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二十一章
Ⅱ
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求婚。番いになることを要求して、それを受け入れること。または夫婦になる前の儀式。誓約。種族によってやりかたは違うんでしょうけど、大体そんな認識でいいのでしょう。
両親が酔ったとき。姉が持っていた本で教わって。同年代の女の子達がどんな人にどんな方法でされたいか盛り上がっているとき。私はイメージができませんでした。他の方々が嬉しそうに、憧れるような表情をしていても、不思議がっているだけでした。
発情した魔物や動植物と違って、あらゆる種族の婚姻には恋愛感情が必要です。立場や地位、身分によっては必要ないのでしょうが、普通は好きではない殿方との性行為も、繁殖もしたくないでしょう。
私には人を好きになったことがありません。これまでは。それでいいとおもっていたのです。別に惚れたはれたなんて無縁で自分一人で生きていける力はありますし。
最近は種族や立場、身分によって自分の感情がしっちゃかめっちゃかになって。でもすっきりと割り切れて。これからまた元通りだと安心してました。
けど、いつか来る日のために、好きだという感情を理解しなければいけないのだと、覚悟をしていました。いつか来る日は漠然としすぎた遠い未来で、私の主が夢を叶えるまでゆっくりのんびりと理解できていけばいい。
悠長にも、そうおもっていたのです。
「ただの奴隷と主じゃ、いやだ」
そうおもっていたのに。
「結婚してくれ、ルウ」
私の主、ユーグ様が真剣な面持ちで、トマトと同じくらい真っ赤になりながら、指輪を差しだしていています。体勢、台詞、行為の意味に面を喰らいました。
「俺と夫婦になってくれ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
私、求婚されている? なんで? 今? どうして?
「えっ。えっ。えっ。え?」
いや。
いやいや。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。
なんで今なんですか?
ご主人様が私のことを好きで、そのために色々と頑張っていて、私のために世界すら変えれる魔道士になる! と決意したのは嬉しかったですが。
嬉しかったですが!
唐突すぎるでしょ? いくらなんでも。私達まだ恋人同士ですらないんですよ? ご主人様無職ですよ? 住む場所も仕事も魔道士になれるかどうかすら怪しいんですよ?
それなのになんで求婚できるんですか?
頭おかしい。
この人と出会ってから一番、猛烈にこの人の壊れ具合を痛いほど実感させられるとは。
ここで求婚を受け入れられない理由は山ほどあります。なのに、私はそれを説明できません。
心臓が痛くて。熱くて。その熱さがとても心地よくて。体もどこかおかしいくらいに反応してしまって。恥ずかしくて。
そして、嬉しくて。
頭では断らなければいけないとわかっているのに理性と本能がせめぎあっていてなにもできません。
「もう一度、聞いてくれ」
ご主人様が、更に近づいてきます。お顔が近づいてきます。それだけで顔が破裂するほど熱くなって心臓が更に痛くなって。ユーグ様がこれ以上近くなると、どうにかなってしまいそうで。こわくて、後ろに退がりました。
「俺と主と奴隷以上の間柄になってくれ」
もう逃げられません。ご主人様の吐息が、声が、いつも以上にたくましく男らしくて。
あれ? 私のユーグ様ってこんなにかっこよかったっけ? と疑問におもってもしまって。
「あ、」
「あ、ありがとうございます・・・・・・嬉しいです」
いつの間にか、そう口走っていました。
両親が酔ったとき。姉が持っていた本で教わって。同年代の女の子達がどんな人にどんな方法でされたいか盛り上がっているとき。私はイメージができませんでした。他の方々が嬉しそうに、憧れるような表情をしていても、不思議がっているだけでした。
発情した魔物や動植物と違って、あらゆる種族の婚姻には恋愛感情が必要です。立場や地位、身分によっては必要ないのでしょうが、普通は好きではない殿方との性行為も、繁殖もしたくないでしょう。
私には人を好きになったことがありません。これまでは。それでいいとおもっていたのです。別に惚れたはれたなんて無縁で自分一人で生きていける力はありますし。
最近は種族や立場、身分によって自分の感情がしっちゃかめっちゃかになって。でもすっきりと割り切れて。これからまた元通りだと安心してました。
けど、いつか来る日のために、好きだという感情を理解しなければいけないのだと、覚悟をしていました。いつか来る日は漠然としすぎた遠い未来で、私の主が夢を叶えるまでゆっくりのんびりと理解できていけばいい。
悠長にも、そうおもっていたのです。
「ただの奴隷と主じゃ、いやだ」
そうおもっていたのに。
「結婚してくれ、ルウ」
私の主、ユーグ様が真剣な面持ちで、トマトと同じくらい真っ赤になりながら、指輪を差しだしていています。体勢、台詞、行為の意味に面を喰らいました。
「俺と夫婦になってくれ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
私、求婚されている? なんで? 今? どうして?
「えっ。えっ。えっ。え?」
いや。
いやいや。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。
なんで今なんですか?
ご主人様が私のことを好きで、そのために色々と頑張っていて、私のために世界すら変えれる魔道士になる! と決意したのは嬉しかったですが。
嬉しかったですが!
唐突すぎるでしょ? いくらなんでも。私達まだ恋人同士ですらないんですよ? ご主人様無職ですよ? 住む場所も仕事も魔道士になれるかどうかすら怪しいんですよ?
それなのになんで求婚できるんですか?
頭おかしい。
この人と出会ってから一番、猛烈にこの人の壊れ具合を痛いほど実感させられるとは。
ここで求婚を受け入れられない理由は山ほどあります。なのに、私はそれを説明できません。
心臓が痛くて。熱くて。その熱さがとても心地よくて。体もどこかおかしいくらいに反応してしまって。恥ずかしくて。
そして、嬉しくて。
頭では断らなければいけないとわかっているのに理性と本能がせめぎあっていてなにもできません。
「もう一度、聞いてくれ」
ご主人様が、更に近づいてきます。お顔が近づいてきます。それだけで顔が破裂するほど熱くなって心臓が更に痛くなって。ユーグ様がこれ以上近くなると、どうにかなってしまいそうで。こわくて、後ろに退がりました。
「俺と主と奴隷以上の間柄になってくれ」
もう逃げられません。ご主人様の吐息が、声が、いつも以上にたくましく男らしくて。
あれ? 私のユーグ様ってこんなにかっこよかったっけ? と疑問におもってもしまって。
「あ、」
「あ、ありがとうございます・・・・・・嬉しいです」
いつの間にか、そう口走っていました。
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