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第1章 カイト、五歳までの軌跡
181 会場の設営に定規が大活躍
しおりを挟む翌日、朝食には昨日のボッチャンを冷やしたまま、冷製スープとして出してもらった。冷たくて甘くて美味しかった。ボクは冷製スープの方が好き。
ボクが美味しそうにしているからってママとアリは気になったみたい、食後のおやつ感覚で冷製スープを飲んで、温かさとは違って冷たいのでは美味しくいただけたようだ。良かった。厨房のみんなも温かいスープよりは冷たいスープの方がいいらしい。
マールたち、女性たちには冷たいスープが大好評だった。食事というよりやっぱりデザート感覚みたい。
もしかしたらデザートとして売り出しもいいかもしれない、検討しよう。
そんなことを歩きながら考えていたら、祭り会場に着いた。パパやセバス、合流したルーク団長と一緒に、最終チェックをしているところ。
アスレチックは普段のまま使うので、そのまま。
その手前はS字ロープ飛び競走用に丸太が等間隔で並んでる。凄く綺麗に並んでる。
おーすごい!
「これだけキレイに等間隔で並んでてすごいね」
「カイト坊っちゃま、秘密はこれですよ、これのおかげで均等にキレイに間隔を揃えることが出来ました。」
セバスから提出されたのは様々な長さの定規だった。
「おー、これを使ってくれてるんだね」
「はい、これで色々な所で均等に並べる事が出来ました。それとあの棒と棒の距離はこれで」
すごーい。細い紐を繋げて長ーく作ったメージャーじゃん。
「おー、すごいね。よくメージャーなんて思いついたね」
「この名前はメージャーって言うんですね、今後はそう呼びましょう。それでですね、このメージャーは、メイドのひとりが思いついたんですよ。」
「あの応援旗を等間隔に並べたくて短いものより長くしたもので測った方が早いと言ってこれを作ってくれたんですよ。使ってみましたらすごく便利で助かりました」
おー、ここにも進化してるよ。
「おかげで、綺麗に並べることが出来ました」
カイチェアも等間隔でキレイに乱れることなく並んでいる。乱れない整列だ。
「これは、なんというか?素晴らしくて美しいな」
パパ、なんか誇らしげな顔してるね!
ボクも同じ気持ちだよ。
「うん、そうだね」
あとは全てが指示通りで、何も言うことは無いよ。素晴らしい。みんなよく頑張ってくれた。応援旗は前日に掲げるようだ。
「あと、実はこんなものも作ったみたいでして」
そう言って出されたのは、大きな旗で、そこにはマーシュ領の剣と大刀がクロスしてその上に盾があり、周りは赤紫で縁どられた領旗だった。
「なんだ、これは素晴らしいな」
あ、パパ感動してちょい涙目だよ。
ボクも嬉しい、みんなの気持ちが嬉しい。
「これをあの棒に掲げたいと思いますが、よろしいですか?」
「ああ、よろしく頼む」
パパ、みんなに愛されてるじゃん。
「実はもうひとつあるんです。」
そう言って出されたのは、後ろ姿の人物の刺繍された旗だ、こちらも周りを赤紫で縁取られていた。背中姿だけど、左右はきっとパパとママ。間の2人はボクとアリ。
「今回、この素晴らしき祭りを開催できるのはダウニー様御一家のおかげです。家族構成は大々的に広めることができません。
ですから、この旗を掲げがることはできません。なのでこれはダウニー様に差し上げます。」
「この後ろ姿なのは、ダウニー様御一家の背中を見て、私たち領民はダウニー様御一家について行きます。ですから、ダウニー様御一家の後ろには私たちがいることを覚えてて欲しいのです」
もうやめてー。こんなの嬉しいじゃない。泣いちゃうじゃないか。
パパは堪えきれずに泣いている。
男の人の涙ってキレイ。
ボクも泣いちゃうじゃないかっ。
「大人になってからのダウニー様の涙は初めて見ましたね。子供の頃はびーびーととても良く泣くお坊ちゃまでした」
「そんなことは無いぞ。」
「んんんっ、これはありがたく貰おう。私の執務室に飾るように」
「はい、旦那様」
なんだか素敵。………あれ?パパの子どもの頃からセバスはうちで働いていたの?
パパより年上なのかな?ん?
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