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魔物の巣を叩け!②

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ハンスがダンジョンに戻って来て
次のフロアへの階段を探すことになり、オレ達3人が前衛に立つ事になった。

「そういえばアンタ達!前にあった時に比べたら随分とマシになったじゃない
里での修行の成果が出てるんじゃないの
とは言っても、まぁ私から見たらまだまだ
ヒョッコだけどね
そうだ、アンタ達さぁ前衛頼んでも良いかしらアンタ達にとっても今後いい経験になると思うし」

メルサローナの後ろにいたロディマスがオレ達の方へ振り向いて申し訳なさそうにオレ達を見て来た。
オレは彼女の発言に正直腹が立ったがクリフさんはそれに気付いたのかすぐにオレのわき腹にヒジを突き刺して来た。
スッゲー痛ぇっ!!

「さすがはメルサローナ殿だ!よく見ておられる。
うむっ!私達はかまいませんが!なぁっヨッシー、綾矢君」

ガサっ!!

そこへ魔物供が背後から襲って来た。

おおきな茶色い昆虫のような魔物と大鼠数匹がいつのまにやらオレ達を囲んで
いかにも魔法使いのような格好をしたトカゲと虎がすでに魔法を唱えている。

 氷結弾魔法 フリーズブリッド

 炎球魔法 ファイアボール

魔物供の魔法が発動したがメルサローナが素早く前衛に立ち、

 土壁魔法 アースウォール

彼女の唱えた土の壁が炎と氷を相殺してくれたので後はクリフさんが弓を構えて能力 スキル「チャージショット」を放つが虎の魔物は咄嗟にかわした。

そこへロディマスに速度上昇魔法ブーストをかけてもらったハンスが素早く間合いに入り込んで

「双龍破っ!!」

二回連続攻撃スキルでトカゲと虎の魔法使いを斬り伏せた。 ハンスいいね✌︎

ハンスの背後からオレとクリフさん、ヨッシーが走り出し大鼠供を斬り伏せて行き、でかい昆虫供はロディマスとルーノがなんとか抑えているところをオレ達が早駆けで素早く駆け寄って煙玉を投げ、魔物供の注意をこちらに向けさせて引き付けた時、ロディマスが自身に速度上昇魔法ブーストをかけ、オレ達の横に並んで来たのだ。

「なんだっコソコソと動き回るのがお前らの専売特許だとでも思ったのか?ワシでもコレくらいはできるぞい」

「なかなかの素早さだなロディマス殿!ならこういうのはどうかな」

クリフさんは装備を弓に変えてメルサローナの所へ走り出し、それに気付いた彼女も弓を構えて待っている。

「左右から走りながら連続射撃っていう考えかい?」

「私の考えでは魔法弓術で行くつもりなんだがね」

メルサローナはクリフを少し見つめてから頷き、

「いいねっ!!アンタの実力をしっかりと見せてもらおうじゃないの」

2人は反対方向に走り出しながら弓を引いている。
左右から飛んで来る矢のまえに昆虫の魔物供はなす術もなく
彼等の飛ばす矢の的でしかなかったのだ。
結局クリフは魔法弓術を使う事なく魔物供を仕留めた

「アンタ確かクリフっていったっけ
大した弓捌きじゃないか!さっきの私の発言はすまなかったねえ。どうやらアンタらは本当に強くなったようだね」

「オイっ自分ら何してんねん!!ルーノがハチの魔物供に囲まれてんで!」

オレ達とメルサローナはルーノの方へ振り向くと
ハンスがルーノの所へようやくたどり着き、ハチ供を薙ぎ払っていた所にリカントが3匹、大きなハエの魔物4匹と狼を5匹連れてあらわれた。

ガサっ

オレ達の周りに山鼠6匹、角モグラ6匹、毒キノコの魔物が5匹、そしてカメレオンの魔物が5匹現れた。

オイオイこれはまずいと思った時、

何処からともなく声が聞こえた。

『有馬綾矢アリマリョウヤの所持アイテム眷属化ティムの指輪の影響により、新たなスキル獲得の条件を満たしました。』ってコマンドが出てきた。

何か「眷属召喚」ってのを憶えたらしい

はいorいいえのコマンドではいを選択した。

『確認しました。眷属召喚サモニング獲得・・・成功しました』


んじゃさっそく使ってみるかな

「眷属召喚サモニング」

すると召喚対象の眷属達の名前が出て来たので
リンクを呼び出さ事にした。

オレの目の前に光のつぶが舞い出して突然、右手にビスケット左手にティーカップを持ったままテーブルに座っていた様な体勢をとったリンクが出現したのだ

「コレは我が君ではないですかな?
どうなされました。」

「えっごめんリンクもしかして休憩中とかだった?」

「ええまぁこの時間はいつもティータイムだったのですが
まぁ構いませんよ。して何の様でしょうかな?」

「すまん!リンク悪いけどここにいる魔物供を仕留めるので
手伝ってくれねぇかな」

「急に呼んでごめんやけどワイからもたのんますわ」

ヨッシーと、オレが手を合わせて頼み込むと
リンクはオレらを見て頷き
持っているサーベルを掲げ、強烈な光を発した。

まるで時が止まったかのようにその場にいた者達は皆その白銀の光の方へと振り向き、その神々しい光を見つめていた。

「魔物供よ今ならまだ見逃してやる
20秒数える間にこの場から立ち去るがよい
もしもこの場に残るならば我が聖剣にて後悔する暇も与えず斬り伏せてくれようぞ」

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