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4話 いつからKYは、『空気読めない』から『空気読める』に意味が変わっていたのでしょうか?

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先程チャイムが鳴った玄関の扉がガチャガチャと乱暴に音を立てていた。
「紫乃ー?いるのかー?」
扉の向こうから聞こえたのは、幼なじみで同じクラスの金沢だ。
金沢はバカで明るくてうるさい。
私の事チビだって馬鹿にするし、空気読めないけど、今日のnowは助かったー!
「待っ・・・」
待って、今行くから。
その一言は目の前のドS教師に口を塞がれたことにより、私の口から発する事は出来なかった。
な、何しとんじゃ!ボケェ!
あ、ちなみにマウストゥーマウスではなかったです。私の口を塞いだのは先生の手です。安心してください。
先生は黒い笑顔を浮かべ、そっと耳元で囁いた。
「今、声出したら・・・どうなるか・・・分かるよね?」
いいえ、分かりません・・・。嘘です分かります。
何されるかはわからないが、とりあえず私には何のメリットも無いことだけは分かった。
「紫乃ー?いないのかー?そっか・・・いないんだ・・・。じゃあ・・・」
金沢は、最初こそ馬鹿でかい声で話してたのに、後半は人が変わったかのように低く、冷たい声を発していた。
じゃあ・・・の続きは!?なに!?なんか怖いんだけど!!!
ていうか、金沢は声変わりしてたんだね!
ずっと馬鹿みたいな声しか出せないんだと思ってた!
私の脳内、激しくパニック。
金沢の言葉の謎は、私が脳内パニックを起こしたすぐ後に解決した。
なんか、接続詞おかしいな。最後の1文。
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