琥珀の夜鷹_ep1. 星降りの守り人

朝河 れい

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EP1_3章

3章_17 出陣の時

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 雲間の太陽の紅が深まる夕刻、
城門前の広場にはイントレドの総兵力の
約半数に及ぶ騎兵が集結していた。


壮観たる騎兵隊の前には、
それを率いる二人の隊長の姿があった。
鉱山隊の隊長を務めるエルザ・カナリスと、
もう一人、筋骨隆々のたくましい男が立っている。


メリッサとカムランが馬を揃えて二人の方に向かうと、
それに気づいたエルザがやってきた。

「姫様、お待ちしておりました。
我々の部隊は二手に分かれ、
一隊は先発しているロクサリオ宰相が率いる本隊と合流、
もう一隊はここイントレドからまっすぐに北上し、
ブラナスへ急行します。

ブラナスへ向かう隊はこのエルザ・カナリスが、
そしてロクサリオ様の本隊との合流部隊は
ガヴェイン・ボストークが率います。」


エルザはそこまで言い、もう一人の隊長を促した。

「姫様、お初にお目にかかります。
吾輩がボストークにございます。」

語気の強いスキンヘッドの男は、
恭しく一礼をした。


「ボストーク隊長は、
コーエン将軍旗下、イントレド守備軍の副司令官を務める者です。

この度のブラナス救援は、
我々の二隊にて遂行いたします。」


出陣を間近に緊張しているのか、
エルザは少し早足でメリッサに陣容を説明した。


「ありがとう。承知しました。
では私とカムランさんは、
エルザ隊長と共にブラナス救援に向かいます。」

二人の隊長は本隊への合流を強く推したが、
メリッサはここでも意志を曲げることは無かった。


「・・・では、私の隊にご同行ください。
必ずお守りいたします。
カムラン・リード、貴方の力、
再度私に貸してもらいたい。」


公国の姫を従軍させる重責を実感したエルザは、
口が切れんばかりの力でギュッと口を噛んだ。


「話は決まりましたな。
エルザ・カナリス、そちらはよろしく頼んだぞ。」

ボストーク隊長は不敵な笑みを浮かべると、
踵を返して軍勢の前に馬を進めていく。

合図を受けた指揮官たちも持ち場についた。
出陣はまもなくだ。
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