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2章
14.弐の舞
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……目を覚ました私の視界に最初に移るのは、最近見慣れるようになった天井。
私が済んでいる部屋。
「起きたようだね」
部屋に入ってきたのはリーザさんだった。
「リーザさん? ……ここは、私の……っ!」
起き上がろうとするも身体が思うように動かせない。
「無理しない方がいい。3日も寝たきりだったんだから」
「3日……そうだ、私たち」
森でゴブリンの群れに襲われて……。
「君たちがクエストに出かけてすぐ、あの森にゴブリンが巣を作っているという話が入ってね。丁度討伐に来た王国騎士団が襲われている君たちを見つけたんだ」
「アイラ……アイラは無事なんですか!?」
「……実際見た方が早いか」
私の言葉にリーザさんは表情を暗くするだけで何も答えない。
「アイラ……?」
リーザさんに案内されてアイラの部屋に入ると、そこには全身包帯まみれで痛ましい姿になっているアイラの姿が。
「体中に複雑骨折多数。……もって数日だそうだ」
「そんな……何とかならないんですか!」
「ギルドの声かけで集まった治癒師数人がかりで治療しても、どうにもならないそうだ」
そういうとリーザさんは部屋を出ていった。
私たち二人きりにしてくれたみたい。
その時アイラが意識を取り戻した。
「アイラ!?」
「お嬢様……? ご無事で、よかった、です……」
意識を取り戻したアイラは、すぐさま起き上がろうとする。
「すぐに……夕食のご用意……いたし、ますね……」
「酷いけがなんだから、まだ横になっていなさい」
「いえ……そういう、わけには……参りません」
そういうとアイラはまた意識を失ってしまう。
『舞踊家』なら何とか……
そう考えた私は日舞を踊る。
《ギフト『舞踊家』壱の舞――『力』》
確かにギフトは発動している……しかしアイラの怪我が治る気配がない。
どうして……どうして治らないのよ……
どうして『舞踊家』なの……
『聖女』だったらアイラを治せるのに……
――そんな私の中に前の私の記憶が突然思い浮かんだ。
「次期家元になるからには、我が家だけでなく他家の流派のことも知っておく必要があります」
母はそう言うと、他家の流派の映像を見ながら流派の成り立ちや特徴について教えてくれる。
「一説には、この踊りを観たものは、身体の怪我が一瞬のうちに癒えたとか……」
そのことを思い出した私は、見よう見まねで映像の振りを踊る。
映像のように大まかな振りだが、それでいて動作一つ一つに力の入った踊りを……
《ギフト『舞踊家』弐の舞――『癒』》
サーシャの踊りに反応してギフトが発動した。
サーシャを中心に光が部屋中に広がったかと思うと、その光は段々とアイラに向かって集まっていく。
光がアイラを包み込むと、アイラの傷が徐々に治っていき……サーシャが踊りを終えると同時に光も消滅したが、その時にはアイラの傷は綺麗に治っていた。
「アイラ!?」
「……温かいものが……お嬢様が私を包み込んでくれるような……」
「よかった……本当に、良かった……」
アイラの傷が治ったことを確認した私は、そこで身体に力が入らなくなってその場で意識を失った。
「お嬢様!?」
「……さっきの魔力は一体……って嘘だろ……」
サーシャの魔力に気付いて部屋に入ってきたリーザが見たのは、怪我一つなく元気な様子のアイラが、意識を失っているサーシャの姿をみてオロオロしているというもの。
「あれだけの傷が一瞬で……まさか、サーシャのギフト……?」
私が済んでいる部屋。
「起きたようだね」
部屋に入ってきたのはリーザさんだった。
「リーザさん? ……ここは、私の……っ!」
起き上がろうとするも身体が思うように動かせない。
「無理しない方がいい。3日も寝たきりだったんだから」
「3日……そうだ、私たち」
森でゴブリンの群れに襲われて……。
「君たちがクエストに出かけてすぐ、あの森にゴブリンが巣を作っているという話が入ってね。丁度討伐に来た王国騎士団が襲われている君たちを見つけたんだ」
「アイラ……アイラは無事なんですか!?」
「……実際見た方が早いか」
私の言葉にリーザさんは表情を暗くするだけで何も答えない。
「アイラ……?」
リーザさんに案内されてアイラの部屋に入ると、そこには全身包帯まみれで痛ましい姿になっているアイラの姿が。
「体中に複雑骨折多数。……もって数日だそうだ」
「そんな……何とかならないんですか!」
「ギルドの声かけで集まった治癒師数人がかりで治療しても、どうにもならないそうだ」
そういうとリーザさんは部屋を出ていった。
私たち二人きりにしてくれたみたい。
その時アイラが意識を取り戻した。
「アイラ!?」
「お嬢様……? ご無事で、よかった、です……」
意識を取り戻したアイラは、すぐさま起き上がろうとする。
「すぐに……夕食のご用意……いたし、ますね……」
「酷いけがなんだから、まだ横になっていなさい」
「いえ……そういう、わけには……参りません」
そういうとアイラはまた意識を失ってしまう。
『舞踊家』なら何とか……
そう考えた私は日舞を踊る。
《ギフト『舞踊家』壱の舞――『力』》
確かにギフトは発動している……しかしアイラの怪我が治る気配がない。
どうして……どうして治らないのよ……
どうして『舞踊家』なの……
『聖女』だったらアイラを治せるのに……
――そんな私の中に前の私の記憶が突然思い浮かんだ。
「次期家元になるからには、我が家だけでなく他家の流派のことも知っておく必要があります」
母はそう言うと、他家の流派の映像を見ながら流派の成り立ちや特徴について教えてくれる。
「一説には、この踊りを観たものは、身体の怪我が一瞬のうちに癒えたとか……」
そのことを思い出した私は、見よう見まねで映像の振りを踊る。
映像のように大まかな振りだが、それでいて動作一つ一つに力の入った踊りを……
《ギフト『舞踊家』弐の舞――『癒』》
サーシャの踊りに反応してギフトが発動した。
サーシャを中心に光が部屋中に広がったかと思うと、その光は段々とアイラに向かって集まっていく。
光がアイラを包み込むと、アイラの傷が徐々に治っていき……サーシャが踊りを終えると同時に光も消滅したが、その時にはアイラの傷は綺麗に治っていた。
「アイラ!?」
「……温かいものが……お嬢様が私を包み込んでくれるような……」
「よかった……本当に、良かった……」
アイラの傷が治ったことを確認した私は、そこで身体に力が入らなくなってその場で意識を失った。
「お嬢様!?」
「……さっきの魔力は一体……って嘘だろ……」
サーシャの魔力に気付いて部屋に入ってきたリーザが見たのは、怪我一つなく元気な様子のアイラが、意識を失っているサーシャの姿をみてオロオロしているというもの。
「あれだけの傷が一瞬で……まさか、サーシャのギフト……?」
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