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第五章 ハルバータの姫君
第百五十七話 完全アウェイのステージ
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零夜達はボリスの案内で専用闘技場へと向かうと、そこは大きな闘技場が待ち構えていた。大きさからすればとても広く、まるで古代ローマのコロッセオを思わせる場所であったのだ。
「この場所こそカバレフバトルガーデン。ヴァルムントのの国立競技場でありながら、『バトルオブスレイヤー』専用の闘技場と言われている」
「まるでコロッセオみたいですね」
零夜達がボリスの説明に納得している中、その前にはハインがいた。更にシルバーファングもいるとなると、彼等は既にカバレフバトルガーデンに辿り着いていたのだ。
「来たか。この私を馬鹿にした罪は重い。それを今こそ証明してくれる」
ハインは圧倒的な威圧感を放ちながら、零夜達を睨み付ける。これまで散々馬鹿にされた罪はとても大きく、倒さないと気がすまないのだ。
「それはこちらのセリフですよ。倒す覚悟はできています!」
零夜はそれに動じず、真剣な表情で戦闘態勢に入る。それにハインは怒りの表情をしていて、シルバーファングは慌てながら戦闘態勢を取ろうとしていた。ブレイブペガサスと戦う事になってしまったのは想定外であるが、ここで勝てばランクも上がるチャンスと言えるだろう。
「では、闘技場に入るぞ!」
ボリスの合図と同時に全員が闘技場の中に入り始め、緊迫感が辺り一面に広がっていく。これはヴァルムントの新たな歴史が始まろうとしているのだが、戦いの行方によって今後が決まるだろう。
※
それから数十分後、闘技場は観客が多く満員となっていた。しかも札止めまで出ているとなると、それ程かなり人気である事が明らかだろう。
「いよいよ始まるのか……ハイン様のチームであるシルバーファングが、異世界から来たブレイブペガサスと戦うそうだ」
「しかも、勝てたら一気にランクアップするそうだ!」
「シルバーファング、頑張れよ!」
「我が国の為に頑張ってくれ!」
観客達はシルバーファングを支持している者がとても多く、完全アウェイとなっている。逆に勝ってしまえば住民達が暴挙してしまう可能性もあり得るので、要注意と言えるだろう。
零夜達はそんな事で動じず、控室で冷静に筋トレなどのアップを開始していた。自身がやるべき事は必ず達成する以上、どんな場所でも落ち着く事が大事なのだ。
「この戦いは二度目だが、完全アウェイとはな……皆さん、準備は大丈夫ですか?」
零夜からの質問にアミリス達は真剣に頷き、冷静さを保ちながら彼に視線を合わせていた。戦いはどんな時でも冷静さを保つ事が重要であり、噴火してしまったら負けてしまう可能性もあり得るからだ。
「ええ。必ず勝ちに向かうわ。私達を馬鹿にしていたあの人は容赦なくギャフンと言わせないとね!」
アミリスは腕を鳴らしながらハインに対して怒りを込めていて、それに倫子達も同意しながら頷く。彼の態度に怒りが溜まった以上、ボコボコにしなければ気がすまないだろう。
「アメリア姫を馬鹿にした罪は償わないといけないからね。やるからには倒すのみ!」
「コテンパンに倒さないと気がすまないからね」
「アタイもあのクソ王子はムカついたからな。一発殴らないと落ち着かないぜ!」
ミミとヒカリも気合を入れながら勝つ事を決断していて、ソニアに至ってはハインに対して殴り飛ばそうと躍起になっている。
「私達もここまで来た以上、戦うしかありません!相手が敵でも、必ず倒しに向かいます!」
「ジャンヌの言う通りね。私達の戦い、ヴァルムント国民に見せつけないと!」
ジャンヌとエヴァも気合いを入れる中、倫子は零夜を抱きながら気分を落ち着かせていた。彼女がダイナマイツを去ってから情緒不安になる事がある為、試合前にはこの様な行為をする様になったのだ。
「ん……もう大丈夫」
「よし!行きましょう!」
「「「おう!」」」
倫子が落ち着きを取り戻したと同時に、零夜達は控室から出たと同時に闘技場へと向かい出す。その足取りは落ち着いていて、姿も勇ましく見えている。まさに勇者として相応しいだろう。
※
闘技場では多くの歓声に溢れているが、零夜達に待っていたのはブーイングばかり。観客席で待機しているルリカ達が、怒りを爆発しそうになるのも無理ない。
「少し暴れても良いですか?」
「アタシもだ……」
「私もです……」
「ちょっと!落ち着きなさいよ!」
ルリカ、杏、ジェニーが観客達に危害を加えようと動き出すが、キララが慌てながら彼女達を落ち着かせていた。ここで暴力事件を起こしたらさらなる火種が起きるだろう。
「いよいよ始まるみたいね。このアウェイで零夜達がどう戦うのか……」
「ええ。観客達はシルバーファングを応援しているし、この状況をどう覆すかね」
マリーとコーネリアも今の状況に冷や汗を流していて、同時に不安も重なってしまう。すると美津代が二人の肩に優しく手を置き、その不安を取り除き始める。
「大丈夫。零夜君達なら心配しないで。彼等ならこの試合に勝てるし、どんな空気でも諦めずに立ち向かうわ。だからこそ、私達は零夜君達の勝利を信じましょう!」
「そうね」
「ここまで言われると応援しないと!」
美津代の笑顔にマリーとコーネリアも頷く中、闘技場内では零夜、ミミ、倫子、ヒカリ、エヴァ、アミリス、ソニア、ジャンヌの八人が今回のステージの全景を見ていた。エリアとしてはかなり狭く、障害物のない草原ステージとなっている。こうなると実力勝負となるが、トラップを仕掛ける事もあるので、油断はできないのだ。
「草原ステージか……こうなると実力勝負となるな……」
「それだったら接近して叩くしかないわよ。私達の攻撃力ならいけるわ!」
アミリスの言う通りに遠距離攻撃や射撃などで攻められたらひとたまりもないだろう。しかし、敵も馬鹿ではなく、新たな策を考えている可能性もあり得るのだ。
すると対戦相手であるシルバーファングの入場が始まり、大歓声が響き渡る。音楽と同時にヴィリアン、マンティは勿論、女性剣士のシオン、呪術師のネコブ、虎の獣人族戦士のハクロ、エルフ海賊のアッシュ、弓矢使いのゲルダ、偉人枠は韓国から李舜臣だ。実力者揃いと言えるが、零夜達はどう打ち崩すかだ。
「皆さん!今回は私達シルバーファングを応援してくれる事に感謝します!」
「頑張れよ!」
「絶対に勝てよ!」
ヴィリアン達が観客の声援に応えながら一礼し、そのまま零夜達に視線を移す。それと同時に緊迫感が闘技場全体に流れ込むが、観客達は音楽を鳴らしながら、シルバーファングに声援を送っていた。自身の国のヒーロー達に力を与えようと、住民達は躍起になるのも無理ないみたいだ。
完全アウェイの展開となる中、ブレイブペガサスとシルバーファングの試合が、始まりを告げようとしたのだった……
「この場所こそカバレフバトルガーデン。ヴァルムントのの国立競技場でありながら、『バトルオブスレイヤー』専用の闘技場と言われている」
「まるでコロッセオみたいですね」
零夜達がボリスの説明に納得している中、その前にはハインがいた。更にシルバーファングもいるとなると、彼等は既にカバレフバトルガーデンに辿り着いていたのだ。
「来たか。この私を馬鹿にした罪は重い。それを今こそ証明してくれる」
ハインは圧倒的な威圧感を放ちながら、零夜達を睨み付ける。これまで散々馬鹿にされた罪はとても大きく、倒さないと気がすまないのだ。
「それはこちらのセリフですよ。倒す覚悟はできています!」
零夜はそれに動じず、真剣な表情で戦闘態勢に入る。それにハインは怒りの表情をしていて、シルバーファングは慌てながら戦闘態勢を取ろうとしていた。ブレイブペガサスと戦う事になってしまったのは想定外であるが、ここで勝てばランクも上がるチャンスと言えるだろう。
「では、闘技場に入るぞ!」
ボリスの合図と同時に全員が闘技場の中に入り始め、緊迫感が辺り一面に広がっていく。これはヴァルムントの新たな歴史が始まろうとしているのだが、戦いの行方によって今後が決まるだろう。
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それから数十分後、闘技場は観客が多く満員となっていた。しかも札止めまで出ているとなると、それ程かなり人気である事が明らかだろう。
「いよいよ始まるのか……ハイン様のチームであるシルバーファングが、異世界から来たブレイブペガサスと戦うそうだ」
「しかも、勝てたら一気にランクアップするそうだ!」
「シルバーファング、頑張れよ!」
「我が国の為に頑張ってくれ!」
観客達はシルバーファングを支持している者がとても多く、完全アウェイとなっている。逆に勝ってしまえば住民達が暴挙してしまう可能性もあり得るので、要注意と言えるだろう。
零夜達はそんな事で動じず、控室で冷静に筋トレなどのアップを開始していた。自身がやるべき事は必ず達成する以上、どんな場所でも落ち着く事が大事なのだ。
「この戦いは二度目だが、完全アウェイとはな……皆さん、準備は大丈夫ですか?」
零夜からの質問にアミリス達は真剣に頷き、冷静さを保ちながら彼に視線を合わせていた。戦いはどんな時でも冷静さを保つ事が重要であり、噴火してしまったら負けてしまう可能性もあり得るからだ。
「ええ。必ず勝ちに向かうわ。私達を馬鹿にしていたあの人は容赦なくギャフンと言わせないとね!」
アミリスは腕を鳴らしながらハインに対して怒りを込めていて、それに倫子達も同意しながら頷く。彼の態度に怒りが溜まった以上、ボコボコにしなければ気がすまないだろう。
「アメリア姫を馬鹿にした罪は償わないといけないからね。やるからには倒すのみ!」
「コテンパンに倒さないと気がすまないからね」
「アタイもあのクソ王子はムカついたからな。一発殴らないと落ち着かないぜ!」
ミミとヒカリも気合を入れながら勝つ事を決断していて、ソニアに至ってはハインに対して殴り飛ばそうと躍起になっている。
「私達もここまで来た以上、戦うしかありません!相手が敵でも、必ず倒しに向かいます!」
「ジャンヌの言う通りね。私達の戦い、ヴァルムント国民に見せつけないと!」
ジャンヌとエヴァも気合いを入れる中、倫子は零夜を抱きながら気分を落ち着かせていた。彼女がダイナマイツを去ってから情緒不安になる事がある為、試合前にはこの様な行為をする様になったのだ。
「ん……もう大丈夫」
「よし!行きましょう!」
「「「おう!」」」
倫子が落ち着きを取り戻したと同時に、零夜達は控室から出たと同時に闘技場へと向かい出す。その足取りは落ち着いていて、姿も勇ましく見えている。まさに勇者として相応しいだろう。
※
闘技場では多くの歓声に溢れているが、零夜達に待っていたのはブーイングばかり。観客席で待機しているルリカ達が、怒りを爆発しそうになるのも無理ない。
「少し暴れても良いですか?」
「アタシもだ……」
「私もです……」
「ちょっと!落ち着きなさいよ!」
ルリカ、杏、ジェニーが観客達に危害を加えようと動き出すが、キララが慌てながら彼女達を落ち着かせていた。ここで暴力事件を起こしたらさらなる火種が起きるだろう。
「いよいよ始まるみたいね。このアウェイで零夜達がどう戦うのか……」
「ええ。観客達はシルバーファングを応援しているし、この状況をどう覆すかね」
マリーとコーネリアも今の状況に冷や汗を流していて、同時に不安も重なってしまう。すると美津代が二人の肩に優しく手を置き、その不安を取り除き始める。
「大丈夫。零夜君達なら心配しないで。彼等ならこの試合に勝てるし、どんな空気でも諦めずに立ち向かうわ。だからこそ、私達は零夜君達の勝利を信じましょう!」
「そうね」
「ここまで言われると応援しないと!」
美津代の笑顔にマリーとコーネリアも頷く中、闘技場内では零夜、ミミ、倫子、ヒカリ、エヴァ、アミリス、ソニア、ジャンヌの八人が今回のステージの全景を見ていた。エリアとしてはかなり狭く、障害物のない草原ステージとなっている。こうなると実力勝負となるが、トラップを仕掛ける事もあるので、油断はできないのだ。
「草原ステージか……こうなると実力勝負となるな……」
「それだったら接近して叩くしかないわよ。私達の攻撃力ならいけるわ!」
アミリスの言う通りに遠距離攻撃や射撃などで攻められたらひとたまりもないだろう。しかし、敵も馬鹿ではなく、新たな策を考えている可能性もあり得るのだ。
すると対戦相手であるシルバーファングの入場が始まり、大歓声が響き渡る。音楽と同時にヴィリアン、マンティは勿論、女性剣士のシオン、呪術師のネコブ、虎の獣人族戦士のハクロ、エルフ海賊のアッシュ、弓矢使いのゲルダ、偉人枠は韓国から李舜臣だ。実力者揃いと言えるが、零夜達はどう打ち崩すかだ。
「皆さん!今回は私達シルバーファングを応援してくれる事に感謝します!」
「頑張れよ!」
「絶対に勝てよ!」
ヴィリアン達が観客の声援に応えながら一礼し、そのまま零夜達に視線を移す。それと同時に緊迫感が闘技場全体に流れ込むが、観客達は音楽を鳴らしながら、シルバーファングに声援を送っていた。自身の国のヒーロー達に力を与えようと、住民達は躍起になるのも無理ないみたいだ。
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