おねえさんのおしゃべりラジオ！

#14 歌のおねえさんはうっかりさん

《では始めますね～、5、4、3、2、・・・》

　「はい、始まりました、【おねえさんのおしゃべりラジオ！】　当ラジオの司会進行を務めます、サンダルでもパンプスでもなくスニーカーが一番、篠原 怜（しのはら れい）です」

　「そして本日のゲストは・・・」

　「みんなーーー　こっんにっちわーーー！！　」

　「・・・」

　「あれぇ？　声が聞こえないぞぅ？　もう一回行くねっ！　せーのっ、こっんにっちわーーー！！　」

　「・・・」

　「あれあれ～？　今日はみんなどうしたのかな？　元気がないぞ～う？　」

　「あの、そういう事されると困ります」

　「んへっ？！　これが私の始め方なのに怒られた！？　」

　「子供達がいるテレビ番組であればそれでいいのですが、今はラジオ番組なので、勝手が異なるんです」

　「・・・えっ、ラジオなの？　」

　「はい？　そうですけど」

　「し、しまったーー！！　どおりで子供達もいなくて静かだったのね！　ピンマイクも無いし」

　「あぁ、なにか勘違いをされていたんですね。それなら仕方ないですね。次からは気を付けて下さい」

　《ええっ～！！　それでいいの？！　byスタッフの心の声》

　「はい、分かりましたー」

　「それでは、改めて私からご紹介します。今日のゲストは、子供達に大人気、元気いっぱいの歌のおねえさんこと、橋本 陽子（はしもと ようこ）さんです」

　「はーい、はっしーこと、橋本 陽子（はしもと ようこ）だよー！　今日も元気にいってみよー！　」

　「はい、元気元気。よろしくお願いします」

　「それじゃあまずは、何からしようか？　やっぱりまずは、準備体操からいきましょー！　」

　「いりません」

　「えぇっ！　それじゃあ・・・大きな声出して飛び跳ねよう！　」

　「ダメです。ここには色々と高価な機材もあるので、大人しくして下さい」

　「はぁい・・・　それじゃあ「おそらくそれもダメです」

　「まだなんにも言ってないのに・・・　じゃあラジオって何をすればいいの？　」

　「簡単ですよ。ただ話すだけですよ」

　「話すだけで元気を届けられるの？　」

　「元気を届けるのは難しいでしょうね」

　「それなら何を届けるの？　」

　「何も届けないですよ」

　「えっ？　」

　「でも、私はそれでいいと思っています。何にも思わない・考えないでいい時間を過ごしてもらう、それが私に求められているものだと思っています」

　「・・・そういうのもあるんだ・・・」

　「まぁただ適当に言っただけですけど」

　「エェーーー！　」

　「それでは今日はこの辺で。また明日」


《この番組は、誰でも自由に作品を、アルファポリスの提供でお送りしました》