ヒーローズエイト〜神に選ばれし8人の戦士達による新八犬伝最強救世主伝説〜

蒼月丸

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第三章 花咲くロベリア革命

第百話 変態軍団の恐怖

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 ファンキーズとの戦いは彼等の変態行為が繰り広げられていたが、いずれも阻止されていた。あんなやり方をしたら馬鹿げるのも無理なく、逆に関わりたくない人達も増加するだろう。

「どうやら我々は……お前達を甘く見ていたみたいだ。此処から先は、能力を使わせてもらう!」

 変態三兄弟はそれぞれの身体から闇のオーラを発動させ、スピードを上げたと同時に零夜達に襲い掛かる。どうやら小細工なしで攻めに向かうつもりだ。

「やっとまともな戦いを見せる様になってきたか!なら、俺達もそう応えないとな!」

 零夜達も変態三兄弟の覚悟に応え、一斉に立ち向かい始める。それと同時にボルが全速力で駆け出し、スピアーの体勢で彼に襲い掛かる。

「ダークスピアー!」
「がっ!」

 強烈なスピアータックルが零夜の身体に炸裂し、彼は地面を転がってダメージを受けてしまう。
 スピアータックルは助走を付けて走り、ラグビーやアメリカンフットボールのタックルの様に低い姿勢で相手の腹部へ肩、頭からぶつかっていく。まさに危険な体当たり技とテイクダウン技なのだ。

「アイ・アム……ストロング!」
「くっ!今のは聞いたぜ……」

 スピアータックルを受けた零夜が冷や汗を流す中、バルは素早くジャンプをする。同時にお尻をルリカの顔面に激突させてしまった。

「これが現実だ!地獄門ストライク!」
「ぐふっ!」

 強烈な悪臭がルリカの鼻に刺さり、彼女は悶絶しながら地面を転がりつつ、苦しい表情を見せる。
 犬族である彼女にとってはこうなるのも無理はないが、狼族や耐久性の無い戦士達も同様だ。特に女性の場合だと失神してしまうケースもあり得る。

「さーて、こちらも参りましょうか!」

 ブルは覚悟を決めたと同時に、両手から闇の波動を出していく。同時に地面に掌を当て、そのまま魔術を唱え始めた。

「ファンタスティックマジック!」

 地面から強烈な闇の波動が柱の様に噴出し、ヒカリ達は次々と回避していく。威力があまりにも強く、当たったら死んでしまうケースもあり得るだろう。

「俺達はジャコバンズのリーダーである限り、ここで倒れたら終わりだ!それにお前等に現実というのを教えてやる!」
「現実というか、さっさとその姿をどうにかしろ!ちゃんとしたパンツを履け!」

 零夜はツッコミを入れながらも黒い海パンを用意し、それをボルに履かせ始める。

「ノー!ノー!」
「さっさと履け!」

 海パンを履く事を嫌がるボルに対し、零夜が無理やり履かせようとする。すると、バルが零夜にコツコツと接近し、そのまま彼の肩を叩く。

「君にはこれをプレゼントだ」 

 バルは宣言したと同時に、零夜の視線をこちらに向かせる。その直後、彼の唇を奪ってしまった。

「「「キャーッ!」」」

 バルが零夜にキスをした光景にミミ達が悲鳴を上げてしまい、零夜はあまりの気持ち悪さに吐いてしまう。まさに史上最悪の必殺技だ。

「とうだ!これが現実だ!」
「これが現実……巫山戯るな!!」

 バルにキスされた事で、零夜の怒りのボルテージは最大限に上がっていく。そのまま彼をボディスラムの態勢で持ち上げてしまい、高くジャンプしていく。 
 更に零夜は地面に急降下し始め、バルを頭から地面に叩きつけた。今の一撃はとても痛く、キスされた恨みはかなり強いと言えるだろう。

「がはっ!」
「これが俺のオリジナルプロレス技『デッドファンタズマ』だ!」

 零夜はすぐに宣言したと同時にバルから離れ、警戒態勢に入る。バルは頭を押さえながらも起き上がり、零夜をギロリと睨み付けていた。

「よくもやってくれたな。この痛みは倍に返してやる!」
「俺もアンタ等を倒さなければ気がすまないからな!」

 零夜は口を袖で拭いた直後、バルと激しい殴り合いを繰り広げる。この光景にミミ達は唖然とするのも無理なく、中にはポカンとしている者までいた。

「キスされた事……恨んでいたのね……」
「その気持ち、分かるかも……」

 ミミ達が零夜の怒りに同情していたその時、ブルが倫子を掴んで自身の左肩に担ぎ上げる。そしてその先には……いつの間にかボルがコーナーポストに登っていて、待ち構えるようにお尻を突き出していた。

「しまった!」
「私とのキスの間に油断したようだな。さあ、やっちまえ!」

 予想外の事態に零夜は驚きを隠せず、バルはブルに対してお仕置きを実行しろと叫ぶ。
 
「オーケー!それでは皆様、公開処刑の始まりです!」
「カモンカモン!」

 ブルは倫子を担ぎ上げたまま、ボルのお尻に彼女の顔面を埋め込ませようとする。それを見たミミ達は慌てながら止めに向かうが、このままだと間に合わないだろう。

「嫌!止めて!嫌ァァァァ!!」

 倫子が涙を流しなから悲鳴を上げたその時、日和が全速力で駆け出してブルを止めに向かう。

「そうはさせない!」
「へぶら!」

 強烈なドロップキックがブルに炸裂し、その衝撃で彼は倒れてしまう。倫子は解放されて地面に着地し、日和に抱き着いた。

「日和ちゃん……助けてくれてありがとう……」

 倫子の涙に日和は笑顔で応え、彼女の頭をよしよしと撫で始める。

「どういたしまして。それよりも……今はあの敵をどうにかしないとですね」

 日和は真剣な表情で視線を向けると、倒れているブルとコーナーポストの上で待ち構えているボル、彼女達を睨みつけているバルの三人がいた。
 彼女と倫子は素早く駆け出し、ダブルの二段蹴りをバルのお腹に浴びせた。

「「やっ!」」
「ぐほっ!」

 バルは蹴り飛ばされて地面に背中を打ってしまい、すぐに倫子と日和が着地する。

「今の攻撃は新人賞。強烈に痛いからね」
「あなたの好き勝手にはさせないから!」

 倫子と日和の宣言の直後、零夜達も真剣な表情で戦闘態勢に入り始める。十六対三で数は優勢だが、まだ油断ならない状態だ。

「こうなったらこちらも増援だ。出て来い、我等がファンキーの同志達よ!」

 バルの合図と同時に、倒れていた住民達が次第に起き上がる。そのまま彼等は次々と服を脱いでしまい、尻の穴が見えるOバックを履いていた。
 女性に関しては肩紐無しのブラジャーにOバックという破廉恥姿である。しかも、子供やお年寄りまで……

「どうだ!住民達も皆ファンキーだ!これこそファンキーズのやり方だ!」
「住民達まで変態に染めるな!馬鹿な考えをする輩は他にいないぞ!」
「いくらなんでもこの街には寄りたくない連中が続出してしまうぞ!それでもいいのか!?」

 バルの宣言に、ノースマンとトラマツのツッコミが炸裂。ミミ達に至っては口を抑えつつ、顔は真っ赤となっていたのだ。
 そのまま住民達は一斉に零夜達に襲い掛かり、彼等を倒そうと躍起になっていた。

「話を聞いても無駄なようだ。こうなるとこいつ等は全員倒さないとな!」
「ああ!目を覚ます為にも立ち向かうぜ!覚悟しやがれ!」

 ソニアと杏は覚悟を決めて住民達に立ち向かい、次々と斬撃を繰り出しながら倒していく。

「藍原さん、私達も行きましょう!」
「ダブルエースの実力、見せないとね!」

 倫子と日和も住民達の方に向かい、プロレス技や格闘技で次々と蹴散らし始める。

「キララ!私達も行くわよ!」
「ええ!」
「ジェニー、準備はいい?」
「勿論です!」

 ミミ、キララ、ヒカリ、ジェニーも後に続いて住民達に襲い掛かり、それを見ていたエヴァ達も決意を固める。

「ジャンヌとマリーは零夜のサポートをお願い!私達は住民達を倒しに向かうわ!」
「ええ!あまり無理はしないでください!」
「任せて!皆、行くわよ!」
「「「おう!」」」

 エヴァ、コーネリア、アミリス、マーリン、ルリカの五人も住民達に立ち向かい、零夜、ジャンヌ、マリーはファンキーズに立ち向かう。

「これで三対三だ。覚悟は出来ているか?」
「当たり前だ!お前等みたいな変態は倒すと誓っていたからな。ここで倒れたら本末転倒だぜ!」
 
 零夜は怒りの表情でファンキーズを睨みつけ、そのまま戦闘態勢に入り始める。それと同時に、彼の脳裏に忘れられない過去が思い浮かべられたのだった……
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