神に愛されていないと言われた少女はヴィランの男達に溺愛される

夕張さばみそ

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大人編

5)囲姫

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 ディディらが紅龍の元へ引き取られてから数年が経過した。

 今夜は船上で煌びやかなパーティーが催されている。
 宝石のようなシャンデリアが揺れ、豪華な料理やグラスに美しい陰影を落としていた。

 紅龍の誕生日を祝うためのマフィアの集いだ。
 幹部から下っ端までが招集をかけられている。

 その中でも肩で風を切って歩く男が居た。

 ガルーだ。
 黒の短髪に眼帯、鍛え抜かれた肉体を誇るガルーは、その強力な福音の力もあってか、組織のナンバー2に上りつめていた。

 ガルーの隣りを歩くのは、白い髪を長く伸ばし、褐色の肌をした美しい青年・サングレだった。

 ガルーは組織の暴力機構として。
 サングレはカジノや娼館の運営を任され、どちらも成功していた為、組織で彼らに意見出来る者は紅龍以外にいなかった。

 ――いや、もう一人だけ居た。

 ガルーとサングレの間には、黒の美しい髪に雪色の肌をした絶世の美女が居たのだ。
 美女は伏し目がちな笑顔で二人の傍に控えており、さながら姫と騎士のようだった。

 それを見た乗客達は息を飲み、ひそひそと囁く。

「あれがボスの愛人で幹部の囲姫(かこひめ)ディディ……」
「なんて美しいんだ……」
「あんな美人と寝れるなら、幾ら出しても構わねぇな……」

 そう呟いていた者達のネクタイがすっぱりと切れ落ちる。
 サングレが左手の指を刃物にして嗤っていた。

「失敬。俺の福音は、躾がなってないもので」

 サングレの言葉にガルーが煙草を咥えながら呆れたように告げた。

「サングレ。短気も程々にしておけよ。暴行の後始末に回されるのはコッチなんだよ。つうか、ディディ。手前の福音はどうした。サングレが福音発動してるじゃねぇか」

 ガルーがディディに問いかけると、ディディは頬をバラ色にして困惑したように首を傾げた。

「ご、ごめんね。クシャミが出そうで堪えてたから、福音が切れちゃったのかも……」

 その可愛らしい仕草にサングレはディディの手をとり、キスをした。

「良いんですよ、ディディ。俺の福音は君を守る為のモノですから。君はそのままで」

 サングレの言葉にガルーが呆れたように続ける。

「いや、良かねぇだろ。今日の催しは紅龍のジジイの誕生会だ。万が一にも福音で何かが起これば、それにかこつけてあいつはディディを独占する」

 そう言われてディディは覚悟を新たにする。

 ディディの処女は『意中の男』に捧げることを許されたが、それからは紅龍とガルー、サングレに囲われていたのだ。

 ディディと寝ると、福音の制御をしなくても良いという理由からだろうが、どの男もディディとただ『寝る』だけでなく、必ずセックスを求めた。
 もう今のディディの体も胎内も3人の指とペニスが触れていない箇所など無い。

 毎晩のように違う男に抱かれるディディを組織の人間は『囲姫』と呼んでいたのだ。

 そうしていると、紅龍が現れた。
 目元に薄い皺があるものの、あの幼い日に出逢った姿とほとんど変わらぬ若く逞しい姿に、組織の者達が一斉に姿勢を正す。

 そして紅龍はネクタイが切れている数人の部下を見て、軽く笑った。




――あとがき――
『意中の男』は好きな相手で想像してください。
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