クラスごと異世界転移して好きな女の子と一緒に別行動していたら魔王に遭遇したんですけど...

がいとう

文字の大きさ
37 / 81
第1章 俺もチートキャラになりたいんですけど…

第1章SS 『女子会』 『あいつ』

しおりを挟む
 
『女子会』


 妾達は雲龍にて夕飯を食べた後、家に帰ってきてから軽く3人でもう一度風呂に入って汗を流し、マイの部屋で共に語らっておった。
 こういうのをマイの世界では「ぱじゃまぱぁてぃー」と言うらしい。
 妾が誘ってみたのじゃが、フウマは先に寝ると言って自室に向かってしまった。
 曰く女子会に男子高校生はハードルが高いらしい。
 あやつの言う事は時々よく分からん。

 そんな事を考えておったら、ベッドの上に腰掛けておったミレイユがジュースを飲みながらマイに髪を乾かされておった妾に声をかけてきた。

「それにしても、皆さんのお家はとても豪華ですね。」
「む?そうでもないじゃろ。妾が前に住んでおった所はこの何倍もあったぞ?」
「えぇー。やっぱりミレンさんは物凄い高貴な生まれ何ですね。」
「そうね。ミレンちゃんは途轍もないお金持ちのお嬢様なのよ。」
「それを言うならマイムも中々のもんじゃろう?」

 マイの所作は長らく魔王をやっておった妾から見ても洗練されておって気品に溢れておる。
 確かに妾達魔族は大雑把な者が多いが、それでも妾は長年生きてきた為作法には詳しいはずじゃ。
 マイはこの歳でこの技量じゃし、よっぽど厳しく育てられて来たんじゃな。
 この前共に風呂に入った時もこの世界に来れて清々したって言っておったしの。

「別に私は大した事ないわ。」
「ふえぇ。私は物凄い人達とお友達になっちゃいました。」
「ふふふ。ミレイユさんは可愛いわねぇ。」
「ひゃうぅぅ。く、くすぐったいですぅ。」

 マイはこの世界に来るまでは周りの人に怖がられて友達が出来なかったと言っておった。
 ミレイユが友と言ってくれた事が嬉しかったんじゃろうな。
 若人がこうしてじゃれついておるのは微笑ましいのう。

「あら、ミレンちゃん。何一人で座ってのんびりしてるのかしら?こっちに来て遊びましょう。」
「ふむ。そうじゃの。どれ、妾もミレイユの耳を愛でてやろう。」
「ええっ!?ミレンさんまで?」

 魔王であった時には妹と話しておった時にしか感じられなかった暖かい感情を妾は最近よく感じられる様になった。
 マイがこの世界に来て変われたと言っておった様に、妾もマイやフウマと出会って変わっておるのかもしれんの。

「おお、中々のモフりテクね。ミレンちゃん。」
「うむ。妾もマイに負けてはおれんからの。」
「ひゃっひゃう!?らめ、しょこはりゃめれすぅ。しょ、しょんなとこまで?ちょ、ちょっとマイムしゃん!?どうして服を脱がそうとするんですか?ってひゃうぅぅ。しょ、しょこは敏感なんでしゅうぅぅぅ!!」

 翌朝、ツヤツヤとしたマイと遠い目をしたミレイユの間に挟まれて妾は目覚めた。
 あー、流石に羽目を外しすぎたかもしれんの。




 _______________________________________________





『あいつ』


 ウチの名前は篠崎明日香。
 同じクラスにはあいつがいたけれど、ウチは友達も沢山いたし毎日楽しい高校生活を送っていた。

 でも、ウチのクラスの全員が急に異世界のラングレシア王国っていう所に来ていた。
 ウチはこの世界に来て目が覚めてから、すぐにあいつがいる事が判って安心した。
 ウチはまだあいつに謝れていないし、こんな何も分からない世界で一番信じられるあいつがいる事が判って凄くホットした。
 けれど、あいつは土御門さんと何処かに行ってしまった。
 ウチも土御門さんがあいつに抱きついているのを見たし、二人の意思で何処かに行ったんだと思う。

「やっぱ、付き合ってたのかなぁ。」
「明日香様?どうかなさいましたか?」
「あ、お姫ちん。」

 ウチが窓の外を見ながら一人黄昏ていたら、この国の第一王女であるお姫ちんが心配したのか話しかけに来てくれた。
 お姫ちんはウチと同い年なのに、この国を悪者から守るために頑張っているスゴくいい子だ。
 ウチは人を見る目には自信があるけれど、ここまで良い人は見た事がない。

「お気分が優れませんか?体調が悪い様でしたら本日の座学は延期しますが。」

 お姫ちんがウチの顔を覗き込んで心配そうな顔を向けてくる。
 やっぱりこの子は良い子だなぁ。
 ウチがメイドさんに話を聞き出しても凄い慕われている様だったし、クラスのみんなもこのお姫ちんの為ならこの国の為に戦おうと思えるって言っていた。
 もともと正義感が強い天満っちは当然やるって言うと思ってたけど、他人に対して疑い深いウチでもやろうって思えるくらいだから、カリスマ性っていうよりもその純真さに惹かれたんだと思う。

「心配ないよお姫ちん。ちょっと風舞の事を考えていただけだから。」
「申し訳ございません。私が力不足なあまりにまだ発見出来ていないのです。」
「そんな事ないよ。お姫ちんが毎日殆ど寝ずに指揮をとっているのは知ってるし、ウチらの様子もこうやってよく見に来てくれてる。それにあいつは並大抵の事じゃ動じない鈍いやつだからね。多分上手くやってるよ。」
「ありがとうございます。明日香様はお優しいですね。」
「もう、あーちゃんで良いって。みんなもそう呼んでるよ?」
「いえ、私は勇者様方の将来を奪った罪人です。私などが明日香様をその様な親しげな名で呼ぶ事など出来ません。」
「まったく。お姫ちんは硬いなぁ。」
「あ、明日香様?」

 お姫ちんがウチに抱きつかれて驚いた声を上げる。
 背が高めなウチよりも頭一つ分くらい背が低いお姫ちんを撫でながら、ウチはつい不安を漏らした。

「まあ、心配といえば、風舞が土御門さんと良い仲になっているのかって事なんだけど。」
「その、それは私にも分かりません。」
「そうだよねー。よし。ウチもウジウジしててもしょうがないし、今できる事をやらないとね!」
「ありがとうございます明日香様。今後とも宜しくお願いします。」
「相変わらずお姫ちんは可愛いなぁ。」

 ウチはお姫ちんの頭を撫でながら遠くにいるであろうあいつに負けないくらい強くなってやると決めた。
 またあいつに会った時にはウチがあいつの頭をひっぱたいて、置いて行ってごめんなさい明日香様って言わせてやるんだ!
 その為には明日からのレベリングの為に今日の座学も頑張らなくちゃね!
 ウチはそう決心した。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

処理中です...