60 / 83
60)天然お医者さんVS嫉妬深いマフィアのボス
しおりを挟む
「嬉しいなあ~。僕、一人でゴハン食べてばかりだから……!」
と、珠天先生がいそいそとロッカーから重箱を持ってきた。
こんなに嬉しそうな先生を置いていけるわけもなく、私と紅龍様が顔を見合わせていると、戻ってきた茨鬼君がプンスコ怒っていた。
「ディディ様! 騙されないでください! その腹黒の手製弁当なんて、何が入っているかわかりませんから!!」
「茨鬼君のお弁当は、苦手なタマネギを抜いておいたよ~」
「うぐっ!!」
茨鬼君が苦手な食べ物を暴露され、また顔を赤くしながら「ウワーン!」と飛び出して行った。
何だったんだ……。
茨鬼君を追いかけなくても良いのかな?
でも珠天先生がニコニコ顔のまま、お弁当を差し出しながら言う。
「だいじょうぶだよ。あの子、お腹が減ったら戻ってくるからね」
そんな犬みたいに……!
紅龍様も頷いているし、良いのかなと心配しつつも、とりあえず食事にすることにした。
重箱弁当は、おにぎりやら卵焼きやらタコさんウィンナーがミチミチに詰まっていた。
けど、男二人はパクパク食べて、あっと言う間に無くなりそうな勢いだ。
紅龍様がよく食べるんだけど、珠天先生も負けず劣らず健啖家だわ……!
ちなみに、珠天先生とは関わるのが初めてなのに、何故かよく話しかけられた。
「ディディさん、苦手な食べ物はあるかな?」
「ディディさんのお口に合うと良いのだけど……」
「ディディさん、美味しそうに食べてくれるね。嬉しいよ」
その好感度の高さに驚いていると、珠天先生は嬉しそうに頷いていた。
「春麗のことで荒れていた紅龍クンが今、とっても幸せそうだからね。全てディディさんのお陰だよ。本当にありがとう」
「オイ、だから元嫁のことは話題にすんなっつってんだロ」
紅龍様は咎めながらも珠天先生を殴ったりすることはなかった。
その様子からも、二人の長い付き合いを感じる。
マフィアクターファンブックでは、スラムに捨てられた紅龍様と珠天先生が意気投合して二人で困難を乗り越え、その途中で春麗と出逢うとか書いてたなぁ。
ちなみに、このどう見ても悪党には見えない珠天先生、実は前科52犯の犯罪者である。
とても悪党には見えない……とジロジロ見てしまう。
私の視線に気づいた珠天先生がニコッと笑顔で応えてくれたのを紅龍様が嫉妬して殴ろうとしたけど拳を止めた。
「あ~、コイツ殴って、また人格がおかしくなっちまったら面倒だからナ~」
そう、もともと珠天先生は生粋の悪党で、暴力だの盗みだの女性問題だの酷かったらしい。
だけど『とあること』に激怒した紅龍様に一度、思いっきり殴られて死にかけたのが切っ掛けで善良な人格になった……という設定だった。
(『とあること』については、ファンブックではボカされていたけど)
そんなバカな……って感じだけど、ゲーム本編の過去回想での珠天先生は一人称が『俺様』で、女と見れば口説いて遊んで捨てるようなガチクズだったのよね~。(だから私はガルーらが子供時代の頃は、珠天先生がクズ期だから会おうとしなかった)
それが今や『僕の力が役に立つなら~』と昼夜を問わずに、人助けしてるんだから、紅龍様の性転換ならぬ性格転換すごすぎる……。
しかも珠天先生は紅龍様が大好きみたいで(BL的な意味ではなく)仲良しだから嬉しい!
男同士の友情にトキメくのは全人類共通なのか(主語デカ)紅龍様と珠天先生のおっさん組で推されてたりしたのよね。
なのに、このおっさん二人をハブった劇場版……! と血の涙を流さずにはいられない。
そのハブられてた二人と食事とか最高かよ……! とデュフデュフしていると、珠天先生がタコさんウィンナーを差し出してきた。
「ディディさん、これ美味しいよ。はい、あーん」
男女の遣り取り的な意味ではなく、あくまで親が子供にするような空気感だった。
けど、紅龍様が嫉妬して横から卵焼きを口に突っ込んできた。アガガ!!
口いっぱいの卵焼きを咀嚼する私の横で紅龍様がドヤ顔をする。
「珠天、テメー、トロくさいんだヨ! だから嫁に逃げられんだバーカバーカ!」
「奥さんに逃げられたのは、前の僕の時だからよくわからないんだよね……。ねえ、紅龍クン、奥さんに逃げられたらどんな気持ちなのかなぁ?」
「ワタシに聞くんじゃねぇヨ! ウチは嫁が逃げたんじゃねーヨ! マジで殺すゾ!!」
あの紅龍様が言い負かされている……!
人格がクソな時の悪事も全て今の珠天先生の所為にされてるのは気の毒な気もするけどね。
でも珠天先生、ニッコニコで私におにぎりとか肉団子とか食べさせようとする!
それを見た紅龍様は猫パンチみたいに珠天先生の手をパシパシ叩いていた。
「おい! 珠天! ディディに馴れ馴れしくすんなヨ! コイツ、ワタシの女だからナ!」
「でも僕もディディさんとお友達になりたいなぁ。あ、友達の友達だから、もう友達かな?」
「だからワタシの女だっつってんだロ! トモダチにすんじゃねーヨ! 殺すゾ!」
紅龍様が憤る中、珠天先生は、の~んびりと言い放った。
「ディディさんは恩人だから、大切にしたいんだ。ありがとうね、茨鬼クンを……息子をいっぱい大事にしてくれて」
なんて?
と、珠天先生がいそいそとロッカーから重箱を持ってきた。
こんなに嬉しそうな先生を置いていけるわけもなく、私と紅龍様が顔を見合わせていると、戻ってきた茨鬼君がプンスコ怒っていた。
「ディディ様! 騙されないでください! その腹黒の手製弁当なんて、何が入っているかわかりませんから!!」
「茨鬼君のお弁当は、苦手なタマネギを抜いておいたよ~」
「うぐっ!!」
茨鬼君が苦手な食べ物を暴露され、また顔を赤くしながら「ウワーン!」と飛び出して行った。
何だったんだ……。
茨鬼君を追いかけなくても良いのかな?
でも珠天先生がニコニコ顔のまま、お弁当を差し出しながら言う。
「だいじょうぶだよ。あの子、お腹が減ったら戻ってくるからね」
そんな犬みたいに……!
紅龍様も頷いているし、良いのかなと心配しつつも、とりあえず食事にすることにした。
重箱弁当は、おにぎりやら卵焼きやらタコさんウィンナーがミチミチに詰まっていた。
けど、男二人はパクパク食べて、あっと言う間に無くなりそうな勢いだ。
紅龍様がよく食べるんだけど、珠天先生も負けず劣らず健啖家だわ……!
ちなみに、珠天先生とは関わるのが初めてなのに、何故かよく話しかけられた。
「ディディさん、苦手な食べ物はあるかな?」
「ディディさんのお口に合うと良いのだけど……」
「ディディさん、美味しそうに食べてくれるね。嬉しいよ」
その好感度の高さに驚いていると、珠天先生は嬉しそうに頷いていた。
「春麗のことで荒れていた紅龍クンが今、とっても幸せそうだからね。全てディディさんのお陰だよ。本当にありがとう」
「オイ、だから元嫁のことは話題にすんなっつってんだロ」
紅龍様は咎めながらも珠天先生を殴ったりすることはなかった。
その様子からも、二人の長い付き合いを感じる。
マフィアクターファンブックでは、スラムに捨てられた紅龍様と珠天先生が意気投合して二人で困難を乗り越え、その途中で春麗と出逢うとか書いてたなぁ。
ちなみに、このどう見ても悪党には見えない珠天先生、実は前科52犯の犯罪者である。
とても悪党には見えない……とジロジロ見てしまう。
私の視線に気づいた珠天先生がニコッと笑顔で応えてくれたのを紅龍様が嫉妬して殴ろうとしたけど拳を止めた。
「あ~、コイツ殴って、また人格がおかしくなっちまったら面倒だからナ~」
そう、もともと珠天先生は生粋の悪党で、暴力だの盗みだの女性問題だの酷かったらしい。
だけど『とあること』に激怒した紅龍様に一度、思いっきり殴られて死にかけたのが切っ掛けで善良な人格になった……という設定だった。
(『とあること』については、ファンブックではボカされていたけど)
そんなバカな……って感じだけど、ゲーム本編の過去回想での珠天先生は一人称が『俺様』で、女と見れば口説いて遊んで捨てるようなガチクズだったのよね~。(だから私はガルーらが子供時代の頃は、珠天先生がクズ期だから会おうとしなかった)
それが今や『僕の力が役に立つなら~』と昼夜を問わずに、人助けしてるんだから、紅龍様の性転換ならぬ性格転換すごすぎる……。
しかも珠天先生は紅龍様が大好きみたいで(BL的な意味ではなく)仲良しだから嬉しい!
男同士の友情にトキメくのは全人類共通なのか(主語デカ)紅龍様と珠天先生のおっさん組で推されてたりしたのよね。
なのに、このおっさん二人をハブった劇場版……! と血の涙を流さずにはいられない。
そのハブられてた二人と食事とか最高かよ……! とデュフデュフしていると、珠天先生がタコさんウィンナーを差し出してきた。
「ディディさん、これ美味しいよ。はい、あーん」
男女の遣り取り的な意味ではなく、あくまで親が子供にするような空気感だった。
けど、紅龍様が嫉妬して横から卵焼きを口に突っ込んできた。アガガ!!
口いっぱいの卵焼きを咀嚼する私の横で紅龍様がドヤ顔をする。
「珠天、テメー、トロくさいんだヨ! だから嫁に逃げられんだバーカバーカ!」
「奥さんに逃げられたのは、前の僕の時だからよくわからないんだよね……。ねえ、紅龍クン、奥さんに逃げられたらどんな気持ちなのかなぁ?」
「ワタシに聞くんじゃねぇヨ! ウチは嫁が逃げたんじゃねーヨ! マジで殺すゾ!!」
あの紅龍様が言い負かされている……!
人格がクソな時の悪事も全て今の珠天先生の所為にされてるのは気の毒な気もするけどね。
でも珠天先生、ニッコニコで私におにぎりとか肉団子とか食べさせようとする!
それを見た紅龍様は猫パンチみたいに珠天先生の手をパシパシ叩いていた。
「おい! 珠天! ディディに馴れ馴れしくすんなヨ! コイツ、ワタシの女だからナ!」
「でも僕もディディさんとお友達になりたいなぁ。あ、友達の友達だから、もう友達かな?」
「だからワタシの女だっつってんだロ! トモダチにすんじゃねーヨ! 殺すゾ!」
紅龍様が憤る中、珠天先生は、の~んびりと言い放った。
「ディディさんは恩人だから、大切にしたいんだ。ありがとうね、茨鬼クンを……息子をいっぱい大事にしてくれて」
なんて?
30
あなたにおすすめの小説
転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?
山下小枝子
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、
飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、
気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、
まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、
推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、
思ってたらなぜか主人公を押し退け、
攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・
ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!
この世界に転生したらいろんな人に溺愛されちゃいました!
キムチ鍋
恋愛
前世は不慮の事故で死んだ(主人公)公爵令嬢ニコ・オリヴィアは最近前世の記憶を思い出す。
だが彼女は人生を楽しむことができなっかたので今世は幸せな人生を送ることを決意する。
「前世は不慮の事故で死んだのだから今世は楽しんで幸せな人生を送るぞ!」
そこからいろいろな人に愛されていく。
作者のキムチ鍋です!
不定期で投稿していきます‼️
19時投稿です‼️
能天気な私は今日も愛される
具なっしー
恋愛
日本でJKライフを謳歌していた凪紗は遅刻しそうになって全力疾走してたらトラックとバコーン衝突して死んじゃったー。そんで、神様とお話しして、目が覚めたら男女比50:1の世界に転生してたー!この世界では女性は宝物のように扱われ猿のようにやりたい放題の女性ばっかり!?そんな中、凪紗ことポピーは日本の常識があるから、天使だ!天使だ!と溺愛されている。この世界と日本のギャップに苦しみながらも、楽観的で能天気な性格で周りに心配される女の子のおはなし。
はじめて小説を書くので誤字とか色々拙いところが多いと思いますが優しく見てくれたら嬉しいです。自分で読みたいのをかいてみます。残酷な描写とかシリアスが苦手なのでかかないです。定番な展開が続きます。飽き性なので褒めてくれたら続くと思いますよろしくお願いします。
※表紙はAI画像です
転生したら4人のヤンデレ彼氏に溺愛される日々が待っていた。
aika
恋愛
主人公まゆは冴えないOL。
ある日ちょっとした事故で命を落とし転生したら・・・
4人のイケメン俳優たちと同棲するという神展開が待っていた。
それぞれタイプの違うイケメンたちに囲まれながら、
生活することになったまゆだが、彼らはまゆを溺愛するあまり
どんどんヤンデレ男になっていき・・・・
ヤンデレ、溺愛、執着、取り合い・・・♡
何でもありのドタバタ恋愛逆ハーレムコメディです。
私が騎士団の司令官ってなんですか!? ~聖女じゃなかった私は得意の料理で騎士たちの心を掴んだら食堂の聖女様と呼ばれていました~
あんねーむど
恋愛
栄養士が騎士団の司令官――!?
元社員食堂の職員・白城千鳥は、ある日突然「聖女」として異世界アルゼリオン王国に召喚される。
しかし期待された聖女の力はまったく発現されず、判明したのは彼女がただの一般人だという事実。
役立たずとして放逐されるかと思いきや、千鳥は王宮食堂で料理人として働くことに。慣れない異世界生活の中でも、栄養管理や献立作りを通して騎士たちの体調を支え、静かに居場所を築いていく。
そんなある日、問題児ばかりを集めた新設部隊アルゼリオン王国騎士団戦術騎士隊【アルタイル】 が発足。なぜか千鳥が司令官に任命されてしまう。
戦えない、魔法も使えない、指揮の経験もない。
困惑する千鳥を待っていたのは、王子である身分を隠している隊長のエドガー、年下で聡明だが一途すぎるノエル、俺様で口の悪い元衛士隊のクラウディオ、外見に反してサディスティックでマッドサイエンティストのフェルナンド、癖も事情も抱えたイケメン騎士たちだった。
最初は反発され、軽んじられ、失敗も重ねる千鳥。それでも彼女は騎士一人ひとりと向き合い、少しずつ信頼を勝ち取っていく。
聖女でも悪役令嬢でもない。戦場に立つことすらできない彼女は、やがて隊員たちを導く司令官として成長していく。
★にキャラクターイメージ画像アリ〼
※料理モノの物語ではありません。
男女比バグった世界で美女チート無双〜それでも私は冒険がしたい!〜
具なっしー
恋愛
日本で暮らしていた23歳喪女だった女の子が交通事故で死んで、神様にチートを貰い、獣人の世界に転生させられた!!気づいたらそこは森の中で体は15歳くらいの女の子だった!ステータスを開いてみるとなんと白鳥兎獣人という幻の種族で、白いふわふわのウサ耳と、神秘的な白鳥の羽が生えていた。そしてなんとなんと、そこは男女比が10:1の偏った世界で、一妻多夫が普通の世界!そんな世界で、せっかく転生したんだし、旅をする!と決意した主人公は絶世の美女で…だんだん彼女を囲う男達が増えていく話。
主人公は見た目に反してめちゃくちゃ強いand地球の知識があるのでチートしまくります。
みたいなはなし
※表紙はAIです
猫なので、もう働きません。
具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。
やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!?
しかもここは女性が極端に少ない世界。
イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。
「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。
これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。
※表紙はAI画像です
転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました
空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。
結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。
転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。
しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……!
「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」
農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。
「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」
ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる