それぞれの愛の形 俊平と悠祐

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それぞれの愛の形

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『ゆークン!ぼく大きくなったら ゆークンのお嫁さんにしてね』
『俊平 男同士は結婚できないんだぞ。でも 特別に俺は俊平をお嫁さんにしてやる。男同士の約束だ』
20年前 まだ5歳だった俺は 7歳の悠祐と 可愛らしくも愚かな約束をしていたらしい。

記憶にはないが。

※※※※※※※

「俊平 ただいま。お利口にしてたか?」

…25歳の男に27歳の男がかける言葉だろうか?
いや。違うと思う。
それでも悠祐は週に1度はその言葉と共に玄関を入ってくる。
だから俺も こう答える。

『ゆークン おかえり。ぼく お利口にしてたよ』

それが二人の間の合図だからだ。
悠祐はセックスの時 俺を子供のように甘やかしたがる。

パソコンデスクに座ったままの俺が悠祐を見上げると額に甘い口づけが落とされる。
正直それだけで俺の中心は熱を持ち頭を擡げ始める。
そんなことをお見通しの悠祐はネクタイを緩めると俺を横抱きにしてベッドルームへと歩みを進める。
ベッドに下ろされれば この後を期待して 俺の中心はズクリと濡れる。

「お利口にできて偉かった俊平には御褒美だな」

右側の口端を少しだけ上げて悪い顔で笑う悠祐は  すぐに俺の服を脱がしにかかる。
赤子の着替えをする母親のように ゆっくりと全てを脱がされる間にも施される愛撫は 俺を更に煽り立てる。

耳殻から首筋へ刷毛を滑らすように唇が降りていく。
鎖骨から胸の突起にかけては執拗なまでに嬲るくせに。
片手で器用にローションのボトルを開けると指先で馴染ませるように温め俺の後孔の入口を丹念に撫でる。

「俊平のここは いつになっても綺麗なままだ」

そこに悠祐の視線を感じる。吐息を感じる。
悠祐に開発された俺の体は  それだけで果てそうになる。
そんな俺の中心をギュッと握った悠祐は

「まだイっちゃダメだよ。俊平。俊平はお利口だからガマンできるよね」

酷なことを言う。

「ゆークン!ぼく もう出したい!出させて!」

早くも射精欲に支配された俺は悠祐に懇願する。

「早く出してしまったら 辛いのは俊平だよ。もう少しガマンしようね」

そう言われてしまえば 頷く他の選択肢は俺にはない。
黙って頷く俺に悠祐は蕩けそうな笑顔で

「俊平はいい子。いい子にはたくさん ご褒美だな。」

言いながら 俺の後孔をゆっくりと解していく。
少し節の高い長い指は 入口の少し奥の痼を掠めながら俺を昂らせていく

ご褒美と言うには あまりに焦れったい甘い刺激に俺の腰はゆるゆると動き出す。

慎重に指を三本まで増やした悠祐に堪らず俺は懇願する。

「悠祐 もう入れてぇ」

自分では反吐が出そうな甘い声が悠祐を呼んでしまう。

「俊平はホントに お利口だな。可愛くおねだりできて」

情欲を隠さない悠祐の瞳に映るのは 同じような目をした俺だった。

そんな俺に見せつけるように 悠祐は何度か自分のモノを扱くと ゆっくりと俺の後孔にあてがう。

すっかり悠祐のカタチを覚えた俺の中は 誘い込むように悠祐を食んでいく。

俺よりも俺の体を知っている悠祐は 先程の焦らすような愛撫からは想像できないほど的確に俺の中の痼に照準を定め狙ってくる。

んっ あぁっ  あっ いやっ

意味をなさない音の羅列が俺の口から絶え間なく漏れ始めると 悠祐は腰の動きを早める。

「俊平 見ててあげるから 前を触らずにイってごらん」

耳元で囁かれれば 俺はもう我慢できない。

「あっ  あっ 悠祐  ぼく  イクから。イクから見てて」

刹那 俺は白濁を飛び散らす。

それでも悠祐はスピードを落とすことなく 俺の中の痼を攻め続ける。

「あっ   あっ  悠祐  ダメ  出ちゃう  出ちゃうからダメ」

絶頂を極めたはずの俺を 悠祐は更に追い込んでいく。

「俊平  もっとできるよな。俊平はお利口だから。さあ  もっと出してごらん」

先程 白濁を飛ばした俺のそこは今度は透明の液体を勢いよく 撒き散らす。

「俊平 上手にできたな。お利口さんだ。お利口さんには ご褒美だ。一番奥に出してやる。」

傲慢なはずの そんな悠祐に俺は抗うことはできない。
俺も そうして欲しいと望んでいるのだから。

悠祐の動きに合わせるように 自分の中が蠢くのがわかる。
眉間に皺を寄せた悠祐は俺の中で一際大きくなり爆ぜた。

息をあげることもなく 俺に秀麗な笑顔を向ける悠祐が  いつもと同じ言葉を紡ぐ

「さぁ 俊平。我慢しないで出してごらん。ちゃんと見ててあげるから。」

そう。悠祐は俺の排泄行為を見るのが好きだ。
白濁も  透明の液体も  そして  薄い琥珀色の液体も。
俺がそれらを排泄する瞬間に興奮するらしい。

そして 俺も。
その行為を悠祐に見られるのが好きだ。

「悠祐  見てて。」

悠祐の目を見ながら 俺はベッドに仰向けのまま膝を立てる。
立てた膝は悠祐の手により拡げられ固定される。

ショロショロと頼りない音を立てながら漏れ出したそれは  やがて勢いよく  悠祐の手と俺の脚を濡らしていく。

音が止むと  さも愛おしそうに濡れた俺の中心を悠祐の熱い舌が舐めとっていく。

「俊平  今日も上手だったね。偉かったよ。」

言いながら 俺の体を横抱きにして 浴室へと向かう。

「俺が中に出したものを 掻きだそうね。」


そう。悠祐は俺の排泄行為を見るのが好きだ。

最後はシャワーで俺をキレイしながら 後孔から悠祐の白濁を排泄するのを見るのだ。

指で掻き出され シャワーのお湯を流し込まれ 最後に俺が息んで後孔から 少し濁ったお湯が排泄されるのを恍惚の表情で眺めている。

20年前の愚かな約束は違った形で果たされたのかもしれない。
互いに互いを得たのだから。

見たい悠祐と 見られたい俺。
これからもずっと  この関係が続くのであろう。
それは互いに疑うことのない決定事項のようなものだ。

愛の形は人それぞれだろう。俺たちのそれは少し特殊なのかもしれない。
特殊だからこそ 出会えた奇跡を幸運に思う。

特殊であろうと  なかろうと  これが俺たちの愛の形なのだから。




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