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第38話 リクエスト番外編・婚前旅行で温泉デート!?①
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「わあ……!凄い……!」
高台に建つ豪華なお屋敷のテラスから、私とアドリアン王太子は、眼前に広がる夕焼けを眺めていた。
目の前に遮るものが何もなくて、眼下に見下ろす町の人々が、夕焼けに見惚れながら家路についていく。
不思議と泣きたくなるような気持ちになるのは、なんでなんだろうな?
肌を撫ぜる心地の良い、ほんの少しだけ昼間の気温を残した涼やかな風に切なくなる。
誰かに抱きしめられたいような、そんな気持ちになりながら、私はその美しい光景を眺めていた。──すると、突然後ろから、私のお腹をギュッと抱きしめる腕。
「どうだ?素晴らしい景色だろう?」
「アドリアン……!?
ちょっと、何してるの?
人が見て……!!」
「誰もいないさ。私たちの他にはな。それに抱きしめられたそうな顔をしていた。」
そう言って、私の肩に顎を乗せてくる。
「従者は付いて来てるじゃないですか!」
「あれは空気のようなものだ。気にすることはない。将来の王の妻になったんだぞ?君もこういうことには慣れてもらわないとな。」
「っ……!」
私は今、王家の冬の静養離宮にやって来ていた。迷惑をかけたから、ということで、王さま直々に、ここを使う許可を下さったの。
あのハーネット令嬢の追放劇から半月。
ここは乙女ゲームの中だけあって、3年生の卒業が日本と同じ時期なんだよね。
だから卒業ダンスパーティーは、毎年年末近くにやっていて、それが終わるとスペルミシア学園は、冬休みに突入するのだ。
アドリアン王太子は新年は他の王族とともに、貴族の新年の挨拶を受ける為に、必ず新年会に出席しなくちゃならないから、その前に少しゆっくりするといいと招待を受けた。
ここは建物の中と外に温泉がついていて、そこにアドリアン王太子と2人きり──というていで、従者は大勢ついてきている──の婚前旅行、というわけなの。
確かにアドリアンが王太子になってしまったことで、婚約者の私も王太子妃としての教育を受けることになってしまったし、王族ともなると、常に2人きりになるというのが難しいのはわかる。わかるんだけど……!
「は……!恥ずかしいから……!」
そもそも、誰も見てなくても恥ずかしいのに、常に誰かに見られた状態でイチャイチャするなんて、これは一体何プレイ!?
「ああ……。そういう顔をしないほうがいいよ。むしろ君に意地悪をしたくなってくる。
アデルは私を煽るのが上手だね。」
後ろから私の右手を握って、上からかぶせるように恋人つなぎに絡めてくるアドリアン王太子。スリスリと私の指を、指の腹で撫でながら、私の首筋にキスしてくる。
「あ……、煽ってるとか……。
そんなつもりありませんってばぁ!」
ガッチリとホールドされているお腹の腕を外そうとするも、びくともしない。
「君が恥ずかしそうにしてるとね。なぜだかいじめたくなってしまうんだよね。
困ったものだね。」
そう言っていたずらっぽく囁いてくる。
「ひ……、人前じゃなきゃいいって、いつも言ってるじゃないですかあ!」
「おや?人前じゃなかったら、何をするかわからないよとも言った筈だよ?」
私が抵抗すると、いつだってこういう言葉が返ってくる。はっ……。恥ずかしいぃい!
私だってアドリアン王太子とそういうことをしたくないわけじゃないけど……。
アドリアン王太子は王族だから、見られることに慣れてるのかも知れないけど、私はそもそも見られることにも慣れてないし、こういうことにも慣れてないんだってばあ!
「それにしても、アデルの星読みの聖女としての能力を開花させる目的もあるとはいえ、婚前旅行とは、父上もなかなか粋なことをなさる。おかげでこうして堂々と親公認でアデルとイチャイチャ出来るというものだ。」
「え?この旅行って、そういう目的もあったんですか?てっきりお詫びだとばかり……。」
少しだけ抱擁に慣れつつ尋ねる。
「そりゃあもちろんだよ。先日の出来事に関するお詫びだけが目的であれば、兄上の元婚約者殿をお誘いしないのは、不自然だろう?
私たちしかいないのはそういうわけだ。」
「な……なるほど……。」
確かにお詫びなら、ハーネット令嬢に婚約者を奪われて、婚約破棄になった他の令嬢たちや、特に元王太子殿下のトリスタンさまの元婚約者の令嬢を呼ばないのは不自然ね。
「君の能力の開花条件が、私とイチャイチャすることだというのは、父上も母上に聞いて知っているからね。より親密になれるよう、ここを用意してくれたということかな。」
「そ……、そうだったんですか。」
「まあ、もちろん、私が君に羽目を外しすぎないという信頼のもとにおいてだけれどね。
あまり信用されるのも辛いものだね。」
「羽目を外し過ぎない?……今既に、だいぶはっちゃけていらっしゃるような気がするのは、気の所為ですか?」
私は軽くアドリアン王太子を睨む。
「おやおや、君は、婚前交渉という言葉の意味を、知らないように見受けられるね?婚前旅行の目的なんて、そういうことだよ?」
「こっ……!!こここ、婚前交渉って!」
ここで最後までしようって言うの!?
確かにロマンチックで素敵なとこで、こういうところなら悪くないなって考えたけど!
────────────────────
こちらのサイトでイチャイチャが見たいとリクエストいただいたので、番外編です。
こういうシチュエーションが見たい、などありましたら、リクエストいただければ書きますのでコメント下さい。
ちなみに書きたてホヤホヤです。
高台に建つ豪華なお屋敷のテラスから、私とアドリアン王太子は、眼前に広がる夕焼けを眺めていた。
目の前に遮るものが何もなくて、眼下に見下ろす町の人々が、夕焼けに見惚れながら家路についていく。
不思議と泣きたくなるような気持ちになるのは、なんでなんだろうな?
肌を撫ぜる心地の良い、ほんの少しだけ昼間の気温を残した涼やかな風に切なくなる。
誰かに抱きしめられたいような、そんな気持ちになりながら、私はその美しい光景を眺めていた。──すると、突然後ろから、私のお腹をギュッと抱きしめる腕。
「どうだ?素晴らしい景色だろう?」
「アドリアン……!?
ちょっと、何してるの?
人が見て……!!」
「誰もいないさ。私たちの他にはな。それに抱きしめられたそうな顔をしていた。」
そう言って、私の肩に顎を乗せてくる。
「従者は付いて来てるじゃないですか!」
「あれは空気のようなものだ。気にすることはない。将来の王の妻になったんだぞ?君もこういうことには慣れてもらわないとな。」
「っ……!」
私は今、王家の冬の静養離宮にやって来ていた。迷惑をかけたから、ということで、王さま直々に、ここを使う許可を下さったの。
あのハーネット令嬢の追放劇から半月。
ここは乙女ゲームの中だけあって、3年生の卒業が日本と同じ時期なんだよね。
だから卒業ダンスパーティーは、毎年年末近くにやっていて、それが終わるとスペルミシア学園は、冬休みに突入するのだ。
アドリアン王太子は新年は他の王族とともに、貴族の新年の挨拶を受ける為に、必ず新年会に出席しなくちゃならないから、その前に少しゆっくりするといいと招待を受けた。
ここは建物の中と外に温泉がついていて、そこにアドリアン王太子と2人きり──というていで、従者は大勢ついてきている──の婚前旅行、というわけなの。
確かにアドリアンが王太子になってしまったことで、婚約者の私も王太子妃としての教育を受けることになってしまったし、王族ともなると、常に2人きりになるというのが難しいのはわかる。わかるんだけど……!
「は……!恥ずかしいから……!」
そもそも、誰も見てなくても恥ずかしいのに、常に誰かに見られた状態でイチャイチャするなんて、これは一体何プレイ!?
「ああ……。そういう顔をしないほうがいいよ。むしろ君に意地悪をしたくなってくる。
アデルは私を煽るのが上手だね。」
後ろから私の右手を握って、上からかぶせるように恋人つなぎに絡めてくるアドリアン王太子。スリスリと私の指を、指の腹で撫でながら、私の首筋にキスしてくる。
「あ……、煽ってるとか……。
そんなつもりありませんってばぁ!」
ガッチリとホールドされているお腹の腕を外そうとするも、びくともしない。
「君が恥ずかしそうにしてるとね。なぜだかいじめたくなってしまうんだよね。
困ったものだね。」
そう言っていたずらっぽく囁いてくる。
「ひ……、人前じゃなきゃいいって、いつも言ってるじゃないですかあ!」
「おや?人前じゃなかったら、何をするかわからないよとも言った筈だよ?」
私が抵抗すると、いつだってこういう言葉が返ってくる。はっ……。恥ずかしいぃい!
私だってアドリアン王太子とそういうことをしたくないわけじゃないけど……。
アドリアン王太子は王族だから、見られることに慣れてるのかも知れないけど、私はそもそも見られることにも慣れてないし、こういうことにも慣れてないんだってばあ!
「それにしても、アデルの星読みの聖女としての能力を開花させる目的もあるとはいえ、婚前旅行とは、父上もなかなか粋なことをなさる。おかげでこうして堂々と親公認でアデルとイチャイチャ出来るというものだ。」
「え?この旅行って、そういう目的もあったんですか?てっきりお詫びだとばかり……。」
少しだけ抱擁に慣れつつ尋ねる。
「そりゃあもちろんだよ。先日の出来事に関するお詫びだけが目的であれば、兄上の元婚約者殿をお誘いしないのは、不自然だろう?
私たちしかいないのはそういうわけだ。」
「な……なるほど……。」
確かにお詫びなら、ハーネット令嬢に婚約者を奪われて、婚約破棄になった他の令嬢たちや、特に元王太子殿下のトリスタンさまの元婚約者の令嬢を呼ばないのは不自然ね。
「君の能力の開花条件が、私とイチャイチャすることだというのは、父上も母上に聞いて知っているからね。より親密になれるよう、ここを用意してくれたということかな。」
「そ……、そうだったんですか。」
「まあ、もちろん、私が君に羽目を外しすぎないという信頼のもとにおいてだけれどね。
あまり信用されるのも辛いものだね。」
「羽目を外し過ぎない?……今既に、だいぶはっちゃけていらっしゃるような気がするのは、気の所為ですか?」
私は軽くアドリアン王太子を睨む。
「おやおや、君は、婚前交渉という言葉の意味を、知らないように見受けられるね?婚前旅行の目的なんて、そういうことだよ?」
「こっ……!!こここ、婚前交渉って!」
ここで最後までしようって言うの!?
確かにロマンチックで素敵なとこで、こういうところなら悪くないなって考えたけど!
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ちなみに書きたてホヤホヤです。
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