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【おまけ】 三日間の掟 ②
寝室を出ると、グレイスが立っていた。
「お前は…何をしてるの!侍女が寝室の様子がおかしいからと知らせに来たわ。いくらアザリアが大好きでも、女は雰囲気を大切にするの!!」
「母上…だって、アザリアが変態呼ばわりするから…」
「どう考えても、お前が悪い!寝室に戻りなさい!!」
「でも…アザリア、凄く怒ってる…」
「ごちゃごちゃ言ってないで、早く謝りなさい!無事に初夜を済ますまで、ここから出て来るんじゃないわよ!!」
グレイスは、ドアを開け、ハディウスの尻を蹴り飛ばして、寝室に押し込めた。
「アザリア、あなたも男性の性を理解しなさい!そして、今日を入れて三日、初夜を済ますまで、このドアは開かないものと思いなさい。ハディウスの妻になったのだから、アザリアも覚悟を決めなさいな。シグネスティ公爵家の男は、執着するけど妻は大事にするの。ハディウスを愛しているのなら、その執着も丸ごと受け入れてあげて?」
グレイスは、微笑んで、寝室を出て行った。
そして、すぐにドアの向こうから、釘を打ち付ける音がした。
グレイスは、本当に三日間閉じ込める気なのだ。
ドアの向こうの物音が静まった時、我に返ったハディウスはアザリアに詫びた。
「すまない、アザリア…理性が焼き切れた…あまりにも美しいから…アザリアが大好きで、触れたくて…自分の気持ちだけ押し付けて。アザリアの憧れの初夜にしてあげたかったのに、本当にすまない…」
しょんぼりして、ひと回り小さくなったように見えるハディウスを見て、アザリアも反省した。
「私こそ、ごめんなさい…少し怖くて、恥ずかしかったの…」
「すまない!怖がらせるつもりじゃなかったんだ!」
「うん…分かってる。こんなにもハディウス様は、私を求めてくれたのよね。」
「アザリア、大好きだ。本当に愛してるんだ。」
「私も愛してます。だから、優しくしてください。」
「分かった。怖かったら言って?母上は三日間と言ったけど、アザリアの気持ちが落ち着くまで、俺は我慢する。」
ハディウスは、アザリアをベッドまで横抱きにし、そっと下ろした。
「手を繋いで寝ようか。」
「いいえ、抱いてください。私はハディウス様の妻ですから。」
「いいのか?」
「はい、大丈夫です。」
ハディウスは、優しいアザリアの唇に自分のそれを重ねた。
ちゅっと啄むような口付けを交わし、微笑み合うと、アザリアの緊張が解けていく。
「ハディウス様、もっとしても大丈夫です。もう怖くありません。」
「アザリア、可愛い。やっぱりアザリアの笑顔、好きだ。」
ゆっくりと口付け、そっと舌を差し込むと、今度はアザリアから絡めてきた。
ハディウスはあまりの嬉しさに一瞬達しそうになるが、ギリギリ我慢した。
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