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権力掌握へ

祝勝会

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「俺達のクランの勝利を祝って乾杯!!」
俺達はクランハウスで祝勝会を開いていた。食事はアクアカウの丸焼きにメタルシャークの刺身、ペッカ村から貰った野菜のサラダなど豪華なものとなった。
ちなみにアクアカウは名前の通り水牛みたいな奴でメタルシャークはサメというよりはカジキに近い感じだった。
飲み物は酒である。え?未成年でしょ?だって?
大丈夫。この世界では16歳からが成人らしいし、アルコール耐性も創一に作ってもらったから。耐性って言っても酔えないとかじゃなくて酒に強くなるとか二日酔いにならないスキルだからね。創一さんサンキューです!
初めて飲んだ酒の味は無茶苦茶美味かった。信頼を取り戻しつつあるバロス商会から取り寄せた最高級のお酒らしい。
リザードマン達は酒に強いらしくガバガバ飲んでいる。
「おい、お前ら。もっと味わって飲め。」
バロスがリザードマン達に注意する。
「うめぇから止まんねぇんだよ。たくさんあるしいいだろ~」
リザードマン達若干酔っているな。
「マスター。」
この声は創一だ。やはりこいつもアルコール耐性を自分につけていたか。いつもと全く変わっていない。
「どうした?創一。何かあったのか?」
「いえいえ、楽しい宴ですねと言いたかっただけですよ。」
創一もこんなことを言うのか。普段、冷静で的確な判断を下し続ける姿からは正直、想像できない。
「ははは、普段の私の姿からはこんなセリフは似合わないでしょうね。私はマスターに使えるために生まれたのですから、普段はああですが私にだって感情くらいありますよ。」
完全に読まれてたか。さすが創一。
「これからもマスターのそばに仕えさせてもらいますよ。改めてよろしくお願い致します。」
「こっちだって頼りにしてるさ。こちらこそこれからもよろしくな!」
俺達は握手を交わし、これからもお互いに協力しようと約束した。
「リクト様!ソウイチさん!何してるんですか!?早くしないとご飯無くなっちゃいますよ!」
アイリが向こうのテーブルから俺達を呼んでいる。あいつはかなり酔っているな。顔が真っ赤だ。
テーブルの上を見てみるがかなりの量が無くなっていた。
「このままだと、我々の分が無くなってしまいますね。急ぎましょうマスター。」
「そうだな。さっさと取ってしまおう。」
そう言い俺達は全力疾走でテーブルの上のおかずの皿を奪い取った。
「おい!リクト!ソウイチ!それはずるいだろ!」
バロスが何か言っているが無視無視。
こいつだってかなり食っているしな。
「俺達だって食わさせてもらうぞ。酒ばっかじゃ飽きちまうしな。」
そう言って、俺と創一は皿の中のおかずを一気に口に流し込んだ。
「リクト様~~~!!!」
アイリやエイフィーも俺達を追いかけ回した。その日クランハウスは朝まで賑やかだった。そしてほとんどのメンバーがその時のことを忘れてしまっていた。
もちろん俺と創一はバッチリ覚えてるぜ。

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