ボクは転生者!塩だけの世界で料理&領地開拓!

あんり

文字の大きさ
149 / 422
第1章 カイト、五歳までの軌跡

149 マールと文字のお勉強

しおりを挟む
ボクの部屋の勉強机には、動物の皮で出来た用紙に、マールお手製の文字のお勉強、前世でいう「アルファベット表」みたいな表がある。どちらかというとパソコンの文字入力に近い。

「さぁ、カイトお坊ちゃま。今日からは文字や計算を学んでいきましょう」

「うん、楽しみ」

っても、読めるし、書けるけどね。
なんなら計算もできるよ。
日本の義務教育、小学生が必ず通る道だしね。

「さ、これから私が読むので、その後カイト坊っちゃまは、私の真似をしてくださいね」

「えい」
「えい」

一通り読んで問題ないらしい。

「では、次にカイト坊っちゃまが一人で読んでみましょう」

初めから完全に完璧に読むのはまずいのかと思い、時々、引っかかたり、読み間違えてマールに教わったりした。

「カイト坊っちゃま、凄すぎます。私は感動してます。天才ですか?」

それでも、マールの中ではかなり優秀らしい。

「では、文字を組み合わせて、単語を読んでいきましょう」

「うん」

「これは、か、い、と、ですよ。坊っちゃまのお名前です。では、坊っちゃまの名前を指さしながら、言ってみてください」

「カイト·ブラウン·マーシュ」

ボクは完璧に僕の名前の文字を指さしながら、ボクの名前を言っていく。

「はぁぁ、こんなにすぐに覚えてしまわれて凄いです。感動です」

マール、祈ってるね?そこのみんなもさっきから驚いて、手をパチパチして、ニコニコして、ウンウンしてるよね。んで?マールと一緒に祈ってるー。

「では、お父様、お母様、アリアーナお嬢ちゃまのお名前を指さしてみましょう」

これも完璧!エッヘン。

「はー、こんなに手がかからないお勉強があったなんて」

「あはは、多分ボク、文字も書けそうな気がするっ」

「そうですか、そうですか。では、この用紙に文字を書いてみましょうか。なんて書きますか?」

「えっとね、ないしょ。今から書いてみるからマールはあっち向いてて」

「あらあら、分かりましたよ。書き終わったら教えてください」

「うん」

ボクに背を向けたマール。ボクは文字を書く。あっという間に書き上げられるけど、初めての文字を書く前提だから少し時間をかけて、間違いもしつつ、それを直した風にも装いながら文字を書いていく。

「できたよ、マール、読んで」

「はい、楽しみですね。では読みますね」

「マール、大丈夫?なんで泣いてんの?」

「坊っちゃま、よく書けました。ありがとうございます。ありがとうございます。嬉しいです。」

ボクを抱きしめてくる。いつものマールの暖かい抱擁にやっぱり安心する。

「まーる、いつもあり、がてう。ここはではなくてですよ。そして、いつものとありがとうのの部分を1文字あけましょうね。ありがとうの間のもいりませんよ」

ボクを離して、泣きながらマールはボクの書いた文章に手直しを入れる。

「だい、ちき?これはなんでしょうか?」

「あ、間違えた?「大好き」って書いたつもりなんだけど」

いつも言葉では言えずにいた大好きの気持ち、口に出すのは照れるねっ。

「ここももいらないですよ。ではなくてですね。では、初めから書き直しましょうか」

「うん」

「まーる、いつもありがとう。だいすき」

「ありがとうございます、ありがとうございます」

泣きながらボクをまた抱き締める。
けど、マール涙でボクの肩はびちょびちょだよ。

「マール、大丈夫?泣かないで?」

そんなに感動するんだ。喜んでもらえてよかった。けど、涙で濡れたのどうにかしたい。

あ、マール鼻かんだね。みんなも、ハンカチで涙拭うとこ?そんなに感動したの?

「すみません、カイト坊っちゃま。今日のお勉強はこれで終わりです。暫くは文字の読み書き、すぐに忘れないように何回も練習あるのみですよ。明日から毎日頑張りましょう。カイト坊っちゃまならすぐに読み書きできますから大丈夫です。」

マールは嬉しそうにボクの書いたあのマールへの感謝の紙をそっとポケットにしまった。
しおりを挟む
感想 34

あなたにおすすめの小説

ボンクラ王子の側近を任されました

里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」  王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。  人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。  そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。  義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。  王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?

【完結】令嬢憧れの騎士様に結婚を申し込まれました。でも利害一致の契約です。

稲垣桜
恋愛
「君と取引がしたい」 兄の上司である公爵家の嫡男が、私の前に座って開口一番そう告げた。 「取引……ですか?」 「ああ、私と結婚してほしい」 私の耳がおかしくなったのか、それとも幻聴だろうか…… ああ、そうだ。揶揄われているんだ。きっとそうだわ。  * * * * * * * * * * * *  青薔薇の騎士として有名なマクシミリアンから契約結婚を申し込まれた伯爵家令嬢のリディア。 最低限の役目をこなすことで自由な時間を得たリディアは、契約通り自由な生活を謳歌する。 リディアはマクシミリアンが契約結婚を申し出た理由を知っても気にしないと言い、逆にそれがマクシミリアンにとって棘のように胸に刺さり続け、ある夜会に参加してから二人の関係は変わっていく。 ※ゆる〜い設定です。 ※完結保証。 ※エブリスタでは現代テーマの作品を公開してます。興味がある方は覗いてみてください。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

虐げられていた次期公爵の四歳児の契約母になります!~幼子を幸せにしたいのに、未来の旦那様である王太子が私を溺愛してきます~

八重
恋愛
伯爵令嬢フローラは、公爵令息ディーターの婚約者。 しかし、そんな日々の裏で心を痛めていることが一つあった。 それはディーターの異母弟、四歳のルイトが兄に虐げられていること。 幼い彼を救いたいと思った彼女は、「ある計画」の準備を進めることにする。 それは、ルイトを救い出すための唯一の方法──。 そんな時、フローラはディーターから突然婚約破棄される。 婚約破棄宣言を受けた彼女は「今しかない」と計画を実行した。 彼女の計画、それは自らが代理母となること。 だが、この代理母には国との間で結ばれた「ある契約」が存在して……。 こうして始まったフローラの代理母としての生活。 しかし、ルイトの無邪気な笑顔と可愛さが、フローラの苦労を温かい喜びに変えていく。 さらに、見目麗しいながら策士として有名な第一王子ヴィルが、フローラに興味を持ち始めて……。 ほのぼの心温まる、子育て溺愛ストーリーです。 ※ヒロインが序盤くじけがちな部分ありますが、それをバネに強くなります ※「小説家になろう」が先行公開です(第二章開始しました)

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! アルファポリス恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 *他サイトでも公開中 なろう日間総合ランキング2位に入りました!

森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。

玖保ひかる
恋愛
[完結] 北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。 ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。 アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。 森に捨てられてしまったのだ。 南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。 苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。 ※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。 ※完結しました。

分厚いメガネを外した令嬢は美人?

しゃーりん
恋愛
極度の近視で分厚いメガネをかけている子爵令嬢のミーシャは家族から嫌われている。 学園にも行かせてもらえず、居場所がないミーシャは教会と孤児院に通うようになる。 そこで知り合ったおじいさんと仲良くなって、話をするのが楽しみになっていた。 しかし、おじいさんが急に来なくなって心配していたところにミーシャの縁談話がきた。 会えないまま嫁いだ先にいたのは病に倒れたおじいさんで…介護要員としての縁談だった? この結婚をきっかけに、将来やりたいことを考え始める。 一人で寂しかったミーシャに、いつの間にか大切な人ができていくお話です。

『まて』をやめました【完結】

かみい
恋愛
私、クラウディアという名前らしい。 朧気にある記憶は、ニホンジンという意識だけ。でも名前もな~んにも憶えていない。でもここはニホンじゃないよね。記憶がない私に周りは優しく、なくなった記憶なら新しく作ればいい。なんてポジティブな家族。そ~ねそ~よねと過ごしているうちに見たクラウディアが以前に付けていた日記。 時代錯誤な傲慢な婚約者に我慢ばかりを強いられていた生活。え~っ、そんな最低男のどこがよかったの?顔?顔なの? 超絶美形婚約者からの『まて』はもう嫌! 恋心も忘れてしまった私は、新しい人生を歩みます。 貴方以上の美人と出会って、私の今、充実、幸せです。 だから、もう縋って来ないでね。 本編、番外編含め完結しました。ありがとうございます ※小説になろうさんにも、別名で載せています

処理中です...