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ピエール 

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僕、ピエールはファルチェ王国の第3王子である。15歳でシエイア学園に通っている。王族であるが故にうまれたときから許婚が決められている。18歳で学園を卒業後すぐに結婚する予定になっている。許婚は宰相の娘で名前はイエーナだ。15歳で、見た目はとても可愛いのだが、気に入らないことがあると暴れたり、他の人をいじめたりする子だ。

この間もお茶の温度が気に入らないからという理由でティーカップを使用人に投げつけていた。学園内でも自分の前をあるいていたという理由で階段から突き落としていた。気に入らないクラスメイトの荷物を中庭の池の中に投げ込んでいたこともある。

親の命令による許嫁だが、このままでは彼女の言動が原因で許嫁が解消になるかもしれない。そうなるとイエーナに罰則を与えなくてはならなくなる。王都追放ですんだらいいが、それではすまない可能性の方が高い。

イエーナのことは好きではないが、できれば罰則を与えたくは無い。そのためにどうするのかずっと頭を悩ませていた。


ところが今日は階段から落ちかけたクラスメイトを助けていた。その落ちかけていたクラスメイトはいつもイエーナがいじめているシャイアだった。噂を聞いたときは嘘だと思った。その後で目撃者に聞いたところ本当だとわかった。

その後もシャイアだけでなく困っている人全員を積極的に助けているようだった。使用人への対応も良くなった。

最初は別人がイエーナを演じているのかと疑った。最近は彼女の振るまいがひどすぎて、いつ婚約破棄になるかわからないという状況になっており、噂もされている。しかし、どんなに調べても他の人が演じているという証拠が見つからなかった。王族の「かげ」を使用するなど、イエーナには絶対にばれずに、隠し事はすべて明かす方法を使ったにもかかわらずだ。

このことから何らかのきっかけでイエーナが改心したのだと判断した。そのきっかけはどんなに調べても出てこない。おそらく、婚約破棄の噂を聞いた本人に何らかの思うところがあったのだろうと予測している。

今のイエーナであれば僕の妻として協力して国を回せるような気がする。このままであれば、学園を卒業ししだい結婚し、王国をよりよくするための勉強を一緒にしようと思う。

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