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第二章 隠されたホムラの陰謀
第四十話 戦乙女達の決意
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「よし、これで大丈夫やね」
着替え終えた倫子達は、ストレッチをしながら体の筋肉をほぐしていた。変態スライムによってベトベトにされた分、身体を動かして気分を晴らそうとしているのだ。
「ええ……でも、今回の件は本当に最悪でした……」
ルリカは変態スライムにやられた事を俯きながら落ちこんでしまい、この様子にミミ達も同意せざるを得なくなるのも無理はない。
「今回の件、スライムと思って侮っていた私達にも責任はあるし、今でもその感触がまだ残っている……皆からの期待を背負って頑張っているのに……やっぱり私達って選ばれし者達じゃないのかな……」
ヒカリは俯きながら自身の行動を悔やんでいて、お尻を抑えて涙目となってしまう。皆の期待を背負いながら戦っているのに、今回の戦いでは変態スライムによって災難に遭っただけでなく、子供の様に大泣きしてしまった。いい年して大泣きするのは悪くない事だが、本人としては恥ずかしいのも無理はない。
その様子を見たミミは、落ち込んでいるヒカリの頭を優しく撫で始める。
「そんな事ないですよ。今回の失敗で挫けたら駄目。次のクエストで挽回すればいいだけだから」
ミミは笑顔でヒカリに声をかけ、倫子も後に続いて彼女達に声を掛ける。
「ミミちゃんの言う通り。ウチ等ならやればできるし、この悔しさをバネにして頑張るのみや」
「ミミちゃん、倫子さん……」
ミミと倫子に慰められたヒカリは涙を拭き、エヴァ達も彼女達の元に移動して励ましに来たのだ。
「私達も傍にいるから心配しないで!」
「次、変態スライムが来たら倒しましょう!」
「アタイもやられっぱなしは嫌いだからな!」
「失敗は成功のもと。これからです!」
「今回のクエストで貴重な経験をしましたが、この悔しさをバネにして頑張ります!」
「私も諦めずに突き進むのみです!」
エヴァ達の励ましを受けたヒカリは次第にやる気を感じ始め、すぐに立ち上がって落ち込みから回復する事に成功した。この様子だと心配する事はないだろう。
「そうね。ここで落ち込むのは良くないし、私達は私達で頑張らないと!」
ヒカリはエヴァ達の励ましに笑顔で応え、そのまま皆で決意を固めながら円陣を組み始める。
「今回はやられてしまったけど、次のクエストで挽回あるのみ!明日も頑張りましょう!」
「「「おう!!」」」
ヒカリの宣言に倫子達が一斉に大きな声で応え、彼女達はそのまま零夜達の元へと戻り始めた。この失敗を糧にして自身が強くなる為に……
※
「なるほど。ラリウスでのアークスレイヤーの基地については、ホムラ支部以外にも6箇所ぐらいあるという事か」
零夜はトラマツの説明を受けながら、ウインドウのスクリーンに映っているグラディアスのマップを見ていた。
その中の赤い点がアークスレイヤーの基地がある目印となっていて、黒いバツ印は既に陥落しているアークスレイヤーの基地が一つ示されている。この前零夜達が制圧したフルール基地だ。
「そうだ。奴等はこの前戦ったボルグレンやベクトルの他にも強い奴等が多くいる。気を引き締めて戦わなければ、全滅する恐れもあるからな」
ノースマンからの説明に零夜が真剣な表情で今後の事を推測する中、ミミ達が茂みの中から姿を現し、彼等の元に駆け寄りながら戻ってきた。その様子だと落ち込みから回復している様で、心配する事はない様だ。
「もう大丈夫なのか?」
「うん。迷惑掛けてごめんね」
「気にするなよ。皆が無事で本当に良かったし、俺はそれが気掛かりだったからな」
零夜は本心を伝えながら苦笑いをしていて、その様子を見たミミが彼をムギュッと強く抱き締める。
零夜の本心はいつも側にいるミミが一番よく知っている為、それに対しての行動も得意なのだ。それを見ていたルリカは嫉妬で頬を膨らましていたのは無理もない。
「大丈夫よ、零夜。私達はこんな所で落ち込み続ける事はないし、クヨクヨしても何も始まらないからね」
「そうだな……さっ、早くギルドに戻って報告しないと」
零夜達がクエストを無事に完了した事を伝える為、歩きながらギルドに戻り始めたその時、アークスレイヤーのアジトが遠くから見えた。
その外観は和風の城だが、フルール基地よりもとても大きい。支部基地だけあってとてもレベルが高いのは言うまでもないだろう。
「あれがホムラ支部のアークスレイヤーのアジトか……」
「改めて見ると凄い場所だな……」
ヒカリとソニアはアジトの外観に冷や汗を流しながらポツリと呟き、ミミ達も真剣な表情をしながら冷や汗を流していた。
ホムラ支部基地はフルール基地よりもランクが高い分、強い敵も多くいる。その為、今後の戦いは苦戦が予測されるので、現在はクエストをしながらレベルを上げているのだ。
「どうやらそこが私達の狙う場所となるけど、今のレベルでは不利のまま。その為にも次々とクエストを受けておかないと!」
ルリカは真剣な表情で強くなる決意の宣言をし、キララも彼女と同様に頷く。彼女達は零夜達に追いつける様日々精進している為、更にレベルアップする事を心から強く決意しているのだ。
そのまま皆でホムラの街に帰ろうとしたその時、何処からか荷車の音が遠くから聞こえる。
「?」
零夜が荷車の音のした方を向くと、それはマンモスのようなモンスターが檻を乗せた荷車を引いていて、男が荷車に乗ってタバコを吹いていた。どうやら何処かに向けて何かを運んでいるのだろう。
「行商人か?」
「いや、違う……あれは……奴隷商人だ!」
「「「奴隷商人!?」」」
ノースマンの真剣な表情での説明にミミ達が驚く中、突然モンスターが歩くのを止めてしまった。
すると男が零夜達の方に視線を移し、彼等の姿を見て警戒態勢を取っていた。しかもその手にはハンドガンが握られている。
「貴様等は選ばれし戦士達!べムール様に奴隷を献上しようとしているのを邪魔するつもりか!?」
奴隷商人は零夜達に冷や汗を流しながら質問するが、それを聞いた彼は真剣な表情で彼を睨みつける。
「アンタはアークスレイヤーと協力関係か……なら、話は早い!」
零夜はすぐに駆け出したと同時に奴隷商人に向かい、彼が放った弾丸を余裕で回避する。そのまま零夜は奴隷商人の服を掴み、そのまま背負投で勢いよく投げ飛ばした。
「うわっ!」
奴隷商人は地面に頭を打ち付け、倒れたと同時に失神してしまう。その隙にソニアが針金で扉を開け、中にいた奴隷達を解放する。
「ありがとうございます!」
「気にするな。数は十人いるぞ!」
「すぐにギルドに報告しないと!」
アミリスがギルドに向けて報告の準備をする中、零夜は失神している奴隷商人を縄できつく縛り付ける。
「よし!奴隷商人は縛った!そのままモンスターに乗ってホムラへ戻るぞ!」
「ええ!荷車は改装しておきます!」
ルリカはトンカチとノミを構えてトンテンカンカンと荷車を改造し、馬車に姿を変えてしまった。彼女は職人スキルを持っているので、どんな物でも作れる事が出来るのだ。
「さあ、皆!すぐに乗って!」
エヴァの合図で皆が馬車に乗り込む中、奴隷の二人がエヴァの方を向いてきた。二人は彼女と同じくシルバーウルフの獣人だが、一人はボブヘア、もう一人はショートヘアだ。
「エヴァ!無事だったのね!」
「あなたは……アーニャにサーシャ!」
エヴァがアーニャとサーシャの姿に驚きを隠せず、三人は再会した事で喜び合いながら抱き合う。
その様子に全員が彼女達の方を向き、疑問の表情をしていた。
「知り合いなのか?」
「私の……故郷の仲間なの……」
「「「ええっ!?」」」
いきなり俯いたエヴァからの衝撃発言に、その場にいる全員が一斉に驚いてしまった。
着替え終えた倫子達は、ストレッチをしながら体の筋肉をほぐしていた。変態スライムによってベトベトにされた分、身体を動かして気分を晴らそうとしているのだ。
「ええ……でも、今回の件は本当に最悪でした……」
ルリカは変態スライムにやられた事を俯きながら落ちこんでしまい、この様子にミミ達も同意せざるを得なくなるのも無理はない。
「今回の件、スライムと思って侮っていた私達にも責任はあるし、今でもその感触がまだ残っている……皆からの期待を背負って頑張っているのに……やっぱり私達って選ばれし者達じゃないのかな……」
ヒカリは俯きながら自身の行動を悔やんでいて、お尻を抑えて涙目となってしまう。皆の期待を背負いながら戦っているのに、今回の戦いでは変態スライムによって災難に遭っただけでなく、子供の様に大泣きしてしまった。いい年して大泣きするのは悪くない事だが、本人としては恥ずかしいのも無理はない。
その様子を見たミミは、落ち込んでいるヒカリの頭を優しく撫で始める。
「そんな事ないですよ。今回の失敗で挫けたら駄目。次のクエストで挽回すればいいだけだから」
ミミは笑顔でヒカリに声をかけ、倫子も後に続いて彼女達に声を掛ける。
「ミミちゃんの言う通り。ウチ等ならやればできるし、この悔しさをバネにして頑張るのみや」
「ミミちゃん、倫子さん……」
ミミと倫子に慰められたヒカリは涙を拭き、エヴァ達も彼女達の元に移動して励ましに来たのだ。
「私達も傍にいるから心配しないで!」
「次、変態スライムが来たら倒しましょう!」
「アタイもやられっぱなしは嫌いだからな!」
「失敗は成功のもと。これからです!」
「今回のクエストで貴重な経験をしましたが、この悔しさをバネにして頑張ります!」
「私も諦めずに突き進むのみです!」
エヴァ達の励ましを受けたヒカリは次第にやる気を感じ始め、すぐに立ち上がって落ち込みから回復する事に成功した。この様子だと心配する事はないだろう。
「そうね。ここで落ち込むのは良くないし、私達は私達で頑張らないと!」
ヒカリはエヴァ達の励ましに笑顔で応え、そのまま皆で決意を固めながら円陣を組み始める。
「今回はやられてしまったけど、次のクエストで挽回あるのみ!明日も頑張りましょう!」
「「「おう!!」」」
ヒカリの宣言に倫子達が一斉に大きな声で応え、彼女達はそのまま零夜達の元へと戻り始めた。この失敗を糧にして自身が強くなる為に……
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「なるほど。ラリウスでのアークスレイヤーの基地については、ホムラ支部以外にも6箇所ぐらいあるという事か」
零夜はトラマツの説明を受けながら、ウインドウのスクリーンに映っているグラディアスのマップを見ていた。
その中の赤い点がアークスレイヤーの基地がある目印となっていて、黒いバツ印は既に陥落しているアークスレイヤーの基地が一つ示されている。この前零夜達が制圧したフルール基地だ。
「そうだ。奴等はこの前戦ったボルグレンやベクトルの他にも強い奴等が多くいる。気を引き締めて戦わなければ、全滅する恐れもあるからな」
ノースマンからの説明に零夜が真剣な表情で今後の事を推測する中、ミミ達が茂みの中から姿を現し、彼等の元に駆け寄りながら戻ってきた。その様子だと落ち込みから回復している様で、心配する事はない様だ。
「もう大丈夫なのか?」
「うん。迷惑掛けてごめんね」
「気にするなよ。皆が無事で本当に良かったし、俺はそれが気掛かりだったからな」
零夜は本心を伝えながら苦笑いをしていて、その様子を見たミミが彼をムギュッと強く抱き締める。
零夜の本心はいつも側にいるミミが一番よく知っている為、それに対しての行動も得意なのだ。それを見ていたルリカは嫉妬で頬を膨らましていたのは無理もない。
「大丈夫よ、零夜。私達はこんな所で落ち込み続ける事はないし、クヨクヨしても何も始まらないからね」
「そうだな……さっ、早くギルドに戻って報告しないと」
零夜達がクエストを無事に完了した事を伝える為、歩きながらギルドに戻り始めたその時、アークスレイヤーのアジトが遠くから見えた。
その外観は和風の城だが、フルール基地よりもとても大きい。支部基地だけあってとてもレベルが高いのは言うまでもないだろう。
「あれがホムラ支部のアークスレイヤーのアジトか……」
「改めて見ると凄い場所だな……」
ヒカリとソニアはアジトの外観に冷や汗を流しながらポツリと呟き、ミミ達も真剣な表情をしながら冷や汗を流していた。
ホムラ支部基地はフルール基地よりもランクが高い分、強い敵も多くいる。その為、今後の戦いは苦戦が予測されるので、現在はクエストをしながらレベルを上げているのだ。
「どうやらそこが私達の狙う場所となるけど、今のレベルでは不利のまま。その為にも次々とクエストを受けておかないと!」
ルリカは真剣な表情で強くなる決意の宣言をし、キララも彼女と同様に頷く。彼女達は零夜達に追いつける様日々精進している為、更にレベルアップする事を心から強く決意しているのだ。
そのまま皆でホムラの街に帰ろうとしたその時、何処からか荷車の音が遠くから聞こえる。
「?」
零夜が荷車の音のした方を向くと、それはマンモスのようなモンスターが檻を乗せた荷車を引いていて、男が荷車に乗ってタバコを吹いていた。どうやら何処かに向けて何かを運んでいるのだろう。
「行商人か?」
「いや、違う……あれは……奴隷商人だ!」
「「「奴隷商人!?」」」
ノースマンの真剣な表情での説明にミミ達が驚く中、突然モンスターが歩くのを止めてしまった。
すると男が零夜達の方に視線を移し、彼等の姿を見て警戒態勢を取っていた。しかもその手にはハンドガンが握られている。
「貴様等は選ばれし戦士達!べムール様に奴隷を献上しようとしているのを邪魔するつもりか!?」
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零夜はすぐに駆け出したと同時に奴隷商人に向かい、彼が放った弾丸を余裕で回避する。そのまま零夜は奴隷商人の服を掴み、そのまま背負投で勢いよく投げ飛ばした。
「うわっ!」
奴隷商人は地面に頭を打ち付け、倒れたと同時に失神してしまう。その隙にソニアが針金で扉を開け、中にいた奴隷達を解放する。
「ありがとうございます!」
「気にするな。数は十人いるぞ!」
「すぐにギルドに報告しないと!」
アミリスがギルドに向けて報告の準備をする中、零夜は失神している奴隷商人を縄できつく縛り付ける。
「よし!奴隷商人は縛った!そのままモンスターに乗ってホムラへ戻るぞ!」
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ルリカはトンカチとノミを構えてトンテンカンカンと荷車を改造し、馬車に姿を変えてしまった。彼女は職人スキルを持っているので、どんな物でも作れる事が出来るのだ。
「さあ、皆!すぐに乗って!」
エヴァの合図で皆が馬車に乗り込む中、奴隷の二人がエヴァの方を向いてきた。二人は彼女と同じくシルバーウルフの獣人だが、一人はボブヘア、もう一人はショートヘアだ。
「エヴァ!無事だったのね!」
「あなたは……アーニャにサーシャ!」
エヴァがアーニャとサーシャの姿に驚きを隠せず、三人は再会した事で喜び合いながら抱き合う。
その様子に全員が彼女達の方を向き、疑問の表情をしていた。
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