ヒーローズエイト〜神に選ばれし8人の戦士達による新八犬伝最強救世主伝説〜

蒼月丸

文字の大きさ
267 / 277
第八章 激闘!トーナメントバトル

第二百六十五話 グラディアスへの帰還

しおりを挟む
 一回戦の戦いから数日後、零夜達は次の舞台であるグラディアスへ向かう事に。彼等はトキコが用意したワープゲートに飛び込み、そのままグラディアスにある平原に到着したのだ。

「久々のグラディアス!いい場所ね!」

 倫子は笑顔で背伸びをしながら、この世界に帰ってきた事を実感している。ミミ達も同様に笑顔で深呼吸していて、コーネリア達は平原に寝転んで日向ぼっこをし始めたのだ。

「お前等な……これから戦いが始まるっていうのに……」

 零夜は倫子達の行動に呆れ、紬達は苦笑いしてしまう。今から真剣な戦いが行われるのに、日向ぼっこなどの気分転換をするのは極めて異常と言えるだろう。

「まあまあ。彼女達も悪気があるわけじゃないし、ゆっくりさせる必要があるだろう」
「そうだぜ。東も気分転換にランニングするぞ!」
「しょうがないな……」

 ヒューゴと三上の誘いに対し、零夜は苦笑いしながら気分転換をする事を決断。すると何処からか変な音楽が流れてきた。その曲を聞いたアミリスはすぐに分かり、音のした方に視線を移していく。

「この曲……あの人に間違いないわ!」

 アミリスはすぐにこの曲の正体が分かり、ルリカ達も一斉に曲の方に視線を移す。同時にふんどし踊りの達人であるフリーマンが姿を現し、零夜達に近付いてきたのだ。

「ようこそ、準決勝の会場であるグラディアスへ!私がフリーマンだ!」
「フリーマン……あっ!エムール様が話していた変態男じゃないか!」

 フリーマンの自己紹介を聞いた零夜は、彼の事を思い出してしまう。ミミ達も後ずさってフリーマンから距離を取り、ヒューゴ達は唖然としながら彼を見ていた。

「ほう。エムールから話は聞いているみたいだな。さあ、君もふんどし踊りをやってみようじゃないか!」
「誰がするか!こんな踊りをしたら、恥ずかしさで外も歩けなくなるわ!」

 フリーマンの誘いに対し、零夜は大声でツッコミ叫ぶ。こんな踊りなんか覚えてしまったら、バカになってしまうのも時間の問題と言えるだろう。
 するとトキコがフリーマンに近付き、真剣な表情で彼を睨みつけていた。こんな事をしている場合ではないと判断しているのだろう。

「フリーマン?そろそろ案内を……」
「そうだな。では、会場に案内するとしよう。付いてきたまえ」

 フリーマンはすぐに現在の状況を確認し、零夜達を連れて試合会場へと向かい出す。彼の案内で問題なく進む事が出来たが、モンスター達が引いている光景には唖然とするしか無かった。モンスター達の様子を見れば、あんな変態男には近付きたくないのだろう。

 ※

「着いたぞ!ここだ!」

 数分後に目的地にたどり着き、零夜達はフリーマンが指差す方を見る。目の前には大きなバトルコロシアムが建てられていて、そこから熱気が十分に伝わっているのだ。

「ここが……準決勝の試合会場か……」

 零夜は真剣な表情でバトルコロシアムに視線を移していて、隣にヒューゴが彼の肩を叩く。彼もまた真剣な表情をしていて、この戦いに臨んでいるのだ。
 
「その通り。この会場こそブレイブスタジアム。グラディアスの最大闘技場と言われていて、多くの戦いが繰り広げられていた。魚闘士と網闘士、猛獣との戦い、更には公開処刑までも……」
「最後の方は言わないで!怖がるから!」

 ヒューゴの説明を聞いたミミ達は公開処刑に反応してしまい、思わずガタガタ震え始めてしまう。彼女達は怖い話は苦手であり、その映画などを見ただけで逃げ出してしまうのだ。

「ご、ごめん……だが、この試合で戦うのは確かだ。今まで以上に激しい試合も予測されるし、意地と意地のぶつかり合いがメインとなるだろう」
「その通りだ。このバトルオブスレイヤーは一筋縄ではいかない戦いとなるが、ここにいる皆は誰もが諦めずに最後まで立ち向かう覚悟がある」

 ヒューゴと風子の説明に零夜達も同意し、気を引き締めながらブレイブスタジアムに視線を移す。決勝に進む為にも負けられない一戦である以上、全力を尽くして戦う事が大前提となるだろう。

「確かにそうですね。では、参りましょう!」

 零夜達はそのままブレイブスタジアムに向けて歩き出し、最大の戦いへと身を投じ始める。これまで培った経験と技術を、全てぶつけ合う為に……

 ※

 それから一時間後、ブレイブスタジアムは満員となっていて、誰もがトーナメントの行く末を楽しみにしていた。しかも全ての世界に配信を行っている為、誰もがこの大会に釘付けとなっているのだ。
 控室ではミミ達が準備を終えている中、零夜は倫子を抱き締めながら落ち着かせている。すっかり試合前のルーチンとなっているこの行動は、何処からどう見ても付き合っているのかと誤解されそうな気がするが。

「むう……」

 ミミとエヴァはこの光景を見て頬を膨らましていて、アミリス達は苦笑いしながら彼女を落ち着かせている。零夜の女難はこの様子だと終わるのは何時になるのか。

「もう大丈夫!やるからには勝ちに行かへんと!」
「よし!出動開始だ!」

 零夜の合図で彼等は一斉に控室から移動し始め、試合ステージへと向かい出す。これが零夜達のトーナメントの初陣となり、彼等の成長を確かめる一戦が行われようとしていたのだった。

 ※

「さあ、まずは準決勝第一試合!メテオファルコンズ入場!」

 ステージの実況席ではラビリンがリングアナの役目を兼任していて、彼女の合図と同時に音楽が鳴り響いた。
 西口の入場ゲートから三上率いるメテオファルコンズが姿を現し、冷静な表情をしながらステージへと向かい出す。一回戦ではココアの活躍でスノーホワイトを下し、準決勝での戦いはどう繰り広げるのかに注目だ。

「続いてブレイブペガサスの入場!」

 東口からはブレイブペガサスが姿を現し、大歓声が響き渡る。彼等の活躍は既にグラディアスにも知り渡っていて、この世界にもファンが多いのが特徴。大事な初戦を無事に突破できるかが、今後の命運を分ける戦いになるだろう。

「いよいよ始まる準決勝第一試合。ブレイブペガサスVSメテオファルコンズ!共に過ごした者達との避けられない戦いが……今、幕を開こうとしています!」

 ラビリンの実況と同時に歓声が響き渡る中、ステージが光り輝きながら姿を変える。そのままステージは草原となり、凸凹の道も無くなって平面となっているのだ。

「今回のステージは草原。シンプルな試合会場となり、実力が試される戦いとなります!しかし作戦もカギとなりますので、それによって運命も変えられる事が可能です!」

 ラビリンの実況に観客席の皆が納得する中、零夜達はすぐに作戦を整えながら配置に着く。零夜、エヴァ、ソニアが攻め込み、残りは守りに専念。守備を堅めにする作戦に出たのだ。
 対する三上達も同じ作戦を取り始め、いよいよ戦いのゴングが鳴ろうとしていた。

(東。悪いが勝つのは俺達だ。この戦いでお前を超えてやる!)
(俺達は此処で立ち止まる理由にはいかない。ザルバッグを倒してアークスレイヤーを終わらせる為にも……勝つ!)

 三上と零夜は心の中で決意したと同時に、戦いのゴングが鳴り響く。準決勝第一試合が幕を開けたと同時に、観客も大歓声をしながら興奮し始めたのだった。
しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...