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両思いとは
しおりを挟む私とコールドウェルは、晴れて両思いになったらしい。と、いうのも、好きだと気付いてすぐに伝えてしまったので、片思い期間は存在しない。
だけど、今まで意識していなかった分、ドキドキする頻度は格段に上がった。今まで気にせずゴロゴロとしていた自分が恨めしい。
「最近は、あまり寝ないんだな。」
ちょっと!その指摘は失礼じゃないの。いくら何でも。
何日か前まで、この白いソファに横たわっていたけれど、今はきちんと座って本を読んでいる。
「え!そうかしら?今までそんなにグースカ寝てたかしら。私。」
「ああ。大体寝ているイメージだった。」
私のイメージがダメダメすぎない!?いいの!?そんな私でもいいの!?
目をぐるぐると回す私は、顔が赤いだろう。チラリとコールドウェルを盗み見ると、コールドウェルもこちらを見た。そして、クスリと笑った。
「わ、笑ったー!」
「クククククッ。いや、この間まで足を放り出して寝ていた奴とは思えなくてな。」
コールドウェルは、笑いを我慢するように笑う。悔しいけど、そんな顔も可愛い。でも確かに、足丸出しで寝てたことを思い出すとかなり恥ずかしい。コールドウェルがブランケットをかけてくれなければ、パンツ丸出しだったかもしれない。
「まあでも、こちらとしては、気にしてくれて助かる。」
「え?」
「こちらはフローリーが寝ている間、足を動かすたびに気が気じゃなかったんだからな。」
少し頬を赤らめて話すコールドウェル。こちらまで赤面してしまうじゃないの。コールドウェルは、いつ私を好きになったんだろう。
「そういえば、今週末のベッツェンキーは行くか?」
「ええ、エヴァと行く予定よ。」
「そうか。」
ベッツェンキーとは学校の近くの商業地で、月に1度だけ行くことが許されている。
それが、今週末なのだ。
コールドウェルは少し考えた。
「その予定が終わった後、俺に時間をくれないか。少しで良い。」
「え。」
「一緒に行きたいところがあるんだ、二人で。」
「ええ!分かったわ。エヴァとの予定が終わった後に合流しましょ。」
コールドウェルとの関係はまだ誰にも言っていない。コールドウェルも誰にも言っていないという。エヴァに何て言おうかな、と考えた。
けれど、コールドウェルがいつも以上に優しいトーンで初めてのデートに誘ってくれて、しかも、意地悪く笑うのではなくて、穏やかに笑ってくれるものだから、心臓がキュンと締め付けられた。
両思いって、何だか不思議だ。
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アルファポリス公開日 2024/10/21
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