ヒーローズエイト〜神に選ばれし8人の戦士達による新八犬伝最強救世主伝説〜

蒼月丸

文字の大きさ
255 / 277
第八章 激闘!トーナメントバトル

第二百五十三話 神々による緊急会議

しおりを挟む
 ゴッドエデンにある議会場では、神々による緊急会議が行われていた。それは一週間後に開催されるトーナメントは勿論、各世界の被害状況を確認する事だった。

「では、改めてトーナメント進出チームを発表する。出場したのは全六チーム。そのチームはこちらだ」

 カーンがウインドウにある画面を指さした直後、トーナメント出場チームの一覧が映し出される。しかも、その中には担当神の名前まで記載されているのだ。
 チーム一覧はこの通りである。

・ブレイブペガサス(メディア)
・プリンセスヴァルキリーズ(アミール)
・シャイニングナイツ(アフロディア)
・メテオファルコンズ(マーキュリー)
・スノーホワイト(アテナ)
・ワンダーヒーローズ(アポロン)

 出場チームがたったの六チームしかない事に、神々達はざわつくのも無理はない。それを見たカーンは木槌を机に叩いたと同時に静粛させ、彼等はその理由を聞き始める。

「数日前からアークスレイヤーの戦士達による襲撃が始まりを告げられ、多くのチームが次々と脱落している」
「その中には優勝候補と呼ばれていたスパイラルエアーズも、神室によって壊滅されてしまいました」

 カーンとロストの説明を聞いた神々達は、ざわっと驚きを隠せずにいた。特に優勝候補のスパイラルエアーズが脱落してしまった事は、まさかの想定外と言えるだろう。
 スパイラルエアーズは神室の奇襲を受けて対処したが、彼の強さに成す術もなく敗北を喫してしまった。ヒコマツは神室に殺されて死亡してしまい、女性達は奴隷とされて別々の場所に移動させられ、今頃は多くの兵士達に弄ばれているだろう。

「壊滅されたチームの神々については、この戦いから強制的に脱落する事になる。異論はないか?」

 カーンからの宣言に対し、アレス率いる神々達は無言で頷くしか無かった。自身の選ばれし戦士達のチームが脱落してしまった以上、抵抗しようにもどうする事もできない。おまけにルールを破ってしまえば、強制的に相当の罰を受けなければならない。
 カーンが決めた決まりには従うしか無く、逆らう事さえできないのだ。

「宜しい。議会はこれで解散となるが、トーナメント進出チームの担当神は残ってくれ。今後の事について話し合いを行う」

 カーンからの説明に神々達は頷きつつ、多くが議会場から立ち去り始めた。
 残るはメディア、アミール、アフロディア、マーキュリー、アテナ、アポロンの六人であり、カーンは確認したと同時に今後の話し合いを行う。

「では、トーナメントについてだ。優勝したチームはザルバッグとの戦いに挑む事になるが、脱落したチームにもある任務をしてもらう」

 カーンからの説明にメディア達が気になり、真剣な表情をしながら話を聞く。この話はとても重大な任務にも関わるので、聞いてなければ罰を受けてしまう恐れもあるのだ。

「まずはトキコからの報告だ。アークスレイヤーに侵略された世界の中に、ザルバッグの力の源となるコアが五つある事が発見された」
「「「五つのコア?」」」

 カーンからの説明に初めて聞く単語が出て、それにメディア達は疑問に感じてしまう。ザルバッグの力の源となるコアがある事は初めて聞いていて、それに疑問を感じるのも少なくはない。むしろそれを早く言って欲しいぐらいだ。

「そのコアは様々な世界を侵略する事で、力が溜まっていく。同時にザルバッグもそのコアによってパワーアップし、今の強さに至っているのだ」

 カーンからの説明を聞いたメディア達は、雷に打たれた表情をしながら驚きを隠せずにいた。ザルバッグの強さの秘密が明らかになったのは勿論、世界侵略をする毎に強くなる事も判明。
 つまりザルバッグは部下達に世界を征服すればする程、ますます強くなる。かなり厄介としか言えない。

「そのコアを破壊すれば、ザルバッグを倒す事も可能になりますね」 
「ああ。ところがそのコアは強力なセキュリティを放っていて、高い耐久性を持っている。完全破壊するにも時間が掛かるだろう」

 アミールからの質問に対し、カーンは冷静に答えながら説明する。ザルバッグは自身の力となるコアの破壊を防ぐ為、念入りに対策をしている。破壊するには時間が掛かるのは当然だが、セキュリティまであると流石に苦戦は免れないだろう。
 この話を聞いたアミール達は真剣に頷くしかないが、そのコアを破壊する方法があると心の奥底で考えている。その事をカーンに伝えようとしたその時、彼が冷静な表情をしながら説明を付け加えてきた。
  
「言い忘れたが、コアを破壊する方法があるとしたら只一つ。それぞれの選ばれし戦士達による合体技を出す事だ」
「合体技ですか?」

 カーンからの説明にマーキュリーが首を傾げたその直後、メディアがいきなり手を挙げる。合体技と聞いた途端、何か気になる事があるのだろう。

「合体技ならエイト・スレイヤーなども含まれますが、この様な技では駄目なのでしょうか?」

 メディアは合体技について、零夜達が現在取得している技が効果あるのか質問する。今覚えているエイト・スレイヤーではコアに効果があるのか気になっているが、あの技は相手を上空に打ち上げてからでないと発動できないのだ。

「残念ながらその様な技は効果はない。しかし、コア専用の技についてはこの書物に記されている」

 カーンは一冊の書物を懐から用意し、それをメディア達に見せる。タイトルは「合体技百科事典」という本で、多くの合体技の種類が載っている。
 8人による合体技だけでなく、様々な人数による合体技も含まれているのが特徴。更には百人でできる物まであるのだ。

「凄い百科事典ですね……もしかすると、この本にコア専用の合体技が書いてあるのですか?」
「そうだ。それをどうアレンジするかはお前達次第となるが、実行するのはトーナメントの優勝チームが決まった頃になる」

 カーンからの説明を聞いたメディア達は、真剣な表情でコクリと頷きながら応える。トーナメントもかなりの激戦となっていくが、合体技の取得となる修行も厳しさを増しているだろう。
 トーナメントでは負けたら一発で終わる運命の戦いなので、緊迫感でプレッシャーも強くなって不安を感じてしまう。修行では限界を超えるかがカギとなるので、脱落してしまう焦りも出てしまう。どちらも厳しければ厳しくなる程、不安と焦りでミスや怪我に繋がる事もあり得るのだ。

「確かにそうですね。私達もそこまでしなければ、戦士達は強くなれない。特に零夜は修行バカなので、真っ直ぐに食い付くと思いますよ」
「メディアの戦士は修行バカがいるとは驚いたけど、少し羨ましさを感じるかな?」
「大した事ないけどね。やり過ぎる事もあるし……」

 アフロディアは零夜がいるメディアのチームを羨ましがっているが、彼女は苦笑いしながら応える。零夜は修行バカで諦めが悪いのは知っているが、規定以上の負荷の掛かる修行までも行っているのだ。ゾウを引っ張りながら移動するわ、腕立てでは人を乗せて行うわ、スクワットも倫子を背負って行っているなど、規格外にも程があると言っても良いだろう。

「後はこの事を戦士達にも伝えておく事を忘れずに。では、解散!」

 カーンの合図と同時に、議会はこの場で解散。アミール達はそれぞれの戦士達にこの事を伝える為、彼等の元へ向かい出す。しかし、メディアは立ち止まったまま議会場を見つめた後、回れ右をしてそこから退出した。

(少なくともこのトーナメントは、苦戦するのは確定と言える。でも、零夜達はここでやられる輩ではないし、私もできる限りサポートしなければ!)

 メディアは心の中で決意を固めたと同時に、駆け出しながら零夜達の元へと向かい出した。彼等をトーナメントで優勝させる為にも、全力でサポートする事を誓いながら……
しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。

みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。 勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。  辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。  だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...