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執事と伯爵と白猫

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本編の『執事と白猫』の続きのようなお話です。
執事セバスチャンとジェダのらぶらぶっぷりに、伯爵が嫉妬しないわけがない、というお話です。変態伯爵とS猫ジェダでも大丈夫!! という方のみお読みください。
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 ある日のこと。
 忙しい執務の合間を縫って愛しいジェダに会うためにクレス島にやって来たエドワードは、自分の執事の膝の上でごろにゃーんと甘えるジェダの姿に、絶句した。
 そして、叫んだ。
「ちょっ!! ジェダ君!! どうしてセバスにだけそんな甘ーい可愛ーい顔をするんだい!?」
 そ、そんな甘くとろけるような顔、見たことない。
 見たことないよ!! とエドワード。
「だって、セバスチャンさん優しいにゃ」
 ジェダは恐縮するセバスチャンの膝の上で、ツンとすます。
「私だって!! 私だって君が望むならなんだってするよ!?」
「だって、セバスチャンさん猫のツボを熟知してるのにゃー。ブラッシング、とっても気持ち良くってふにゃーってなっちゃうのにゃ」
 ふにゃーと顔を蕩けさせるジェダに、エドワードは嫉妬と羨ましさで胸が破裂しそうだった。
「なななななななっ!! わ、私だって喜んでブラッシング…」
「それにぃ…」
 ジェダはとんっとセバスチャンの膝から降りる。
 そしてつかつかと、這いつくばって悔しげに拳で床を叩くエドワードに近付くと、
 「!?」
  ぐいっとその肩を踏みつけて、言った。

「伯爵は、デレな僕よりツンな僕の方が好きでしょ?」

 にっこりと、Sッ気全開の魅惑的な笑みを浮かべて。

「…あ、ああっ!! 好きだ!! ツン!! ツン万歳!! 愛してるよジェダ君!!」


 そう。この白猫はとても計算高い猫なのです。

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