【完結】 二年契約の婚約者がグイグイ迫ってきます

紬あおい

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25.実家

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皇帝陛下の承認が下りて、今日は私の実家であるランカスター伯爵家に結婚報告に行く。
公爵家から馬車で1時間程の距離だ。

「公爵様、ようこそお越しくださいました。」

父母と弟が出迎え、早速応接室に通される。

「私は、パウエル・ランカスター、こちらは妻のアーリア、長男でマリアベルの弟のカルロスでございます。カルロスには、一度お会いになったと聞いております。」

お父様が紹介する。

「ヘルベルト・ガーディアンだ。この度、マリアベル嬢と婚姻を結ぶこととなり、事後報告となったが皇帝陛下の承認を得ている。」

そして、カルロスをチラリと見た。

「先日、カルロス殿には見苦しいところを見せ、マリアベル嬢にケガを負わせてしまい、大変申し訳ない。」

ヘル様は素直に謝ったが、表情はお仕事モードなので恐く見える。

「いえ、こちらも従兄弟のケイシーがあのような行動に出るとは予想出来ず、申し訳ございません。」

カルロスは反省しきりである。

「クラランス伯爵家には、ケイシーがマリアベルに近付かないよう厳重に抗議し、接近禁止の誓約書と慰謝料を預かっております。公爵様との婚約のお話で様子を見ていましたが、結婚の運びとなりましたのなら、このまま誓約書などはお持ちください。」

お父様は補足した。

「接近禁止であれば良いだろう。危険にさらす要因は無いに越したことはない。この後は、マリアベルの夫になるのだから、気軽に話してくれ。」

ヘル様は相変わらずのコワモテで話す。
公爵様のヘルベルトの前で、危険の要因は嫉妬とは、私もカルロスも口が裂けてもこの場では言えない。

そこにお母様がキラキラした目で会話に入って来る。

「マリアベルのどこをお気に召したのでしょう?親が言うのもアレですが、決して絶世の美女とは言い難く、寧ろ普通…」

「素晴らしい女性ですよ。既に公爵家の執務も担ってもらい、有能さも発揮してくれている。何より可愛らしいところがたくさんある。」

ヘル様、真顔のまま。

「「「可愛らしい???」」」

うちの家族って、ちょっと酷い…

「ああ、とても可愛らしく、素敵な女性だ。政略結婚ではなく恋愛結婚だ。」

「姉上が恋愛…目の前で好きと言われない限り、いや、言われても気付かないタイプですよ?この人。小綺麗にしとけばモテる筈なのに、男っ気無しでしたからね!」

カルロスよ、言いたい放題だね。

「あらー、じゃあ公爵様が熱烈に求愛なさったのかしら??見た目よりもずっといい子なんですよ。家族思いで1人で頑張ろうとしたり。家のこと全部任せられるんです。」

言いたい放題の製造元のお母様。

「望まれて結婚に至るのだな…」

お父様が1番まともに思える。

「取り敢えず!ヘルベルト様に迷惑掛けないようにね。変な壺買ったり、碌に知らない人にお金貸したり、遊び歩いて家のこと疎かにしたり…これからはちゃんとしてね!!」

心配で仕方ないわ。

「くくっ…マリアベルはしっかり者なんだな…」

「ヘルベルト様?笑ってる場合じゃありません。ほんとにふわっとした家族なんですよ…」

「何か困ったことがあれば、いつでも相談して欲しい。」

ヘル様は優しい。

「いえ、何か困ったことがあれば、まず自分達で解決策を考えてください。ヘルベルト様に頼るのは最終手段ですから!特にカルロス、あなたにかかってるんだからね。」

「姉上ぇー、怖っ!」

いや、マジでこれからはカルロス頼みなんだから。

短い時間に実家の体たらくを暴露してしまった。

「ヘルベルト殿を笑顔にさせる位、仲が良いのだな。安心したぞ、マリアベル。幸せになるんだよ。」

お父様は感慨深げに微笑んだ。
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