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第2章 物語は“影”の深層へ!
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皆様、こんにちは。
忙しい日々で更新遅くなりました。
お待たせしました😆
続きを是非お楽しみください。
あんり
━━━━━━━━━━━━━━━
(シャドー side)
さあ、今夜実行だ。
「サラ、今日の夜、オークの頭を捕まえに行くぞ」
もちろん、ルドン拘束の意味だ。
「分かったわ。そのために用意した私のナイトウェア楽しみにしてて」
「ああ、楽しみにしてるさ」
「あとね、気になる事があるの。」
「なんだ?」
「これ読んでみて」
「これはどこにあった?」
「月に1度、オークのベッドマットを日に干すの。メイドがそんな事をしているなんて、オークは知らなかったんでしょうね。今日がそのベッドマットを干す日。今まで重いベッドマットは男性が干していたのよ。それがね、今日その男性は家庭の事情で急遽仕事休んだのよ。
そうしたら、私の事気に食わないミルってメイドが偉そうに「サラ、あなた、力持ちだから、ひとりでベッドマット運べるでしょ、先輩の私からの命令よ」って生意気な事言ってきたわ。
でも、それが正解ね。ひとりでベッドマットをベランダに持っていって、干している間に、ベッドを確認したの。
壊れてないかって。ほら、オークはゴブリンに隠れて、繁殖活動していたらしいから。その軋みでベッドか壊れかけてるかもしれないじゃない?
その時よ。
封筒がベッドの隙間に挟まっていたの。その封筒には小さなメモがあってね。それを書き写してきたわ、忠実にね。ただの走り書きだと思っていたら違うのよ。6枚あるの。内容を見ると4枚は女性口調。あとの2枚は男性口調なの。書いたのは2人。1人はルドン公爵で間違いないわ。筆跡を確認したから。」
そうか、こいつの筆跡鑑定は正しい。
なぜならそんな事は、シャドーなら出来て当たり前だからだ。
「それで?女性ってのは誰が目星が付いているのか?」
「うーん、多分、あのお方。内容を読むと、あのお方って考えると、点が線になる気がするのよね。でも、決定的な証拠じゃないの。」
私は6枚の紙を見比べて、違和感を感じた。だから、何度も何度も読み返す。
しかし、その違和感が拭えない。
女性の筆跡“誰が”書いた手紙なのか?
この跳ね字、ここの線の流し書き。
知っている。どこかで見たことがある。
どこでだ?―――思い出せない。
これら6枚。
「知ってる?マーシュ領の
ルーク団長が生き返ったらしいわ
びっくりしたのよ。失敗したのね。
あなた達、私を失望させないで。
最後にこれは燃やして処分よ。」
「知らないと思っていたのかしら?
ルドン公爵はこの国の人じゃないのね
びっくりしたわ。ハーレンとあなたの目。
あなた達、あの王の血筋でしょう?
最後にこれは燃やして処分よ。」
「しょうがない人。本当に失望だわ。
ルドン公爵、あの子は必ず捕まえて。
媚薬を飲ませてもいいわ。殺さずによ。
あの変態が欲しがってるの、趣味悪だわ
最後にこれは燃やして処分よ。」
「知らないなら教えてあげる。
ルドン公爵の血筋が王家に入るわ。
媚薬をあの人に与えているの。だから、
あの人はもう少しで死ぬわよ。
最後にこれは燃やして処分よ。」
「しかし、妙だ。何故あの女が、私の、
ルドン公爵家の秘密を知っている?女には
媚薬は効かなかったのか?ハーレンは
あの女に絆されたのか?許さん。」
「しかし、私の血筋が王家にはいるとは。
ルドン公爵家がいずれこの国の王になる。
びっくりするだろうな。父は喜ぶだろう。
ああ、これで私はやっと父に認められる」
何回も何回も読み返す。
「なあ、これはそのまんま“書き写してきた”で間違いないんだよな?」
「そうよ、どうして?」
ん?ああ……なんだ。モヤモヤする。
さっきから、“何かが引っかかる”んだ。
「1枚目だが、ルークの事が書かれている。内容からして、これを書いたヤツが、ルーク暗殺未遂の指示をした可能性が高いな。ルークが生き返ったことに“失望させないで”とあるからな。」
「ええ、これを書いたのが、ルーク暗殺未遂の犯人よ。そして次よ。3枚目。“あの子”って、つまりカイト様?あの変態って誰かしら?ここはオークに確認だわ」
「ああ、オークに問いただそう。それと、こっちも調べる必要があるぞ。」
「あ、うん、そうね」
「ああ、これが気になる。2枚目だ。“あなた、あの王の血筋”ってある。これはどう捉える?ルドン公爵の父は、前公爵ではなかったのか?
ハーレンとルドン公爵の目になにか秘密があるのか?
王とは誰のことか?…ま、……いや違う…まさかな…ルドン公爵は、イスカダル王の血筋?陛下の目に特徴が?これも確認だ」
私はこの興奮が込み上げてくる感覚。
それと、分かりそうで分からない、この脳内に痺れるような、この違和感の正体。
でも、この違和感となる皮一枚ベールをめくれたなら“証拠”となる宝物が見つかるはず。
「ルドン公爵の血が王家に入るとは?もしさっきのがイスカダル王の血筋なら、この“ルドン公爵の血が王家に入る”って話だとおかしくなる。つまり、さっきの2枚目の“王の血筋”は“別の王の血筋”ってことになるな。」
「そうね、そうだわ。」
「サラ、これを見つけたのは大きな収穫だ。よくやったな。」
「まあね、私も出来るのよ、あなたみたいに出来るのよ」
「よし、これで締め上げる材料は揃ったな。やつは現物は普段通りにいつもの場所にあると思ってるからなんも疑ってなんかない。締め上げていくうちに、やつの顔が歪んでいくのか、青くなるのか、もしくは、…さらに脂ぎっていくのか、楽しみだな。任せたぞ、サラ。
大いに奴を誘惑してやれ、性的興奮から、恐怖に染まる。…楽しみだ。」
「ええ、私の魅力に落ちないのは、今のところ、あなただけね。」
「落ちる訳ない。サラのこれは、作り物だって分かっているからな。まあ、サラって人は実在しないんだ、惚れるわけないだろ」
「それも、そうね」
肩をすくめ、クスって笑うサラ。
私は、このサラの素顔を知らない。
同じシャドーでありながら、わかるのはただ女性であること、そしてナンバーネームが12番であること、それだけだ。
話し方で女性と言ったが、本当に女性であるのか、そこは正直分からない。
なぜなら、シャドーの中で、性別、年齢を自由自在に操れる奴が居るって情報があるから。
サラは、もしかしたら、そいつかもしれない。
さあ、12番、今夜は一緒に焼肉パーティーだ。
オークにゴブリン。
3匹を炙り出して、行こう。
不味いに決まっているが、炙り出された油は、きっと貴重な油だろう。
その油は、その後は、
どの料理の味を出していくのか。
思考の渦が、落ち着いた頃、
は?まさかな?
私はこの6つの紙の違和感。
あー、なるほど。奴らは失敗したな。
特にルドン公爵。
利口だと思ったのか?
まさか、とんだ間抜けだよ。
これで、証拠が揃った。
今夜が楽しみだ。
忙しい日々で更新遅くなりました。
お待たせしました😆
続きを是非お楽しみください。
あんり
━━━━━━━━━━━━━━━
(シャドー side)
さあ、今夜実行だ。
「サラ、今日の夜、オークの頭を捕まえに行くぞ」
もちろん、ルドン拘束の意味だ。
「分かったわ。そのために用意した私のナイトウェア楽しみにしてて」
「ああ、楽しみにしてるさ」
「あとね、気になる事があるの。」
「なんだ?」
「これ読んでみて」
「これはどこにあった?」
「月に1度、オークのベッドマットを日に干すの。メイドがそんな事をしているなんて、オークは知らなかったんでしょうね。今日がそのベッドマットを干す日。今まで重いベッドマットは男性が干していたのよ。それがね、今日その男性は家庭の事情で急遽仕事休んだのよ。
そうしたら、私の事気に食わないミルってメイドが偉そうに「サラ、あなた、力持ちだから、ひとりでベッドマット運べるでしょ、先輩の私からの命令よ」って生意気な事言ってきたわ。
でも、それが正解ね。ひとりでベッドマットをベランダに持っていって、干している間に、ベッドを確認したの。
壊れてないかって。ほら、オークはゴブリンに隠れて、繁殖活動していたらしいから。その軋みでベッドか壊れかけてるかもしれないじゃない?
その時よ。
封筒がベッドの隙間に挟まっていたの。その封筒には小さなメモがあってね。それを書き写してきたわ、忠実にね。ただの走り書きだと思っていたら違うのよ。6枚あるの。内容を見ると4枚は女性口調。あとの2枚は男性口調なの。書いたのは2人。1人はルドン公爵で間違いないわ。筆跡を確認したから。」
そうか、こいつの筆跡鑑定は正しい。
なぜならそんな事は、シャドーなら出来て当たり前だからだ。
「それで?女性ってのは誰が目星が付いているのか?」
「うーん、多分、あのお方。内容を読むと、あのお方って考えると、点が線になる気がするのよね。でも、決定的な証拠じゃないの。」
私は6枚の紙を見比べて、違和感を感じた。だから、何度も何度も読み返す。
しかし、その違和感が拭えない。
女性の筆跡“誰が”書いた手紙なのか?
この跳ね字、ここの線の流し書き。
知っている。どこかで見たことがある。
どこでだ?―――思い出せない。
これら6枚。
「知ってる?マーシュ領の
ルーク団長が生き返ったらしいわ
びっくりしたのよ。失敗したのね。
あなた達、私を失望させないで。
最後にこれは燃やして処分よ。」
「知らないと思っていたのかしら?
ルドン公爵はこの国の人じゃないのね
びっくりしたわ。ハーレンとあなたの目。
あなた達、あの王の血筋でしょう?
最後にこれは燃やして処分よ。」
「しょうがない人。本当に失望だわ。
ルドン公爵、あの子は必ず捕まえて。
媚薬を飲ませてもいいわ。殺さずによ。
あの変態が欲しがってるの、趣味悪だわ
最後にこれは燃やして処分よ。」
「知らないなら教えてあげる。
ルドン公爵の血筋が王家に入るわ。
媚薬をあの人に与えているの。だから、
あの人はもう少しで死ぬわよ。
最後にこれは燃やして処分よ。」
「しかし、妙だ。何故あの女が、私の、
ルドン公爵家の秘密を知っている?女には
媚薬は効かなかったのか?ハーレンは
あの女に絆されたのか?許さん。」
「しかし、私の血筋が王家にはいるとは。
ルドン公爵家がいずれこの国の王になる。
びっくりするだろうな。父は喜ぶだろう。
ああ、これで私はやっと父に認められる」
何回も何回も読み返す。
「なあ、これはそのまんま“書き写してきた”で間違いないんだよな?」
「そうよ、どうして?」
ん?ああ……なんだ。モヤモヤする。
さっきから、“何かが引っかかる”んだ。
「1枚目だが、ルークの事が書かれている。内容からして、これを書いたヤツが、ルーク暗殺未遂の指示をした可能性が高いな。ルークが生き返ったことに“失望させないで”とあるからな。」
「ええ、これを書いたのが、ルーク暗殺未遂の犯人よ。そして次よ。3枚目。“あの子”って、つまりカイト様?あの変態って誰かしら?ここはオークに確認だわ」
「ああ、オークに問いただそう。それと、こっちも調べる必要があるぞ。」
「あ、うん、そうね」
「ああ、これが気になる。2枚目だ。“あなた、あの王の血筋”ってある。これはどう捉える?ルドン公爵の父は、前公爵ではなかったのか?
ハーレンとルドン公爵の目になにか秘密があるのか?
王とは誰のことか?…ま、……いや違う…まさかな…ルドン公爵は、イスカダル王の血筋?陛下の目に特徴が?これも確認だ」
私はこの興奮が込み上げてくる感覚。
それと、分かりそうで分からない、この脳内に痺れるような、この違和感の正体。
でも、この違和感となる皮一枚ベールをめくれたなら“証拠”となる宝物が見つかるはず。
「ルドン公爵の血が王家に入るとは?もしさっきのがイスカダル王の血筋なら、この“ルドン公爵の血が王家に入る”って話だとおかしくなる。つまり、さっきの2枚目の“王の血筋”は“別の王の血筋”ってことになるな。」
「そうね、そうだわ。」
「サラ、これを見つけたのは大きな収穫だ。よくやったな。」
「まあね、私も出来るのよ、あなたみたいに出来るのよ」
「よし、これで締め上げる材料は揃ったな。やつは現物は普段通りにいつもの場所にあると思ってるからなんも疑ってなんかない。締め上げていくうちに、やつの顔が歪んでいくのか、青くなるのか、もしくは、…さらに脂ぎっていくのか、楽しみだな。任せたぞ、サラ。
大いに奴を誘惑してやれ、性的興奮から、恐怖に染まる。…楽しみだ。」
「ええ、私の魅力に落ちないのは、今のところ、あなただけね。」
「落ちる訳ない。サラのこれは、作り物だって分かっているからな。まあ、サラって人は実在しないんだ、惚れるわけないだろ」
「それも、そうね」
肩をすくめ、クスって笑うサラ。
私は、このサラの素顔を知らない。
同じシャドーでありながら、わかるのはただ女性であること、そしてナンバーネームが12番であること、それだけだ。
話し方で女性と言ったが、本当に女性であるのか、そこは正直分からない。
なぜなら、シャドーの中で、性別、年齢を自由自在に操れる奴が居るって情報があるから。
サラは、もしかしたら、そいつかもしれない。
さあ、12番、今夜は一緒に焼肉パーティーだ。
オークにゴブリン。
3匹を炙り出して、行こう。
不味いに決まっているが、炙り出された油は、きっと貴重な油だろう。
その油は、その後は、
どの料理の味を出していくのか。
思考の渦が、落ち着いた頃、
は?まさかな?
私はこの6つの紙の違和感。
あー、なるほど。奴らは失敗したな。
特にルドン公爵。
利口だと思ったのか?
まさか、とんだ間抜けだよ。
これで、証拠が揃った。
今夜が楽しみだ。
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