事件の全貌”が知らされるだろう。
ふぅーーーーーっ。
またひとつ、大きな溜息が出る。
けど、立ち上がれ、ダウニー。
事件はまだ終わってないんだ。
これからやらねがならないことの多さを考える―――。
大変だが、やるしかない。
事件を明るみにするんだ。
私には守るべき物が、多いのだから。
手から零れ落ちるお湯は、私の不安ではない。事件解決へと向かうための、私達の付箋なのだ。
湯から上がり、メイドに体を拭いてもらい、真新しいガウンを着せてもらう。
腰帯を結びながら私はカイトが眠る、私の部屋へと向かう。
薄暗い部屋はすぐに夜に慣れた。
広いベッドの真ん中には、私の愛する息子、カイトの寝息が続く。
私はそっとベッドに潜り込み、そして、小さな温もりを背中からゆっくり抱きしめた。
カイトはビクッて体を揺らし、いきなり声を上げて泣く。
「うわーーーーんっ」
昼間の恐怖?または安堵なのか?
今日は夜泣きをするかもとグローから言われていた。
これがそうなのだろう。
「大丈夫だ、カイト。…安心して寝なさい。パパがついている」
目をつぶりヒックヒックとすすり出したカイトの耳元で囁き、手を握り、髪の毛をさする。
泣き出していたカイトは、やがて落ち着きを取り戻して、小さな寝息となった。
明日は、父上の転移で
我が領地、マーシュ領へ帰るぞ。
アマナとアリアーナ、セバスにマール。
ゴードンやカマチョの待つ、
“我が家”に帰るぞ。
カイト、一緒に帰るぞ。
カイト、もう怖がらなくていい、
私が守るよ、
だから、安心して―――おやすみ。
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