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争いの跡に6話
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少しして、シェリルの肩にトントンと振動が伝わってきて振り返る。
「ダメですよ。ギル先輩、女の子はたまには大胆に攫わないと」
シェリルの腕を引っ張り、抱き寄せ頬にキスをしたこの男の名前は、ルイ。こちらは神の国の軍一つであるツインテールの低身長の男。
「んっ!??」」
「シェリルっ!!」
誰よりも早く声を上げたのは、オリビアだった。しかし、オリビアが助けに行く前にチェイスが彼女のもう片方の腕を引っ張り、奪還した。彼の胸板にすっぽりと体が収まる。上を向くと、野生動物が怒った猫の様になっていた。
「誰、あんた」
「お初にお目にかかります。僕は、ルイ=マキア。今日から、リルのフィアンセになりました」
わざとらしく『リル』と、呼び方を強調して話すルイにチェイスの怒りも貯まる。
「分かったら、そのケモノ臭い手離してあげてくれる?」
「嫌だって言ったら?」
「その隠してる耳と尻尾、切り落とす」
ルイは、腰にさしていた剣に手を置いて少しだけ鞘から、剣を抜いて見せた。
「へー・・・。やれるもんなら、やれよ」
「その度胸は買ったよ」
今にも、城の廊下の中で斬り合いが始まりそうな時だった。
「はい、ストップ」
「ルイ、そこまでだ」
チェイスの襟首を掴み上げるリアムと、ルイの肩に手を置くギルバート。
「はーい。じゃあ、続きはまた今度ね!リルちゃん」
ギルバートと並んで歩いているルイは本当の女の子の様だった。シェリルはカタカタと震えていた。そんな、彼女を見てチェイスは幼少の頃の事が、フラッシュバックする。
真っ赤に染まっている自分の手、血を流して倒れている幼い時のシェリル。その時の恐怖が蘇る。
「くん?チェ・・・くん?チェイスくん!!」
彼の名前を呼んでくれたのは、誰でもないシェリルだった。チェイスは、小さなシェリルの体を強く抱きしめた。
「大丈夫・・・あの時の俺には絶対に戻らない」
その過去を覚えていないシェリルは、彼が一体何を言っているのか良くわからなかったが抱きしめられる時のチェイスの温もりと、優しさを感じて彼女は彼に負けないくらい優しく彼の背中に腕を回して抱きしめた。
「ひゅーひゅー」
「いやぁ~若いっていいですね」
そんな二人をからかうオリビアと、リアム。咄嗟に、二人は勢い良く離れた。
「オリビア、お前ガキじゃねーんだからそういうことするのやめろよな!!」
ズカズカと、音を立てながらオリビアに近付いてくるチェイスを本日二回目の踵落としを食らわせた。
「頭が高い」
「ってぇな!!」
「アンタは、私の軍の副リーダーなの。そして、私のボディーガードなの。そこのところ分かってるの?!雑な仕事されると私に迷惑がかかることちゃんと、分かって!」
彼女の怒りも筋が通ってた。確かに、オリビアは強いしいつも凛としている。だから、守る必要はないと思っていたでも、違う彼女はオリビアを守れるのはチェイスだった。
「わりぃ・・・」
「分かったら良いわ。行くわよ」
「ああ」
そのまま、二人はリアムとシェリルに挨拶をして魔の国に帰還する。そんな、二人を見てシェリルは思うのだ。
「オリビアって・・・もしかして、チェイスくんのこと好きなのかな?」
「え?」
その言葉でまた宝物にヒビが入った音がした。
「ダメですよ。ギル先輩、女の子はたまには大胆に攫わないと」
シェリルの腕を引っ張り、抱き寄せ頬にキスをしたこの男の名前は、ルイ。こちらは神の国の軍一つであるツインテールの低身長の男。
「んっ!??」」
「シェリルっ!!」
誰よりも早く声を上げたのは、オリビアだった。しかし、オリビアが助けに行く前にチェイスが彼女のもう片方の腕を引っ張り、奪還した。彼の胸板にすっぽりと体が収まる。上を向くと、野生動物が怒った猫の様になっていた。
「誰、あんた」
「お初にお目にかかります。僕は、ルイ=マキア。今日から、リルのフィアンセになりました」
わざとらしく『リル』と、呼び方を強調して話すルイにチェイスの怒りも貯まる。
「分かったら、そのケモノ臭い手離してあげてくれる?」
「嫌だって言ったら?」
「その隠してる耳と尻尾、切り落とす」
ルイは、腰にさしていた剣に手を置いて少しだけ鞘から、剣を抜いて見せた。
「へー・・・。やれるもんなら、やれよ」
「その度胸は買ったよ」
今にも、城の廊下の中で斬り合いが始まりそうな時だった。
「はい、ストップ」
「ルイ、そこまでだ」
チェイスの襟首を掴み上げるリアムと、ルイの肩に手を置くギルバート。
「はーい。じゃあ、続きはまた今度ね!リルちゃん」
ギルバートと並んで歩いているルイは本当の女の子の様だった。シェリルはカタカタと震えていた。そんな、彼女を見てチェイスは幼少の頃の事が、フラッシュバックする。
真っ赤に染まっている自分の手、血を流して倒れている幼い時のシェリル。その時の恐怖が蘇る。
「くん?チェ・・・くん?チェイスくん!!」
彼の名前を呼んでくれたのは、誰でもないシェリルだった。チェイスは、小さなシェリルの体を強く抱きしめた。
「大丈夫・・・あの時の俺には絶対に戻らない」
その過去を覚えていないシェリルは、彼が一体何を言っているのか良くわからなかったが抱きしめられる時のチェイスの温もりと、優しさを感じて彼女は彼に負けないくらい優しく彼の背中に腕を回して抱きしめた。
「ひゅーひゅー」
「いやぁ~若いっていいですね」
そんな二人をからかうオリビアと、リアム。咄嗟に、二人は勢い良く離れた。
「オリビア、お前ガキじゃねーんだからそういうことするのやめろよな!!」
ズカズカと、音を立てながらオリビアに近付いてくるチェイスを本日二回目の踵落としを食らわせた。
「頭が高い」
「ってぇな!!」
「アンタは、私の軍の副リーダーなの。そして、私のボディーガードなの。そこのところ分かってるの?!雑な仕事されると私に迷惑がかかることちゃんと、分かって!」
彼女の怒りも筋が通ってた。確かに、オリビアは強いしいつも凛としている。だから、守る必要はないと思っていたでも、違う彼女はオリビアを守れるのはチェイスだった。
「わりぃ・・・」
「分かったら良いわ。行くわよ」
「ああ」
そのまま、二人はリアムとシェリルに挨拶をして魔の国に帰還する。そんな、二人を見てシェリルは思うのだ。
「オリビアって・・・もしかして、チェイスくんのこと好きなのかな?」
「え?」
その言葉でまた宝物にヒビが入った音がした。
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